みんなはどう感じている?【子育ての大変さ】お金、メンタルの疲れ……増加傾向にある「子育ての負担」とは
日々成長する子どもの様子を見るのは嬉しいけれど、ワンオペ育児や、仕事と育児との両立でクタクタになっている親も多いはず。子育ての良いところと大変なところについて、人々がどう感じているかを調査したものがあります。日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4カ国で実施した調査の一部をご紹介します。
子育てしてよかったことは?
まず、「子育てをしてよかったこと」として、どのような回答結果が得られたのか、見ていきましょう。
「家庭が明るくなる」が最多
子育てをしていて、良かったと思うことは、日本では「家庭が明るくなる」が70.9%と多数を占める結果となりました。その次に多かったのは、「子育てを通じて自分も精神的に成長する」(63.4%)、「子育てを通じて自分の視野が広がる」(52.6%)などがあります。
フランスやドイツも、日本同様に「家庭が明るくなる」という回答が最も多くなっています。スウェーデンについては、「子育てを通じて自分も精神的に成長する」のほうが多い結果ですが、いずれにしても、家庭が明るくなることや、自分が子供共に成長できることを、子育てのよさとして考える人が多いといえます。
一方、日本の回答で少なかったのは、「子育てを通じて友人ができる」、「夫婦の愛情がより深まる」、「身近な人が子供と接して喜ぶ」などでした。
ちなみに、「生活にはりあいができる」という回答は、日本は4か国中最も低い44.7%。同調査は2005年・2010年・2015年にも実施していますが、回を追うごとに減少する傾向にあります。2015年度調査の52.8%より、今回は8.1ポイント減少しました。
子育てをして負担に思うことは?
続いて、子育てをしていて、自分にとって負担に思うことは何か、回答結果を見ていきましょう。
「出費がかさむ」が最多
日本で最も多い回答は、「子育てに出費がかさむ」(55.6%)で、4カ国中最も高い割合となっています。そのほか、「自分の自由な時間が持てない」(46.0%)、「子育てによる精神的疲れが大きい」(43.1%)も、日本が最も多い回答となりました。
フランスやドイツでも、「子育てに出費がかさむ」ことを負担に思う割合は高くなっています。
一方、日本とその他3ヵ国で差が出ているのが、「自分の自由な時間が持てない」です。欧州3ヵ国では2~3割ですが、日本では46%に上っており、子育てにより「自分の自由な時間が持てない」と感じる人は比較的多いことがうかがえます。
また、日本について過去の結果と比較すると、「子育てによる精神的疲れが大きい」(43.1%)という回答は、2015年度調査の28.5%より、14.6ポイント増加しています。また、「子育てによる身体の疲れが大きい」(42.6%)も 2015年度調査の30.8%より11.8ポイント増加。子育てによる精神的・身体的な疲れを負担に感じる人が増えていることがわかりました。
まとめ
子育てを通し、家庭が明るくなることや自身の成長につながると実感している親は多いことがわかりました。また、これは日本だけでなく、フランス・ドイツ・スウェーデンでも共通していました。一方、子育てでの負担としては、「出費がかさむ」「肉体的・精神的な疲れ」などを感じる人が多いようです。
調査概要
令和2年度「少子化社会に関する国際意識調査」報告書(内閣府)
・調査対象国:日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4か国
・調査対象者:0~49 歳の男女
調査時期:令和2年(2020年)10月~令和3年(2021年)1月
調査方法:
① 標本数
各国とも標本数 1,000 以上の回収を原則とした。
実際の回収数は、日本 1,372、フランス 1,000、ドイツ 1,022、スウェーデン 1,000 となっている。
② 調査方法
日本:調査員による留置き調査
(調査員による個別訪問面接方式併用)
フランス:調査員による個別訪問依頼・自記入調査
ドイツ・スウェーデン:調査員による個別訪問依頼・自記入調査
(調査員による電話依頼・自記入調査併用)
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、接触を減らす調査方法を採用した。
(マイナビ子育て編集部)
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