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2022年12月06日 09:13 更新

出産や育児のために休暇を取った男性へのアンケート|トータル何日くらい取得した?休暇取得の理由は?

2022年10月には男性育休の取得を促進する「産後パパ育休」が施行されるなど、国をあげて男性の育児参加が後押しされています。では、実施のところ、妻の出産や育児のための休暇取得の状況は、どうなっているのでしょうか? また、休暇取得によりどのようなメリットを男性は感じているのでしょうか? 

どのくらいの人が子供が生まれたあとに休暇を取っている?

2021年の男性の育児休業の取得率は13.97%となっており、9年連続で上昇傾向にあるなか、「男性育休」に関心のある家庭は多いと思います。男性が育児のために休暇を取得した場合の具体的な状況などが気になるところですよね。

内閣府が実施した「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」(令和元年)で、法改正前の「男性育休」の実態を見ていきましょう。

妊娠中に休暇を取得した夫は産後も休暇を取得

出生後2か月以内に休暇を取得した男性は58.7%でした。また、配偶者の妊娠中(出産前)に休暇を取得し割合は46.1%という結果に。

休暇取得状況で注目なのは、妊娠中に休暇を取得した人の多くは、出生後にもさらに休暇を取得しているという点です。反対に、妊娠中に休暇を取得していない人は、出生後にも休暇を取得しない傾向が見られます。

これは、実際に妊娠中に休暇を取得したことによって、「子育てのための休暇」の重要性や必要性を感じた人が多く、そうではない人との間で意識に差が生じた結果と考えられます。

末子の出生後2か月以内の休暇の取得状況(単一回答)/末子の妊娠中の休暇の取得状況別
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

休暇を取得した時期は出産日が最も多い

では、出産から2か月までの間で、男性の休暇取得が多いのはいつの時期なのでしょうか?

取得率が最も高かったのは「出産当日」で53.7%、次いで「出産翌日から退院まで期間」が50.3%、「出生から2か月以内の期間」が47.9%となっています。出産日をピークとして、男性の休暇取得率は下がっていく傾向にあることがわかります。

各期間の休暇の取得率
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

また、実際には休暇を取得しなかった、またはできなかったものの、休暇を取得しようという意思を持っていた割合は、26.4%でした。

これを実際に取得した割合と合わせると、9割弱の男性が「子育てのための休暇が必要」と考えていたということがわかります。このことから、ほとんどの人が休暇の重要性を認識しているといえるでしょう。

末子の妊娠中から出生後2か月以内の休暇取得状況・意向(単一回答)
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

夫の休暇取得日数はどのくらい?

取得した休暇の合計日数は「6~10日」が多数派

出生後2か月以内に、合計でどのくらい休暇を取得したかについては、6日以上10日未満が27.4%と最も多く、約3割に上りました。次いで10日以上(25.2%)、4日以上6日未満(20.9%)となっています。

末子の妊娠中から配偶者の出産後2か月以内に取得した休暇の合計日数
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

1回あたりの日数は1日が多い

休暇の取り方としては、妊娠中、出産日、入院中など、それぞれの期間で、いずれも1日以上2日未満を取得しているケースが最も多くなりました。本当に必要だと思うときにピンポイントで休暇を取得していることがわかります。

それぞれの期間に何日程度休暇を取得したか(単一回答)
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

休暇取得日数が多いほど多方面に行動

では、休暇を取得した日にはどんなことを行っていたのでしょうか?

「情報収集」「事務手続き」「配偶者のサポート」「家事」「育児」に分類してまとめたところ、取得日数が長いほど多方面にわたっていることがわかりました。

実際、「事務手続き」や「配偶者のサポート」を行っている割合は休暇取得が3日以上で高まっています。また、それ以外だと、休暇が4日以上になると行った割合が増えます。

このことから、しっかりと必要なことを行うためには3日ないし4日以上の休暇取得が必要だと言えそうです。

妊娠中から出生後2か月の間に、休暇を取得して特に行ったこと(複数回答)/休暇取得状況別
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

夫が育児のために休暇を取得する理由

「大事な瞬間に立ち会いたかったから」

休暇を取得した理由についても尋ねています。その結果、「大事な瞬間に立ち会いたかったから」「出産後は夫のサポートが必要であることを知っていたから」「家事や育児の大変さを知っておきたかったから」といった回答が、ほかと比べて高くなっています。

末子の出生後2か月以内に、育児休暇を取得した理由(複数回答)/休暇取得期間数別
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

これらの結果から、配偶者からの強い要望などではなく、もともと男性本人が育児への参画の意思を持っていたことが想像されます。

さらに、休暇取得の満足度を聞いてみたところ、全期間で休暇を取得した人ほど「とても良かった」と回答している人が76.2%と多く、休暇取得期間が増えるほど、その満足度が高くなっていることがわかります。

反対に1期間しか取得しなかった場合、満足度が低い人の割合が高いことも目立ちますね。

末子の出生後2か月以内(出産の当日も含む)に休暇を取得して良かったか(単一回答)/休暇取得期間数別
―内閣府「男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究」より

子育てのための休暇は多いほど満足度が高まる

今回の調査結果から、男性が子育てのための休暇取得を重視する傾向が高まっていることがわかりました。

さらに注目すべき点は、「妊娠中の期間」「出産日」「出生翌日から退院までの期間」「退院後、出生から2か月以内の期間」の4つの期間のうち、すべての期間で休暇を取得した人の満足度が最も高くなっているということでしょう。

妊娠中から産後2か月までの期間では、その時々で対応すべき事柄も変わっていきます。男性にとっても一緒に「父親としての自覚」が芽生えていく機会となるでしょう。それぞれの時期で休暇を取得することで、出産前から一緒に子育てをしている実感を持つことができるという状況が作り出され、より満足度を高めている要因のひとつになっているのかもしれませんね。

調査概要

■男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究/内閣府
<本調査(2次調査)>
調査手法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象:20歳~59歳までの既婚男性、2018年1月~12月に配偶者が出産した子供と同居、該当する子供の誕生時点で被雇用者
調査時期:令和元年6月7日から6月11日まで
有効回答数:1,000~2,000サンプル

(マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

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