乳幼児は何時までに寝かせるべき? 約7割の親が「9時前」を理想とする一方、現実には「9時以降」が過半数を超える
子どもの睡眠時間が短いと成長の遅れや注意力の低下などの心配がありますが、夜型の子どもも少なくないと言われます。乳幼児でも夜9時までに寝ていないケースは少なくないようです。本記事では江崎グリコが行った調査より、0~2歳までの子どものいる家庭がかかえる子どもの睡眠の理想と現実についてご紹介します。
乳幼児の望ましい就寝時刻は「夜9時まで」
夜型化や睡眠時間の減少は、子どもにとって成長の遅れや集中力等の低下、眠気や疲労感につながる懸念があります[*1]。社会が夜型化するなかで、子どもの生活のその影響を受けていると言われる現代。実際に、子どもの就寝時間に悩む親も少なくないのではないでしょうか。
江崎グリコが0~2歳までの長子のいる親800人を対象に、子どもの睡眠時間に関する調査を行っています。同調査を監修した三池氏によると、乳幼児の心と体がバランスよく健康に育つための眠りには、3つの条件があるといいます。
1.夜間基本睡眠時間として 9-11時間(平均10時間)の持続した睡眠であること
2. 夜間睡眠は夜7時から朝7時までの間に取ること
3. 毎日の入眠・起床時刻がそれぞれ前後30分以上ばらつかないこと
そのうえで、将来の学校生活に向けては一般に朝6時台、つまり7時までに起きることが必要となるため、平均10時間の睡眠を確保するためには、夜8時台、つまり夜9時までに寝ることが望ましいとしています。
では、当事者である親は、子どもの就寝時刻をどう考えているでしょうか。また、実際に子どもたちは何時に寝ているのでしょうか。調査結果を見ていきましょう。
親の約7割は夜9時までに寝かせたいが、現実は…
理想的には、お子様に対して、平均して何時ごろに就寝してほしいと思いますか
理想の平均就寝時刻は「20:00~21:00」52.8%と最も多く、過半数を占めています。「21:00~22:00」がその約半数で25.3%、「19:00~20:00」が14.3%でした。
先ほどお伝えしたとおり、十分な睡眠時間を確保するためには夜9時までの就寝が望ましいと考えられますが、親の68.8%は夜9時前の就寝を理想と考えているようです。
では、実際の平均就寝時刻はどうでしょうか。夜9時前に就寝している割合は、「20:00~21:00」34.5%、「19:00~20:00」10.3%、「19:00より前」1.3%です。これらを合わせると、実際に夜9時までに子どもが就寝している家庭は46.1%にとどまることがわかりました。
子どもの睡眠の実態、「就寝時刻にバラつきがある」は約4割
子どもの睡眠の実態・意識に関しては、「子どもが眠りにつく時間が、日によってバラバラである」、「子どもが夜中に目を覚ますことがある」がそれぞれ約4割にのぼります。できるだけ遅い時間には寝かせたくないとしても、毎日決まった時間までに寝かせるというのは難しいのが現実のようです。
また、就寝時刻のバラツキを実感している割合を、「21時以降に就寝する子ども」と「21時より前に就寝する子ども」で比較すると、前者の方が9ポイント高くなりました。
このことから、夜9時より前に寝る習慣のある子どもの方が寝る時間にバラつきが出にくい傾向にあると言えそうです。
まとめ
乳幼児の就寝時刻には、理想と現実でギャップが生じていることがわかりました。その後のことを考えると、乳幼児のときから就寝と起床のリズムを整えて習慣化しておくことが、学校生活への適応にも効果的でしょう。理想どおりにいかない面もあるかと思いますが、もしお子さんの睡眠リズムにバラつきがあったり、夜に目が覚めてしまうといったことがあるようなら、一度、見直してみるとよいかもしれません。
(マイナビ子育て編集部)
<調査概要>
■調査手法:WEB 定量調査
■対象者:長子0~2歳までの子育て家庭、かつ、配偶者と同居している20歳~49歳の既婚者
■サンプル:800 人
■調査日:2021年10月4日(月)