保育士の髪色の自由化、保護者の7割以上が賛成!「何色でも関係ない」「今の時代そんなルールがあったことに驚き」との声
多様性を重視する姿勢が広まる昨今、これまで常識とされてきた社会通念が、実は「思い込み」や「決めつけ」だったのでは? と見直されてきています。そのひとつが保育現場での「髪色」です。そこで本記事では株式会社さくらさくみらいが実施したアンケートをもとに、保育者の髪色に対する人々の意識は、実際のところどうなのかを見ていきます。
皆さんは保育士の髪色について、どう思いますか? 東京を中心に保育所経営を行う株式会社さくらみらいが興味深いアンケート結果を発表しています。
さくらみらいでは2023年8月に従業員の髪色の規定を撤廃したことに伴い、職員1,042人および保護者1,663人に対してアンケートを実施。その結果、髪色の自由化に賛成する人が多いことが明らかとなりました。
回答者の声と併せてアンケート結果を詳しくご紹介します。
保護者の意見|74.6%が賛成
保育所利用者(保護者)に対して「職員の髪色ルールがなくなったことに対してどう思うか」と聞いた設問において、74.6%の人が「良いルール改定だと思う」と回答しました。したがって8割近くの人がこの規定撤廃に対して肯定的に見ていることがわかります。
その反対に「必要のないルール改定だと思う」と回答した人はわずか1.6%でした。
「そんなルールがあったことに驚き」との意見も
具体的な意見では、「奇抜過ぎる色はNG」や「清潔感は必要」などの意見も一部ではあったものの、ほとんどが好意的な意見となっています。たとえば以下のように、子どもへも良い影響があるとする意見が多数ありました。
●清潔感があればどんな髪色でも良いと思います。先生が伸び伸びしている方が子ども達にとっても良いと思います。
●何色でも関係なく、その人の個性を活かしてどんどん取り入れるべき。多様性を子ども達に学んで欲しい。
●多様性が求められる時代です。先生にもおしゃれを楽しんでもらい、子どもに大人になるってとても楽しいことであると知ってほしい。髪の毛の色が保育観に影響するとは思えません。大いにおしゃれを楽しむべきだと思います。それで先生の気分良く仕事ができるのなら私達も嬉しいです。
また以下のように、髪色が保育の質には関係ないとする意見があったほか、むしろ保育者の髪色規定などのルールそのものをナンセンスと考える保護者もいました。
●お洒落も素敵な気分転換であり、先生の個性でもあるから時代に合ってて素敵だと思う。髪色が明るいだけで保育内容が疎かになるとは思わないし、日々の業務に差し支えないと思うので。
●今の時代そんなルールがあったことに驚きです。
職員の意見|80.5%が賛成
保育所の職員に対して「髪色ルール改定についてどんな印象を受けたか」を聞いた設問でも、同様の結果が得られています。80.5%が「良いと思う」と回答、「必要のないルール改定だと思う」は9.8%でした。ほとんどの人がこの髪色規定の撤廃について賛成しているといえます。
また、「髪色ルール改定後に自身の髪色に変化があったか、またはこれから変えようと思うか」を聞いた結果は、「あった」が16.4%、「今後変えたいと思っている」が38.2%となり、合計すると5割以上の人が髪色を変えることに前向きであることもわかりました。
髪色の変化で仕事に対してもポジティブに
さらに、「髪色ルールの改定によって髪色に変化があった」と回答した職員からは、次のような声があがっています。
●プライベートも充実できるので仕事のやる気につながる。
●より自分らしく働けている。
●髪色で評価されないよう、日々の仕事を今まで以上にしっかり務めるよう心掛けるようになった。
●好きな髪色にできて、気持ちもあがり、色々なことに対して意欲的になっていると思う。
好きな髪色にすることで自己肯定感が上がり、それが仕事にもプラスになっているようです。また、見た目の変化がマイナスにならないよう、責任感をより強く持つようになった様子もうかがえました。
変化を受け入れる柔軟性が重要
職員の髪色を規定するかしないかは保育所によって異なるでしょうが、規定を設ける背景には、明るい髪色が「派手」「清潔感がない」などのネガティブなイメージで捉えられやすい点があると思われます。しかし、髪を染める人が珍しかった時代とは異なり、現在は自由に髪色を楽しむことが当たり前というなか、「保育士の髪色は黒や茶色であるべき」という考えは一部の人の思い込みに過ぎないのかもしれません。
今回のアンケート結果でも、保護者の多くは髪色規定の撤廃を肯定的に捉えています。また、自由な髪色にできることで職員のモチベーションが上がるのは、保育所と保護者、双方にとってよいことだと言えます。こうした本来必要のない規定やルールを時代とともに変えていくことができる柔軟性が、私たちの暮らしをより良くするうえで、とても重要なのではないでしょうか。
(マイナビ子育て編集部)
調査概要
・「職員アンケート」
調査対象:さくらさくみらい園勤務者
調査時期:2023年8月18日〜8月29日
有効回答数:1,042
・「保護者アンケート」
調査対象:さくらさくみらい利用者(保護者)
調査期間:2023年9月28日〜10月14日
有効回答数:1,663