賃貸物件での「原状回復」の意味、約半数が勘違い! 「借りた当初の状態に戻すこと」ではなく、正確な意味とは?
LIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は1月18日、5年以内に賃貸物件から引越しをした人を対象に実施した「退去費用は入居者負担?間違えがち項目ランキング」の結果を発表しました。
専用庭の雑草処理は入居者負担、画びょうやピンの穴は入居者の負担は必要なし!
賃貸物件の退去費用について納得はいったか尋ねたところ、38.1%が「納得がいった」と回答したものの、51.6%は「納得がいかなかった」と回答しています。そのうち10.9%は「納得がいかず交渉をして減額となった」と回答しているえことから、提示額はそのまま飲み込まなければならないもの、という訳ではないことがうかがえます。
賃貸物件を借りると、入居者(借主)には「原状回復」義務が生じます。これについてガイドラインでは「貸借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、貸借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による消耗・毀損を復旧すること」と記載。わざと壊したり、不注意で傷をつけけるなど、入居者の使い方に問題があったことでできた汚れや傷の修繕費用を入居者が負担すると定義されています。
そこで、「原状回復」という言葉の意味について、最も考えに近いものを聞いてみると、48.2%が「借りた当初の状態に戻すこと」と回答しました。正解である「故意や不注意によってできた汚れ・傷について元の状態に戻すこと」と答えた人は、42.7%と半数にも届かない結果となりました。
続いて、入居者が負担しなくて良い(貸主負担とされる)各項目について、正解率(「貸主負担」と回答した割合)が最も低かったのは「ポスター等を貼ったことによる画びょうやピンの穴」(正解率33.4%)でした。「家具を設置してできた床やカーペットのへこみや跡」(正解率39.6%)、「冷蔵庫設置による壁焼け」(正解率43.9%)、「エアコンを設置したことでできた穴や跡」(46.1%)、「水漏れが発生したエアコンの修理・交換代」(46.9%)は正解率が半数を割り込んでいます。
同社では、「ポスターやカレンダー等の掲示は、通常の生活において行われる範疇のものとされ、壁の下地にまで達しない画びょうの穴は通常の損耗と考えられます。一方で、釘やビスなどを壁に打ち込んだ場合の補修費用は、入居者負担になります」と解説しています。
次に、入居者が負担しなければならない(借主負担とされる)各項目で、正解率(「借主負担」と回答した割合)が最も低かったのは「専用庭の雑草処理」(正解率27.8%)でした。「雨の吹き込みによる床の色落ち」(正解率38.0%)、「(物件構造に起因しない)結露によるカビ・シミ」(正解率41.0%)、「エアコンの水漏れによる床の傷み」(正解率41.4%)、「水回りの水垢やカビ」(48.2%)は正解率が半数を割り込みました。
同社によると、「借りた物件に専用庭が付いている場合、庭の管理責任は入居者。民法で定められている『善管注意義務』を賃貸物件に当てはめると、『入居者は一般常識に則り、注意しながら借りている物件を保存しなければならない』ということになり、退去時に雑草が生い茂っている場合にはその処理費用は入居者負担となります」と解説しています。
調査概要
期間:2023年12月15日 ~ 2023年12月18日
調査対象者: 5年以内に賃貸物件から引越しをした人(「不動産業」を除く)
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,075人
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が 100%にならない場合があります
LIFULL
https://lifull.com/
(マイナビ子育て編集部)