約8割の親が「聞いたことがない」という【ダブルケア】、今後ダブルケアに直面する可能性がある人は?
晩婚化により出産年齢が上がっていることを背景に、子育てと親などの介護のタイミングが重なる「ダブルケア」が増えると予測されています。子育て・仕事に介護が加わり、3つの両立問題が社会の課題となる時代を迎えつつあるのです。しかし、そもそもダブルケアの認知は広まっているのでしょうか?
ソニー生命保険株式会社では、2015年度よりダブルケアの調査を実施しています。本記事は、その最新版である「ダブルケア(子育てと介護の同時進行)に関する調査2024」をもとに、ダブルケアに関する人々の認知度をお伝えします。
約8割が「ダブルケア」を知らない
大学生以下の子どもを持つ30歳~59歳の男女(16,926名)に、「ダブルケア」という言葉を聞いたことがあるかどうか聞いたところ、「ある」と回答した人が20.2%、「ない」と回答した人が79.8%の人でした。
男女別に見ると、「ある」と回答した人は男性で19.2%、女性では21.1%と、ほとんど差はみられません。また、男性の場合、30代21.6%、40代19.0%、50代17.0%と、年代が上がるにつれて低くなる傾向がありました。
過去の調査結果との比較では、徐々に認知度が上がってきています。とくに40代男性では2017年には12.7%だったのに対し、19.0%と6.3ポイントの上昇がみられました。
2割強が「今後ダブルケアになるかもしれない」
子どもがいる人のダブルケアに対する認知度はあまり高くないことがわかりました。しかし、知っている・知らないに関わらず、今後、ダブルケアに直面する可能性は誰にもあるでしょう。
「ダブルケア」の意味として「子育てと親・義理の親のケア(見守り・世話・援助・介護・介助)が同時期に発生する状況」と説明したうえで、今後(数年先などに)ダブルケアに直面する見込みがあるかを聞いた結果を見てみます。
すると、「ダブルケアに直面する見込みがある」と回答した人は全体の22.5%でした。
男女・年代別では、女性は30代22.7%、40代23.6%、50代24.5%と徐々に高くなる傾向にあるのに対し、男性では30代22.6%、40代22.1%、50代19.2%と年代が上がるにつれて低くなっていく傾向が見て取れました。
まとめ
「ダブルケア」という言葉の認知度は徐々に上がってきているものの、ほとんどの人が聞いたことがないという実態がわかりました。世の中の関心もまだ低いことがうかがえます。現在は自分に関係のないことに思えても、将来的、ダブルケアの状況になる可能性もあります。ダブルケアの実態を知り、ダブルケアラーの人たちを支えていく体制づくりが急務だと感じられました。
(マイナビ子育て編集部)
調査概要
調査対象:大学生以下の子ども(自身が世話をしている子どもを含む)を持つ30歳~59歳の男女
対象者数:16,926