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2024年05月28日 07:15 更新

【中学受験】テストの解き直しってどれくらい効果があるの? ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

塾で受けた小テストや模試。次回、高得点につなげるためには間違った問題の「解き直し」が必須! とはいえ、子どもにとって「解き直し」はなかなか気が乗らない勉強のひとつ。「解き直し」の効果を実感させ、前向きに取り組んでもらうために、ご家庭でできることとは? 中学受験専門塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生が教えてくれます。

こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。

今回の記事では、試行錯誤の第2弾として「解き直しの効果の検証」というテーマでお話をしたいと思います。

子どものころ「解き直し」してました?

テストが終わったあとに、

「ちゃんと解き直しをしなさい」
「しっかり復習しなさい」


これって多くの親御さんがお子さんに言うセリフですよね。

解き直しや復習が不十分で習ったことが身につかず、なかなかテストで点が取れない。

そんなわが子に手をやいている親御さんは多いのではないでしょうか。

私も、教え子たちには手を焼かされています。

でも、それはそうなんですよね。

だって、「ちゃんと解き直しをしなさい」と子どもに言う親御さんに「自分は小学生のころ、ちゃんと解き直しってしてましたか?」と伺ってみると、「実は私もしていませんでした…」という方が多数派です。

かく言う私自身も、やはり「同じ問題をもう一度解いて練習する」なんてしたことありませんでした。

「解き直しをしなさい」「復習をしなさい」と親や先生に言われていたにもかかわらずです。

私たちも昔は手を焼かせたのだから、今後は手を焼かされるのは「順番」というものなのでしょう(笑)

そのころの自分を思い出すと、やらなかった理由はいくつか思い当たります。

理由を考えれば、対策も考えることができます。

なぜ解き直しを嫌がるか、考えてみましょう。

あなたも子どもはなぜ解き直しを嫌がるのか、考えてみてください。
あなた自身も私と同じように解き直しが嫌いだったら、きっと想像しやすいですね。







それでは、解き直しをしたくない理由として考えられるものを列挙してみましょう。

まずは、解き直し自体に「効果がある」と感じているかどうかで分かれます。

① 解き直しをしても、どうせできるようにならないと思っている
② 解き直しをしなくても、できると思っている
③ 解き直しをした方が、できるようになるのはわかっている


このなかで、①と②にあたる子は、解き直しをやろうと思わないのは当然ですね。

私は②にあてはまりました。

答えを見て、これが答えだとわかったら、もうやる必要は無いと思っていました。

「忘れてしまう」ということがわかっていなかったんですね。

生徒の中には、①という子も多いです。特に苦手科目はそうですね。

「どうせできないから、やる気がしない」って言う子がいます。

もちろん③の子たちでも、じゃあ解き直しを「実行できるか」といったら、そんなことはありません。

やろうという意欲があったとしても、面倒だという気持ちや遊びたいという気持ちに負けてしまったり、さまざまな理由で行動できないことも多いです。

ただ、そもそも解き直し自体に意義を感じていない①や②の状態では、やろうという意欲すらわかないんですね。

ですから、まずは最初のハードルとして、解き直しの効果を実感させてあげる必要があります。

そのための試行錯誤が、今回あなたにしてみてほしいことです。

解き直しの効果を実感させるための試行錯誤

私はよく生徒たちに、2種類の同じレベルの問題を用意して、一方は解説のあとで解き直しをさせ、もう一方は解説を聞くだけで終わりにし、数日後に確認テストをして成績を比較させるということをしています。

そうすると、うまくやれば成績には顕著に差が表れます。

解き直しをした方が良いんだ、ということが実感できるんですね。

ぜひ、あなたのご家庭でも、こうした比較を試してみてください。

どんなテストを使うのがいいの?

もちろんカリキュラムテストや週テストといったお通いの塾のテストの前に試験範囲の問題の解き直しをした場合としなかった場合を比較することもできますが、これだと試験範囲が広いので一通り解き直しをするのにかなりの手間がかかります。

そもそも解き直しを一通りやる前に挫折してしまうかもしれません。

ですから、こうした本格的なテストを実験台にするのはもっと先々のステップと考えて、まずは気軽に取り組める漢字の小テストや、理社の宿題の範囲から作った小テストくらいからはじめるのがオススメです。

問題のレベル設定に注意

ひとつ気をつけなければいけないのは、取り組む問題のレベル設定です。

問題が簡単すぎると②のような「やらなくてもできるじゃん」になってしまいます。

問題が難しすぎると①のような「解き直しをしてもできるようにならないじゃん」になってしまいます。

ちょうど良い難易度設定がポイントです。

「うまくやれば」というのはそういうことなんですね。

失敗?という結果が出ても意味はある

ただ、「やらなくてもできる」とか「やってもできない」という結果になったときにも決して悲観することはありません。

良い情報収集ができたと思ってください。

授業の内容や宿題の中で、「解き直しをしなくても大丈夫なのはこのレベル」とわかれば、その勉強は心置きなくやらないという選択ができますよね。

逆に、「解き直しをしてもできないのはこのレベル」とわかれば、それもまた「捨て問」と判断して、やらないという選択ができます。

忙しい受験生にとって、取り組む問題の取捨選択はとても大事なことです。

その判断材料となるデータが取れるのはとても良いことです。

親御さんはどうしても「あれもやらせなきゃ」「これもやらせなきゃ」となりがちなので、やっても効果があまりない勉強はしっかり捨てていくことを心がけましょう。

まとめ

話が少しずれましたが、今回の内容は以上です。

まずは解き直しの効果を実感させることが、解き直しをする子に育てるための最初のステップ。

そのために、解き直しをした場合としなかった場合の比較をしてみましょう。

どの科目のどのレベルで試してみますか?

今回もトライアンドエラーを楽しんでくださいね。

中学受験ナビの連載『親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ
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