海外旅行の帰国便で喧嘩が始まってしまった。機内に響く泣き声に混乱、そこへ助け舟を出してくれたのは #「ありがとう」を伝えたい
長い時間の移動は、飽きやすい子どもにとっては苦痛な時間にもなりかねません。50代パパ・Sさんの子どもたちは、国際便のフライト中に喧嘩を始めてしまったそう。子どもたちを笑顔にしてくれたのは意外な人たちで……?
自己主張の強い次男
次男が5歳(幼稚園年長さん)だったときの話です。
温厚なタイプの上の子と対照的に、非常に気が強い下の子。次男は相手に手こそ出さないものの、自己主張のしっかりできる子でした。
幼稚園では相手のお子さんに強く出るので、結果泣かせてしまうこともあり、ちょっと困ってしまうときも……。
いじめているわけではないので大きな問題にはなりませんでしたが、園長先生から「もう少し辛抱強く」と指摘されることもありました。
海外旅行の帰国便で喧嘩が始まってしまった
その年の冬、家族でオーストラリアへ旅行したときのことです。
帰りの飛行機で兄弟隣り同士に座席を取ったのですが、約9時間という長いフライトで飽きてしまったのか、唐突に兄弟喧嘩が始まってしまいました。
次男は力では兄に敵わないのですが、それが悔しかったらしく大きな声で泣き出してしまい……。ほかの乗客に迷惑なことは承知で、しかし強く叱ると逆効果になりおさまるものもおさまらなくなるので、どうしたものかとこちらも軽くテンパってしまいました。
そのときに助け船を出してくれたのが、隣に座っていた外国人の老夫婦でした。
老夫婦はおだやかな笑顔で、英語で息子に話しかけました。
聞き慣れない言葉にはじめはキョトンとしていましたが、スマホの画面を見せながら英単語を教えてくれる老夫婦に、すぐ興味を示した子どもたち。即席の英語教室がはじまって、それから羽田まで楽しく過ごしていました。
嫌な顔をするでもなく、息子たちの気をそらして優しく付き合ってくれたご夫婦。言葉は通じなくても心を通い合わせることができるのだと、あらためて私たちも学びました。
この旅行は今でも良い思い出になっています。本当にありがとうございました。
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※本記事は、編集部に寄せられた実際のエピソードを元に再構成しています。
