算数の図形と友達になるコツは? 中学入試で図形問題を得点源にするための勉強法
中学受験算数でも頻出の図形問題、苦手意識を払しょくし、「図形と友達になるコツ」を, 低~中学年と高学年に分けてお伝えします。
低~中学年では、お絵描きと計算練習に力を入れよう
小学校低~中学年のうちは、複雑な図形問題にチャレンジするよりも、基礎固めに徹した方がよいでしょう。
具体的には、お絵描きと計算練習に力を入れます。
図形を正確に描く練習としてお絵描きをしよう
お絵描きとは、図形を正確に描くことです。
平行四辺形や円などの平面図形を、定規やコンパスを使いながら描くことからスタートします。
最初のうちは、マス目のあるノートのマス目を利用して描くと、きれいな図形になります。
慣れてきたら、フリーハンドで白紙に描く練習をします。
平面図形を上手く描けるようになったら、次は柱体や、すい体などの空間図形です。
空間図形の描く練習では、「見取り図」と「展開図」がとくに大切です。
見取り図は、立体の全体像を見たまま描いた図です。
一方、展開図は、立体を切り開いた図です。
これらの図を正確に描けるようになると、体積や表面積を求める問題も得意になるでしょう。
小数や分数の計算がスラスラできるように計算練習しよう
図形問題を解くうえで大切なのは計算力です。
円が絡むと、必ず3.14のかけ算が出てきます。
おうぎ形になると、3.14の計算に分数まで加わります。
小数や分数の計算がスラスラできないと、「式を立てられても答が出ない」という悲しいことに……。
特に中学受験を考えるなら、小数や分数を含む四則計算や□を求める計算などを、小4までで完璧にしておきたいところです。
余力があるなら、九九と同じように「3.14の段」を暗記してしまうのもよいかもしれません。
高学年では、用語の暗記と図形の抜き出しをがんばろう
小学校高学年になったら、いよいよ実践的な図形問題を解いていきます。
とはいえ、問題をたくさん解きまくる前にやっておくべきことがあります。
それは、用語を正しく覚えることと、図形を抜き出す訓練です。
図形に関連する用語を正しく覚えよう
図形を苦手とする子供は、しばしば「円を求める」と言います。
このタイプの子供は、図形に関連する用語を正確に覚え切れていないのでしょう。
「円の周の長さを求める」「円の面積を求める」などと言わなければ、自分が何をすべきか分からなくなります。
円周の長さと円の面積とでは公式も異なるからです。
また、台形の「上底」「下底」という用語を不正確に覚えている子供がいます。
子供が「台形の上にある辺が上底で、下にある辺が下底」と言っていたら要注意です。
上底と下底は、向かい合う平行な2辺のことで、どの位置にあるかは関係ありません。
このように紛らわしい用語も多いので、普段から用語の確認を怠らないようにしましょう。
必要な図形を見つけて抜き出す訓練をしよう
複雑な図形問題のほとんどは、基本的な解法の組み合わせで解けます。
解法を見つけるうえで大切なのが、必要な図形を見つけて、その図形だけを抜き出す力です。
たとえば、平行四辺形の中にある三角形の面積を求める場合、平行四辺形全体を見ていると混乱します。
そんなときは、問題を解くのに関係する図形を1つずつ抜き出して、その面積を求めていくとよいでしょう。
多くの子供たちは、図形を抜き出して描き直すことを面倒がります。
面倒がって手を動かさないから、結局問題を解けずに終わります。
逆にいえば、面倒なことを嫌がらずにていねいに行える子供は、それだけでほかの子どもに差をつけられます。
図形を抜き出す訓練は、複雑な図形問題を解くための土台作りになります。
図形を得意にしたければ、基礎・基本を徹底しよう
小学校の授業はもちろん、中学受験の図形問題でも使える解法は限られています。
高度な知識を求められることもありません。
そのため、「チェバの定理」「メネラウスの定理」などのテクニックを丸暗記しようとすると、かえって足をすくわれます。
図形を得意にしたければ、基礎・基本の徹底が一番の近道です。