鮭とサーモンの違いは? どっちも生食できるの? トラウト、アトランティックについても解説
スーパーで「鮭」と「サーモン」が並んでいると、どちらを選べばいいのか迷ってしまうことはありませんか?実はこの2つ、同じサケ科の魚ですが「生食できるか」「加熱が必要か」という点で大きな違いがあります。本記事では、鮭とサーモンの違いや種類、アトランティックサーモン・トラウトサーモンの特徴まで、最新の安全情報などを解説します
「鮭」と「サーモン」の違い
どちらもサケ科の魚であり、厳密には同じグループに属します。ただし、日本で「鮭」と呼ぶものと「サーモン」と呼ぶものは、流通や食文化の違いに基づく区別があります。
鮭の特徴
日本で主に鮭と呼ばれるのは、白鮭や銀鮭、紅鮭などです。これらは古くから日本で流通しており、アニサキスなどの寄生虫のリスクがあるため、生で食べる習慣はほとんどありませんでした。
サーモンの特徴
1990年代以降、アトランティックサーモンやトラウトサーモンと呼ばれる養殖魚が日本に輸入されるようになりました。これらは生食が可能であるケースも多く、「サーモン」という呼び名とともに生食の文化が根づいていったと考えられています。
鮭とサーモンの違い
鮭もサーモンも同じサケ・マス類 である以上、両者を厳密に分けることは難しいでしょう。
参考として、一般に浸透している鮭とサーモンの違いを挙げるとするならば、「鮭は加熱が必要であるのに対し、サーモンは生食が可能」となります。
ただ、サーモンであっても、生で食べられる旨の表示がなければ、加熱して食べる必要があります。「サーモンだから大丈夫だろう」と安易に考えず、必ず表示を確認するようにしましょう。
鮭とサーモンの種類
一口に「鮭」や「サーモン」といっても、さまざまな種類があります。ここでは、鮭とサーモンの種類を紹介します。
サケ科サケ属の魚
サケ・カラフトマス・サクラマス・ベニザケ・ギンザケ・マスノスケ・ニジマスは、サケ科サケ属に分類されます。
サケ・カラフトマス・サクラマス・ベニザケなどは一生に一度だけ産卵をして、その後は死んでしまいます。しかし、ニジマスは産卵後に海へ戻り、また川へ遡上して産卵します。
サケ科サルモ属の魚
ブラウントラウトとアトランティックサーモンはサケ科サルモ属に分類されます。
特にアトランティックサーモンは食用として日本でも一般的に流通しており、脂が乗った身は刺身やムニエルなど幅広い料理に使われます。
魚の名前と商品名一覧
鮭の仲間は同種であっても時期などにより商品名が複数ある場合も多いです。ここでは、鮭の仲間の商品名を紹介します。
・サケ(シロザケ):「サケ(鮭)」「アキザケ(秋鮭)」「トキシラズ(時知不)」「トキザケ(時鮭)」「ケイジ(鮭児)」
・カラフトマス:「マス(鱒)」「オホーツクサーモン」
・サクラマス:「マス(鱒)」「ホンマス(本鱒)」「クチグロ(口黒)」
・ベニザケ:「ベニザケ(紅鮭)」「ベニ」
・ギンザケ:「ギンザケ(銀鮭)」「ギン」
・マスノスケ:「キングサーモン」「スケ」「マスノスケ(鱒之介」「オオスケ(大助・大介」
・ニジマス:「ニジマス(虹鱒)」「マス(鱒)」「サケ」「サーモントラウト」「トラウトサーモン」「サーモン」「トラウト」
・タイセイヨウサケ:「アトランティックサーモン」「サーモン」「アトランキングサーモン」「サケ」
ちなみに、「鮭」と「シャケ」の違いは?
「鮭」と「シャケ」には明確な違いがなく、どちらでも間違いではありません。
同じ魚を指すのに呼び方が異なる理由としては諸説あり、「鮭」がなまって「シャケ」になった、調理前と調理後で呼び方が変わる、などの説があります。
鮭・サーモンのレシピ
鮭は幅広い料理に使用されます。塩をふって焼くだけの塩焼きが定番といえますが、少し手間をかけるとよりおいしく食べられます。
たとえば、鮭とほうれん草のクリーム煮などもおすすめです。クリーム煮にするには、鮭を一口サイズに切ってホウレンソウやタマネギ、シメジなどをバターで炒め、牛乳、だし醤油などを加えて3分ほど煮ます。最後に水溶き片栗粉でとろみをつけ、塩コショウなどで好みの味に整えればでき上がりです。
生食できるサーモンであれば、刺身で食べるのも良いでしょう。握った酢飯の上に乗せて、お寿司にしてもおいしく食べられます。
少し手をかけたいのなら、ほかの野菜やレモンを加えてカルパッチョやマリネなども試してみてください。
もちろん、生が苦手な人は塩を少しふってそのまま焼いたり、ホイル焼きにしたりしてもおいしく食べられます。
サーモンでも、生食できるかどうかは養殖環境や冷凍処理の有無によって異なります。厚生労働省の基準では、アニサキス対策としてマイナス20℃で24時間以上冷凍したものが生食に適するとされています。
まとめ
本記事では、鮭とサーモンの違いについて解説しました。
一言で「鮭」「サーモン」といっても、その種類は多く、見た目や味などが異なります。それぞれの違いや特徴を知って、料理に合った鮭やサーモンを選びましょう。
注意点としては、生食できるかどうかの表示を確かめること。特に鮭は一般に加熱を前提としており、サーモンでも加熱用のものがあります。表示をよく確認して、安全に鮭・サーモン料理を楽しんでくださいね。
