
共働き夫婦の1日スケジュール 日清食品株式会社 清水文恵さんの場合【夜編】
共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのスケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているママに、お話を聞きました。
共働き夫婦の1日スケジュールとは?
家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどうのりきっているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。
第32回となる今回は、日清食品でブランドマネージャーを務めるママのタイムスケジュールを朝〜日中編・夜編にわたりインタビュー。夜編では夜のタイムスケジュールとご夫婦の家事分担についてうかがいました。
取材にご協力いただいた方

日清食品株式会社 マーケティング部 ブランドマネージャー 清水文恵さん(44歳)
子ども向け即席麺「日清マグヌードル」や「お椀で食べるシリーズ」のマーケティングを担当するブランドマネージャー。パートナーもグループ会社の営業職。プライベートでは小学校4年生の長女、1年生の長男、保育園に通う5歳の次女、3人のママ。
夜のタイムスケジュール

宿題チェックをしながら急いで夕飯を準備!
ーー小学生のお子さんたちは学童に通っていますか。
清水さん 今年で長女は4年生になって、学童が終わってしまったのですが、同じ運営母体が管理している放課後の学校開放事業があるので、そちらを利用しています。長男の学童が終わったら、2人で一緒に帰ってきます。お姉ちゃんがしっかりしてくれているので、本当に助かっています。
ーー姉弟で帰ってきてくれると安心ですね。
清水さん 私は保育園へ次女のお迎えに行って、19時半くらいに帰宅します。夫が保育園のお迎えに行けるよと連絡をくれた日は、急いで買い物を済ませたり、先に帰ってお風呂を沸かしておいたりします。夫婦でどちらが何をするかは、その都度やり取りしながら調整していますね。
ーー帰宅後は座る暇もなく、すぐ夕飯の準備に取りかかる感じですか?
清水さん 猛スピードで作ります(笑)。時間があれば、朝のうちにカレーだけ作っておくこともありますが、それができるのは月曜日くらいかな。曜日を経てだんだんメニューがなくなっていきますよね。レンチンだけでできるものに頼ることもあります。
用意が簡単なホットプレート料理もおすすめです。「今日はホットプレートで焼きそばにしよう!」と言うと、長女がはりきって全部作ってくれるので、助かりますね。
――帰宅後はまさに一分一秒を争う状態だと思いますが、お子さんの宿題を見る時間はありますか? 特に小学1年生だとまだ親が見てあげる必要がある場面は多そうです。
清水さん 基本的には学童で宿題をやらせてもらえるのですが、残っているときは、食事の準備の間やお風呂が沸くまでの間など、隙間時間で見てあげながら、その日のうちに終わらせるようにしています。

夜の残業よりは、朝1時間早く起きてやりたい
ーー食事のあとはお風呂ですね。
清水さん 私と子どもたち3人で入ることが多いのですが、パパと入ることもあるし、最近はたまに子どもたちだけで入るときもあります。長女は1人でも入れますが、下の子たちは一緒に入っていますね。
お風呂から上がったらバタバタと3人分の保湿をします。子どもたちもゆっくりしたいようなので、そのあとはテレビを見たり、アイスを食べたりして休憩しながら、急いで髪を乾かして、アイスを食べ終わったら歯磨きをして、なんとか22時には布団に入ることを目標にしています。そこは本当に時間との戦いですね。
ーー毎日バタバタですよね。
清水さん 「あと5分でもう22時になっちゃうよ!」とか「本を読んでほしいなら、あと10分は急がないと読めないよ」とか、よく声がけしています。私は子どもたちと一緒に寝てしまうことが多いのですが、夫が残った食器や洗濯物など、気づいた家事を簡単に済ませておいてくれるので、翌朝助かります。
夜に仕事をするのは避けたいので、できる限り業務時間内に終わらせるようにしていますが、どうしてもというときは朝早く起きて調整しています。
ーー夜遅くまでやるよりも、朝早く起きるほうが得意ですか。
清水さん 得意ではありませんが、どこで時間を作るかとなると、朝しかないので。夜は眠いし、少し資料を作ろうかなと思っていてもついダラダラしてしまって、気がついたら何もしていないのに0時になっていることもあります。
そういうダラッとした時間も気分転換になりますし、自分にとっても大事なのですが、時間がもったいないと感じるので、最近は子どもと一緒に寝てしまって、そのぶん1時間でも早く起きて、朝にやろうと決めています。

仕事も家庭も大事なことは同じ「感謝の気持ちは何度でも口で伝える!」
ーーお子さんの成長にともなって育児の悩みポイントは変化していきますよね。
清水さん 本当にそうですね。子どもが小さいときは、物理的に大変でした。オムツがえ、授乳をしないといけない、離乳食を作って食べさせる。あの時期は、時間と手間がかかっていましたが、 私の手を使わないといけないことは徐々に減っていって、ラクになったとは思います。
一方で、学童よりも、保育園のほうが預かってもらえる時間は長いですよね。子どもが小学生になってからは、いわゆる小1の壁への戸惑いがありました。
ーー利用している学童の預かりは18時まででしょうか。
清水さん 最長は19時までで、本当に忙しいときは延長するときもあります。でも、18時までは児童が自分ひとりで下校してもいいのですが、19時までいる場合は保護者がお迎えに行く必要があって。
今は姉弟が一緒に下校して家で待てるのですが、去年までは19時でお迎えにするか、18時に帰らせるか、さらに18時の場合は、1人で家で待つ時間が発生してしまうからどうしようなど、日々悩みましたね。
ーー夫婦間ではどのように調整しているのでしょうか。
清水さん お互いに仕事の予定もある程度は把握していて、私のほうが調整しやすいことも多いです。会議はおおよそ年間でスケジュールが決まっているし、私が遅くなるときは、あらかじめ「この日はお迎えお願いね」と伝えて、先に予定を組んでしまうことが多いです。
夫も私も、部署の飲み会や友人とのご飯の予定も大切だと思っていて、仕事と同じくらいの重要度で予定を調整しています。ときには子どものために何かを我慢するとか、 諦めなきゃいけないこともあると思いますが、ここまでやってきて、基本的には夫婦2人でやれば、なんとかなるよねとお互いに感じています。だから、これからもそんなふうにやっていけたらいいかな。
ーーコミュニケーションをうまく取るためにご夫婦で工夫していることはありますか。
清水さん 夫婦といえども、たくさん会話をしないと伝わらないですね。自分のなかで思っていても、それだけでは分かり合えないし、口に出してしっかり伝えることがとても大事だと思います。日々の感謝もあえて口に出さないと伝わらないですよね。
逆の立場でも、私が一生懸命予定を調整して、急いで保育園のお迎えに行ったのに、相手から感謝の気持ちが感じられなかったら……次にまた同じような事態に直面したときの対応に関わってくると思っています。
それは夫婦間に限らず、仕事でもそうで。特に自分の部下を持つようになって、より感じるようになりました。部下に助けてもらったときなど、感謝の言葉は口に出して何回も言わないと相手に伝わらないのではないかと思って。
だから、「ありがとう」とか「助かった」とか、気持ちはちゃんと声に出して伝えるようにしています。言われて嫌なことでなければ、何回聞いても嬉しいと思うので!
子どもたちに、親が楽しく働く姿を見せたい
ーー子育てに関してご夫婦で大切にしていることを教えてください。
清水さん 私も夫も子どもの長所を伸ばしてあげたいと思っています。できないことをうだうだ言うよりは、できていることやいいところを伸ばしてあげたいです。
長女は絵が描くのが好きなので、上手に描けたら褒めてあげたいし、子どもにちゃんとあなたのことを見ているよってメッセージを伝えたいです。これは、仕事で自分のチームメンバーを見ていても、共通して感じます。
言いすぎかもしれないけれど、チームメンバーにも自分の子どもと同じような気持ちで接しているし、子育てしながら私も育ててもらっています。
ーー最後に子育ての楽しさ、嬉しさを感じる瞬間を教えてください。
清水さん ちょっとしたことでも、子どもの成長を感じる瞬間はとても嬉しいです。最近は子どもが私の仕事のこともわかってくれて「ママはどんな仕事をしているの?」と興味を持ってくれるんです。
私自身が社会とつながりを持つことで、それをきっかけに子どもも仕事や社会に対して興味を持ってくれたら嬉しいですよね。
ーーやりがいもありますね。
清水さん そうですね。特に今は、ママになった私の経験を活かすことができる職種についていることも、とても大きいと思っています。大変だけど、楽しくてやりがいがある子育てを通して、私自身にもいい変化がありました。
子どもと接していると、昔は理解ができなかったことや、そんなに気が回らなかったことにも気づかされます。私自身がもっと成長しようとか、もっと広い目で見ようと思えるようになり、新しい視点が持てたのは、子育てをしているおかげです。そんなときに、頑張ってやってきてよかった、私も仕事をしていてよかったと思います。

(文:宮本貴世、撮影:佐藤登志雄、イラスト:ぺぷり/マイナビ子育て編集部)