子ども同士のトラブルを全力で阻止する親。それって、誰のため……?|子どもの心が見える本 #5
「ちゃんと遊べるかな」「トラブルになったらどうしよう」——。公園やキッズスペースで、輪の中に飛び込もうとする我が子をつい止めてしまう。そんな行動の裏にある、パパ・ママの心理とは……?
\【幼児教育専門家の母×子育て中のモンテ教育育ちの娘】が贈る子育てのヒント/
子どもの「わがまま」や「困った行動」に振り回され、ついイライラ……。怒ってしまう自分もしんどい——。そんな悩みを抱えるママ・パパへ。
40年以上幼児教育に携わってきた伊藤美佳先生と、モンテッソーリ教育で育ち現在子育て真っ最中の娘・まなえさんが、親子が毎日を笑顔で過ごせるためのヒントをお届け。
今回は、つい必要以上に子ども同士のトラブルを避けてしまう親の心理について、書籍『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』(Gakken)から一部抜粋してお届けします。
ほかの子どもとのトラブルが嫌!
大人になったママ(現在)
そんなママが子どもの頃(過去)
「ケンカやもめごとを絶対させたくない!! 」と感じるのは、なぜ?
たとえば公園で、自分の子どもがほかの子どもに近づこうとすると、すぐに、「そっちに行っちゃダメよ」と引き離す。一緒に遊ぼうとしているのに、接触させず、トラブルを避けようとする行動をとるママやパパの多いこと! まだ何も起きていないのに“あらかじめ”引き離しておくんですね。
あるいは、おもちゃで遊んでいる子がいて、自分の子どもがお友だちのそのおもちゃで遊びたがっているとき。以前なら親が「お友だちに“貸して”って言ってごらん」と促すこともあったと思うのですが、最近はそんな親はいません。そのおもちゃから興味をそらそうと、「あっちに行って遊ぼうね」と、子どもを別の場所に連れて行ってしまうことさえあります。せっかく、おもちゃの貸し借りをするコミュニケーションができるチャンスだったのに、もったいないですね。やりとりさせて言葉が足りなければ、そこで初めて親がサポートすればいいだけなのに。これができないのは、今、まわりの目を気にしすぎるママ・パパが増えているからではないでしょうか。
子どもにケンカをさせたくない、トラブルを起こしたくない。それは、子どものためというよりは、自分のためではないでしょうか? 「しつけができていない親だと思われたくない」「人に迷惑をかけたくない」という気持ちが強いのです。
こんな心理状態になってしまうのは、小さいころからご自身の親に「人に迷惑をかけてはいけない」と強く言われたり、人の目ばかり気にしている環境で育てられたりした可能性大。ただ、最近のママ・パパの多くは、ほかの親御さんの目を気にしたり、警戒したりする傾向があるのも事実。なんとも切ない時代ではあります。
公園に遊びに行ったら、安全面だけ考慮して、あとはほうっておいてOK。私自身の子育てでは、公園で子ども同士のケンカが始まったら、子どもたちがどう解決するかを楽しんで見ていました。できるだけ子どもはのびのび育ててあげたいですね。ママ・パパには、同じような価値観の親仲間ができるといいですね。
こんなとき、親のホントの気持ち
子ども同士のトラブルを未然に防ごうとしてしまうのは、人の目を気にしすぎているから。
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この続きは、是非書籍でご覧ください。
※本記事は、『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの心が見える本』<著:伊藤美佳、 まなえ(伊藤愛恵)/Gakken>より抜粋・再編集して作成しました。
