【助産師解説】新生児、沐浴後の授乳は必要?タイミングは?白湯が必要?
産院で「赤ちゃんの沐浴の直前は授乳を控えてください」と言われることがありますが、沐浴の後の授乳はどうしたらいいのでしょうか。また、沐浴の後は母乳やミルクではなく白湯などの方がいいのかな? と迷う人も少なくないようです。今回は新生児期の赤ちゃんの沐浴後の授乳について、助産師が解説します。
みんな悩んでいる「沐浴後の授乳」
新生児の時期、ベビーバスなどで赤ちゃんを沐浴させるご家庭も多いことでしょう。そんな中、こんな声をよく聞きます。
新生児の頃は1日に8回以上の授乳回数になることも多く、沐浴の時間と授乳の時間の兼ね合いがうまくいくか不安になることもあるでしょう。また、授乳後の水分補給も、いつ・何を・どのくらい与えたらいいか、疑問に思う親御さんも少なくありません。
沐浴後はすぐに授乳していい? 量は?
沐浴の後、赤ちゃんが母乳やミルクを欲しがっているようなら、スキンケアや着替えを終えて落ち着いたら授乳をしていいでしょう。
身体が温まっていると、全身の血流はよくなっているものの、消化に必要な血流は胃に集まりにくく、消化機能が落ちていることがあります。赤ちゃんによっては、沐浴直後の授乳で吐き戻してしまうこともあるので、できれば沐浴直後の授乳は避けられればいいですね。
沐浴後、どのくらい時間をおく?
大まかな目安として、沐浴後30分ほど経ってから授乳をすると、吐き戻しなどの心配が減るでしょう。
ただし、赤ちゃんが空腹で激しく泣いていたりするようなら、あやして落ち着かせたら授乳を始めてもいいですよ。吐き戻しの対策として、授乳の後はすぐに横に寝かせず、しばらく縦に抱っこしているといいでしょう。
新生児の吐き戻し・縦抱きの方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
母乳やミルク、どのくらいあげる?
体内の水分量は新生児で80%、乳児は70%と占める割合が高く、大人よりも脱水になりやすいとされています。たくさん汗をかけば体の中の水分量が減ることもあるので、水分補給の意味でも授乳は重要です。
母乳栄養ならば、赤ちゃんが満足するまで飲ませてあげましょう。
ミルクであれば、沐浴の後がちょうどミルクのタイミングであれば、いつもの量であげてください。ミルクのタイミングまでまだ時間があるときは、20ml前後のミルクを水分補給として飲ませてあげるといいでしょう。
新生児の母乳量・ミルク量については、以下の記事で詳しく解説しています。
沐浴後の白湯・湯冷しは必要?
沐浴後に白湯を飲ませる必要はありません。
白湯や麦茶には、母乳やミルクに含まれる栄養などが入っていません。白湯や麦茶でお腹がいっぱいになってしまったら、母乳やミルクを飲む量が減ってしまう恐れがあります。
医学的に、生後6ヶ月までの赤ちゃんに母乳・ミルク以外のものは必要ないので、沐浴後に限らず、生後6ヶ月までは白湯や麦茶を飲ませる必要はありません。
赤ちゃんの飲み物については、以下の記事で詳しく解説しています。
授乳のタイミングのコツ
沐浴は、授乳直後や授乳直前の空腹時は避け、赤ちゃんの機嫌がいいときにしましょう。赤ちゃんに生活のリズムをつけてあげるためにも、だいたい同じ時間帯に沐浴をするといいですね。
また、沐浴の後は比較的よく眠ることが多いです。沐浴後に授乳のタイミングがくるように合わせると、赤ちゃんも満足して寝てくれるので、疲れているママも体を休められるでしょう。
赤ちゃんの生活リズムについては、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
沐浴の後、赤ちゃんが母乳やミルクを欲しがっているようなら、スキンケアやお着替えを終えて、落ち着いたら授乳をしていいでしょう。吐き戻し防止のため、できれば沐浴直後の授乳は避け、沐浴後30分ほどを目安にして、授乳をしましょう。また、沐浴後の水分補給に白湯や麦茶を無理に飲ませる必要はありません。沐浴後も母乳やミルクをあげましょう。
(文:坂田陽子先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
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