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2022年12月02日 11:13 更新

【助産師解説】新生児の母乳の授乳回数・時間間隔は?生後0ヶ月の成長とお世話の仕方

新生児期(生後0ヶ月)の母乳やミルクとの混合の授乳間隔について助産師が解説します。おっぱいの途中で寝てしまう、授乳リズムがなかなか作れない、おっぱいが足りていないのでは?など、この時期によくある疑問についてもまとめました。

新生児期の母乳の授乳間隔は?飲ませ方のコツ

新生児期の授乳回数や時間の間隔はどれぐらいおくべきなのでしょうか? 母乳と、ミルクとの混合の場合についてお伝えします。

母乳の授乳回数・時間|1日8〜12回、2〜3時間おき。頻回になることも多い

母乳を飲む新生児
新生児期の授乳間隔は、3時間おきが基本パターンとなります。目安の回数と間隔は1日8~12回 、2〜3時間おき。ただし、目安はあくまでも目安です。排泄パターンと同じく、授乳パターンや回数にも個人差がありますので、「絶対に3時間おかなければならない!」と神経質になることはありません。

特に母乳の場合、赤ちゃんに吸われるほど分泌が促されることもあり、赤ちゃんが欲しがったときに欲しがるだけ母乳をあげる「自律哺乳(じりつほにゅう)」を原則として、回数や間隔にとらわれずあげることを勧める施設も多くあります。

一方、頻回授乳に大きな疲労を感じるママも少なくないです。多くの場合、3時間おきの授乳でも1日トータルの哺乳量は大きくは変わりませんので、「この様子はおっぱいを欲しがっている?それ以外の要求??」などと観察しつつ、授乳タイミングを計っていきましょう。

赤ちゃんがおっぱいを欲しがっているサインには、主に以下のようなものがあります。

・口を開けながらおっぱいを探すように顔を動かす。
・手や指、かけている布団などを吸ったりしゃぶったりしている。
・やさしくささやくような声を出す。

大声で泣き出したときは、タイミングを逃した可能性があります。大泣きしていると赤ちゃんが上手に乳首を吸えないこともあるので、できるだけこうなる前にサインをキャッチして授乳するよう心がけましょう。

<体験談>新生児の授乳間隔これぐらいでした!

※マイナビ子育て調べ 調査日時:2020年2月21日~2月27日

ミルク|1日7回、3時間おきが目安

ミルクを飲む新生児

ミルクの場合も1日7~8回、3時間おきが目安となります。ミルクは母乳に比べて消化吸収に多少時間がかかります。製品のパッケージなどにある目安の量と間隔を参考にあげるといいでしょう。

新生児期はまだ哺乳力が弱く、上手に飲めないこともあって1回の量をしっかり飲み切れないこともあります。その場合は、赤ちゃん個人に合わせて量と間隔を調整してあげましょう。

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新生児のミルク量について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎新生児のミルクの量はどのくらい?生後8日・半月など時期ごとの目安

混合栄養|母乳+足りない分だけミルクで補う

母乳がよく出るママ、出にくいママと、母乳の出方はそれぞれ。母乳は赤ちゃんに吸われるごとに徐々に分泌量が増えていきますが、赤ちゃんの状況によってはミルクを足すよう指導されます。ミルクを足す場合も、母乳の授乳間隔は基本と変わりません。3時間おき1日8~10回程度が目安となります。

母乳を飲ませた後にミルクを足す場合は、足りない分だけ補うようにしましょう。とはいえ、どれぐらい足りていないかを正確に確認することはできませんよね。出産した産科でどれぐらい足していきましょう、というようなアドバイスをもらうはずなので、まずはそれを目安に足すようにし、まだ足りないようであればもう少しあげるなど調節しましょう。母乳だけでも満足そうにし、機嫌がよくて体重も順調に増えていくようになれば、ミルク1回量や足す回数を減らしてみるといいでしょう。

夜間やママだけ外出しなければいけないなど一定の時間だけをミルクに代える場合は、その間はミルクメーカーの月齢ごとの推奨量を一定の間隔(3~4時間)を目安にあげるようにしましょう。なお、私の勤める産院では生後12日後の新生児期は1回120ml、1日8回を勧めています。母乳をあげる時間帯は基本のペースを守りつつ、欲しがる分だけあげるようにするといいでしょう。

新生児の赤ちゃんの様子はどんなかんじ?

新生児に授乳させようと赤ちゃんの寝顔を見つめるママ
Lazy dummy

新生児期の授乳間隔は、この時期の赤ちゃんの特徴を知るとよりわかりやすくなります。そこで、まずは生後0ヶ月の睡眠と覚醒の間隔や排泄パターンについて見ていきましょう。

睡眠|1日のほとんどを寝て過ごす赤ちゃん

新生児期の赤ちゃんはまだ睡眠サイクルが整っておらず、昼夜の区別なく3~4時間おきに寝て起きてを繰り返します。そのため、1日の多くを睡眠に費やし、授乳やおむつ替え以外はほとんど寝ています。時間にするとおよそ15~20時間ほども寝て過ごしていることになります。

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新生児の睡眠について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎月齢別赤ちゃんの睡眠の特徴▷誕生~生後1ヶ月頃の睡眠時間

排泄|おしっこもうんちも頻繁

赤ちゃんは月齢が低いほど頻繁に排泄します。

ママが赤ちゃんの排泄回数を把握する際は、おむつ交換の回数でカウントすることになるかと思います。目安としては、おしっこは生後1週間までは1日6~8回でその後は10~15回程度、うんちは3~4回ほどですが、母乳栄養の場合は8回程度と多くなります。母乳を飲んでいる赤ちゃんは「母乳便」という柔らかいうんちをし、毎回の授乳のたびに出ることもあります。

授乳前に新生児の指に触れるママ
Lazy dummy

途中でやめる、寝続ける……こんな時、どうする?

目安となる基本的な授乳間隔や方法についてはわかったけれど、実際には「3時間以上経つのに赤ちゃんが起きない」「おっぱいの途中で必ず寝てしまう」など、教科書通りにはいかないことも多いもの。ここからは、授乳量や間隔に関する、よくある疑問や不安についてお答えします。

Q1. おっぱいの途中で寝てしまった場合は?

授乳が終わって眠る新生児とママ
Lazy dummy

赤ちゃんが授乳途中で寝てしまい、毎回十分な量を授乳できないことを相談するママは少なくありません。それもそのはず、赤ちゃんは飲むこと(=吸う動作)によって、エネルギーを消費しているのです。途中で疲れて寝てしまうのも無理はありません。

A. 体重の増えなどに問題ないかをチェック

途中で寝てしまっても常に機嫌が良く、体重も順調に増えているのであれば、ある程度の量はしっかり飲めていることになります。

基本の授乳方法は、哺乳量を保つため、そして乳腺炎などの乳房トラブルを予防するために、1回の授乳で左右のおっぱいを吸わせます。左右10分ずつが基本ですが、寝がちな子は左右5分ずつを2クールにするなど、短時間ずつでもいいので両方吸わせるようにしてみましょう。

また、途中で寝てしまった場合は背中をトントンしてゲップをさせる(げっぷが出てもでなくても)ことで赤ちゃんが再び起きることがあります。それでも一方のおっぱいからしか飲まずに寝てしまった場合は、次の授乳時に飲まなかった方のおっぱいからしっかり飲ませるようにしましょう。

ただ、赤ちゃんによっては上手に飲めないことで、十分な量を飲めていないのに疲れて寝てしまう場合もあります。お腹をすかせて泣くことが多い、体重が思うように増えないという場合は一度、かかりつけの産婦人科や母乳外来を行っている助産院などに相談してみましょう。飲ませ方の工夫など、アドバイスをもらえるでしょう。

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新生児のゲップのさせ方について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎新生児のゲップが出ない時の対処法

Q2. なかなか起きず、授乳間隔があいてしまう場合は?

授乳せず眠り続ける新生児

赤ちゃんが寝続けて授乳間隔が開きすぎてしまうという場合もあります。

A. 優しく起こしてみる

前回の授乳から5時間以上経っているときは、抱っこやおむつの交換、マッサージや服の着替えなどをしながらやさしく赤ちゃんを起こし、授乳を試みましょう。

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新生児の睡眠について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎新生児が寝すぎて起きない?!起こすタイミングとチェックポイント

Q3. まだ1時間も経ってないのに欲しがる時は?

前回の授乳から1時間も経たないのに欲しがり、頻回授乳でなかなかペースが作れないという悩みもあります。

A. 泣く=空腹とは限らない

なく新生児

この場合は、まずは体重の増え方で母乳量が足りているかどうかを確かめましょう。母乳量に問題がないようであれば、赤ちゃんはお腹がすいて泣いているわけではないかもしれません。よく、赤ちゃんが泣く=空腹(母乳が足りていない)と思いがちですが、赤ちゃんの泣き声がいつでも空腹のサインであるとは限りません。

そもそも、泣く頻度や泣き方には個人差があるので、どれぐらい泣くのが正常といった決まりはありません。よく泣く子であれば、空腹以外の理由で泣いている可能性もあるでしょう。泣いたらすぐおっぱいをふくませるのではなく、赤ちゃんの様子をよく観察し、おくるみでしっかり包んで抱いてあげる、マッサージなどでスキンシップをとるなど、赤ちゃんがリラックスできるような他の方法も試してみましょう。授乳は赤ちゃんの心の安定にもいいので、泣いたらおっぱいをふくませるのも一つの手ではあるのですが、あまり頻回ではママも疲れてしまいますよね。どうしても泣きやまなくて困っているときは、地域の保健師さんやかかりつけの助産師さんなどに相談してみましょう。

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新生児の体重増加や泣きについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎赤ちゃんの体重は?新生児~1歳までの体重の目安
関連記事 ▶︎新生児期の泣きやまない問題!注意点と上手な4つの対応

Q4. 母乳が足りてない気がする……

赤ちゃんが常に泣いている、乳房が張らないなどの理由で、母乳がきちんと足りているのか不安に思うママも多いでしょう。特に、初めの頃はこのような不安を抱えることが多く、母乳不足に悩むママは珍しくありません。

A. 単なる「不足している気がする」だけかも

実は多くのママは母乳不足ではなく、母乳の不足感を覚えて不安になっているだけであることがわかっています。母乳の不足感とは、言葉の通り「不足しているのではないか?」という漠然とした感覚や不安です。

以下は、赤ちゃんが十分に母乳を飲めているサインとなります。当てはまるものが多ければ、特に母乳不足を心配することはないでしょう。

・体重が安定的に増えている(1日に30~40g前後、1週間で200g前後が目安)
・赤ちゃんの機嫌が良く、肌の張りや健康も問題ない
・1日に8回以上排泄がある
・授乳時、飲み込む音が聞こえる

前述のように、赤ちゃんが泣くのは必ずしも空腹のためだけではありません。泣いたからすぐにおっぱいをふくませるのではなく、他の理由がないかをチェックしてみましょう。授乳間隔がある程度開くようになれば、授乳前にはおっぱいが張り、授乳後はやわらかくなる良いペースが保たれてくるでしょう。体重の増え方が気になったり、母乳やミルクをうまく飲まないなどの心配ごとがあったら、出産施設や地域の保健師、助産院や母乳外来などに相談するといいでしょう。

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胸が張らない「差し乳」について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎差し乳 ・溜まり乳とは?

まとめ

新生児に授乳させるママとミルク入りの哺乳瓶
Lazy dummy

母乳育児の基本的な授乳間隔の目安は3時間おき(1日8~10回程度)とされています。ただ、これはあくまでも目安にすぎないので、赤ちゃんが欲しがるだけあげましょう。育児の多くがそうですが、授乳も教科書通りにいかない場合が少なくありません。なかなかリズムが整わない、常におっぱいを欲しがる、母乳が足りていないのでは……など、不安や悩みはつきものです。お母さん一人で抱え込まず、気になることがあればご家族や地域の保健師さん、助産師さんやかかりつけの医師に相談しましょう。悩んでいるのは自分だけではないことを忘れないでくださいね。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:佐藤裕子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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