【医師監修】生後11ヶ月の赤ちゃんの特徴4つ!つたい歩きや立っち、言葉の理解は?
つたい歩きが上手になり、早い子では一人で立つようにもなるこの頃。動きが活発になるだけでなく自己主張も激しくなるので、大変さに手を焼くことも増えるでしょう。赤ちゃんの特徴と育児のポイントを押さえ、ストレスの少ない楽しい子育てを目指しましょう。
生後11ヶ月はどれくらい成長してる? 発育の目安
※画像はイメージです
まずは、この時期の主な発育目安を見ていきましょう。
身長と体重
厚生労働省が示す発育曲線によると、生後11~12ヶ月未満の身体発育値[*1]は以下のようになります。
・男の子:身長-69.4~78.5cm 体重-7.51~10.82kg
・女の子:身長-67.4~76.7cm 体重-7.02~10.27kg
大きい子では、男女共に10kgを超える子もでてきますね。運動量は増える傾向にあるので、体重の増加はゆるやかです。個人差もあるので他の子と比べず、発育曲線に沿って成長しているかを見てください。
食事・哺乳量と回数
離乳食に慣れる頃です。まだ3回食に進んでいない子は、この頃には進めるようにしましょう。3食しっかり食べられ、バナナ程度の固さを歯茎で上手につぶせる子は、徐々に大人の食事に近づけてもいいですね。朝・昼・晩と、大人と同じ時間に食べ、食べ物の固さも固めにしていってみましょう。少量の油を使用できる頃なので、焼く、炒めるなど、調理のバリエーションも増やすといいでしょう。赤ちゃんの様子を観察し、ペースに合わせて進めてください。量は、下記が目安です。
・全粥:90g(軟飯なら80g)
・野菜・果物:30~40g
・その他(どれか1品)
肉・魚:15g
豆腐:45g
全卵:1/2
乳製品:80g
(1回あたりの目安量)
離乳食を3食しっかり食べている場合は、授乳は1日2~3回で大丈夫です。母乳は欲しがるだけ与え、ミルクは缶に記載のある量を確認しましょう。
離乳食できちんと栄養をとれていれば、断乳や卒乳を検討してもいい時期です。ただ、急いでやめる必要はありません。WHOでも、2歳以降まで授乳を推奨しています。ママが卒乳を待てる状況であれば、赤ちゃんのタイミングを待ってもいいですね。ご家庭の状況と赤ちゃんの様子、タイミングを見て検討してください。離乳食の進みが順調でない場合は、急いで断乳しないようにしましょう。
睡眠時間
この頃の赤ちゃんの1日の睡眠時間は、およそ11~13時間です。お昼寝は1日1回になり、夜はまとめて寝るようになる子が増えるでしょう。この頃からは、意識的にお昼寝の時間を定めることをおすすめします。夕方に寝てしまって夜眠れなくなる……といったことが防げるので、生活リズムが整いやすくなります。まだ夜泣きが続く子もいるでしょうが、ツラい時期もあと少し。もうちょっとだけ踏ん張りましょう!
生後11ヶ月の赤ちゃんの特徴4つ
1歳を目前に控えたこの時期。赤ちゃんは1年前からどれほど成長しているのでしょうか? 発達の目安を見ていきましょう。
つたい歩き、たっちを始める
この頃になると、ハイハイは上級者。あっという間に目的地まで行ったり、階段や椅子などの高いところにもよじのぼれるようになります。ほとんどの子はつかまり立ちができ、伝い歩きもするようになるでしょう。早い子では手を離して一人で立つようにもなります。もっと早い子では歩き始める子も。個人差があるので、どの段階にいてもおかしくありません。焦らずに、赤ちゃんのタイミングとペースを見守りましょう。
音楽に反応するように
この頃の赤ちゃんは、周囲の音にいっそう反応するようになります。中でも、音楽には特別な興味を示すように。楽しい音楽が流れると喜んで腕やお尻を振ったり、楽しそうに声をあげたりするでしょう。大人も一緒に踊ってあげると喜びますよ。遊んでいる時間は、幼児向けの音楽や歌を流してあげるといいですね。
絵に興味を持つように
絵にも興味が出てくる時期です。絵本を見せると、知っているもの、興味のあるものを指さして声を出したり、お気に入りのページだけを見たがったりします。そろそろ読み聞かせを始めてもいいですね。まだ内容はわからないので、読むというよりは「ワンワンだよ」「キラキラお星さまだね」と、絵を見て話しかけてあげるといいでしょう。
言葉を理解するように
ほとんどの子が意味のある言葉はまだ話せませんが、大人が言うことはある程度理解するようになります。例えば、「ちょうだい」と言って手を出すと持っているおもちゃなどをわたす、「マンマだよ」と呼べば自分のダイニングチェアに座ろうとするなど、単語と行動の繋がりがなんとなくわかるようになります。意味のある単語が出るまでの大切な段階なので、意識的に話しかけてあげましょう。
生後11ヶ月に注意したいこと
生後11ヶ月には、特にどのようなことに注意すべきなのでしょうか? ここからは、押さえておきたい育児のポイントを説明します。
コミュニケーションをたくさんとろう
赤ちゃんの言葉は大人とのコミュニケーションの中で育まれます。前述のように、まだ意味のある言葉は話せなくても、大人が話すことはある程度理解できるようになっています。また、行動や仕草もよく観察しています。聞くことと見ることを合わせ、それを記憶していくことで赤ちゃんは単語と行動を結び付け、最終的に言葉として話すようになります。赤ちゃんの要求にはしっかり応え、よく話しかけてあげましょう。ダメなことはダメとしっかり伝えることも大切です。1回ではわからなくても、根気よく言い聞かせましょう。「おはよう」「おやすみ」「いただきます」などの単純な挨拶も、意識的にするといいですね。
自己主張を認めてあげよう
すでに強くなってきている自己主張が、この頃になるとさらに激しくなります。嫌なことがあると泣いて暴れたり、のけぞったり、全身でイヤイヤをするでしょう。まだ話すことができないので、体を使って自分の気持ちを伝えようと必死なのです。遊びを中断させたときやお菓子をあげなかったときなど、理由がわかるときはまだいいのですが、大変なのは、なぜ号泣するのかわからないとき。どうすればいいか、途方にくれてしまいますよね。でも、実は赤ちゃんもママやパパに自分の気持ちをうまく伝えられなくてツラいのです。怒鳴ったり叩いたりせず、抱きしめながらなぜダメなのかを説明してあげましょう。他のことに興味をそらすのもひとつの手です。
栄養バランスを考えた食事を
3回食になると、栄養のほとんどを離乳食から得るようになります。完了食に近づくこの頃には、栄養バランスも意識してメニューを考えましょう。炭水化物(ご飯・パン・麺類など)、ビタミン・ミネラル(野菜・海藻など)、タンパク質(肉・魚・卵など)を1回の食事で補えると一番いいですが、毎回しっかり作るのは大変ですし、食べムラや好き嫌いもあるでしょう。一週間を通してバランスがとれていれば問題ないので、トータルで調整してください。離乳食が順調に進まず、鉄分の不足のリスクが高い場合などは、食後にフォローアップミルクを飲ませることを検討しましょう。
成長の個人差を認めて神経質にならない
生後半年を過ぎる頃からは、成長の個人差がかなり目立つようになります。特に、完了食に近づく、つたい歩きや手放し立ちができる、「あばばばー」「んまんま」などの喃語(なんご)が増えるなど、食や身体機能、発語などの発達が進むこの頃は、つい他の子と比べたくなってしまうかもしれません。発達が遅い子であればなおさらです。
けれど、この頃の発達の個人差は、成長に伴い目立たなくなっていくものです。今遅れがちだからといって、今後もずっと遅いわけではありません。発達の個人差は、性格の表れとも考えられています。他の子より少し遅い子は、慎重な性格なのかもしれませんね。赤ちゃんの個性やキャラクターと思い、その子のペースを認めてあげましょう。どうしても気になる場合は一人で悩まず、小児科や保健師に相談してください。
この時期におすすめの絵本3選
絵に興味を持ち始めるこの頃からは、少しずつ読み聞かせも始めたいですね。とはいえ、どんな絵本がいいのかわからず悩んでしまうママ・パパも多いはず。0歳の赤ちゃんは、はっきりした色とくり返しが大好きです。迷った時はその要素が盛り込まれた絵本を選んでみましょう。おすすめの絵本3冊をご紹介します。
『じゃあじゃあびりびり』
はっきりした色と絵、心地よい擬音など、赤ちゃんが喜ぶ要素がしっかり盛り込まれた一冊です。わかりやすい絵と擬音が結びつき、赤ちゃんに豊かなイメージを与えてくれるでしょう。さりげなく工夫されたかわいい構図と、大きすぎず小さすぎないサイズ感も嬉しいポイントです。(作・絵:まついのりこ/出版:偕成社)
『だるまさんが』
「だるまさんが」の後に「転んだ」とならず、プシューとしぼんだりビローンと伸びたり、だるまさんがいろんな状態になるユーモアあふれた一冊です。「だるまさんが」のくり返しと楽しい擬音。やはり赤ちゃんが喜ぶ要素が盛り込まれていますね。かわいく面白い絵と結果に、声をたてて笑う子も多いそうですよ。(作・絵:かがくいひろし/出版:ブロンズ新社)
『いないいないばあ』
かわいい動物たちが「いないいないばあ」をくり返す、赤ちゃんと一緒に遊べる一冊です。親しみのある顔が「ないない」になる小さな不安と、「ばあ」と出てきた時の喜びで、記憶力と想像力が育まれるでしょう。長きにわたって愛され続けるロングセラーを、ぜひ子供に見せてあげてください。(作:松谷みよ子/絵:瀬川康男/出版:童心社)
まとめ
誕生からおよそ1年が経とうとするこの頃。生後10ヶ月よりも成長し、赤ちゃんは心身共に驚くほどの成長を遂げてきていることでしょう。楽しさと大変さが常に混在する子育てですが、パートナーと支え合い、周囲の助けも得ながら、穏やかな気持ちで赤ちゃんのさらなる成長を見守ってください。
※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.08.20)
関連記事
生後1ヶ月の赤ちゃんの特徴は?成長の目安&よくある悩み・不安と対策まとめ
生後3ヶ月の赤ちゃんの成長や発育状況は?スキンシップの注意点
生後5ヶ月の赤ちゃんの発育目安は?寝返りサインと離乳食のポイント
生後11ヶ月の赤ちゃんの特徴4つ、子育ての注意点・おすすめの絵本3選