【医師監修】赤ちゃんは麦茶をいつから飲める? 作り方と注意点まとめ
一年を通じて赤ちゃんの水分補給には気を付けたいものですが、特に汗をたくさんかく夏は重要です。今回は麦茶が飲める月齢、作り方や飲ませ方のコツ、量や温度、煮出しパックの選び方についてお伝えします。
- 赤ちゃんに麦茶をあげるなら何ヶ月から?
- 赤ちゃん用麦茶は生後1ヶ月ごろからが目安
- 離乳食が始まるころまでは飲ませなくてもOK
- 大人用の麦茶をあげても平気? カフェインやアレルギーは?
- 普通の麦茶は赤ちゃんには苦味があるかも
- 麦茶はノンカフェイン
- 小麦アレルギーの場合は医師の指示に従う
- 赤ちゃん用の麦茶の作り方・保存方法は?
- ベビー用の麦茶パックならばマイルドな味わいに
- 念のため沸騰したお湯で煮出して作る
- 常温は避け、冷蔵保存で翌日には飲み切る
- 初めて赤ちゃんに麦茶をあげる時の飲ませ方は?
- 麦茶の量・温度|人肌の温度のものを一口から
- タイミング|寝起きやお風呂上がり、体を動かした後など
- 母乳の赤ちゃんとミルクの赤ちゃん、上手な麦茶デビューは?
- 母乳育児の赤ちゃんは離乳食用のスプーンがおすすめ
- ミルク育児の赤ちゃんは哺乳瓶から始めてもOK
- まとめ
赤ちゃんに麦茶をあげるなら何ヶ月から?
子どもが初めて口にするものは、気になるもの。赤ちゃんはいつから麦茶を飲めるのでしょう。
赤ちゃん用麦茶は生後1ヶ月ごろからが目安
ペットボトルやパックで「ベビー用」「赤ちゃんの」と銘打った麦茶が販売されており、そのほとんどは対象年齢として「生後1ヶ月ごろから」としています。赤ちゃん用の麦茶は大人のものに比べ苦みも抑えられています。
何か気になるようであれば、1ヶ月健診の時に医師にアドバイスをもらってもいいかもしれませんね。
離乳食が始まるころまでは飲ませなくてもOK
では、生後1ヶ月を過ぎたら麦茶を飲ませなければいけないのでしょうか。
答えは「No」です。
赤ちゃんの離乳食がスタートする生後5~6ヶ月頃までは、あえて麦茶をあげる必要はありません。それまでは母乳やミルクだけで十分で、離乳食の開始前に母乳やミルク以外の飲み物(果汁、イオン飲料なども)を与える必要はありません。これは入浴後の水分補給でも同様です。
母乳やミルクは栄養が豊富で、同時に水分も補給することができますので、あえて早い時期から麦茶を用意しなくても問題ありません。
ただし、これは「あげなくてもOK」という意味で、「あげるのはNG」ということではありません。生後1ヶ月以降の赤ちゃんが嫌がらなければ、離乳食開始前の時期に飲ませても問題ありません。
大人用の麦茶をあげても平気? カフェインやアレルギーは?
赤ちゃんは生後1ヶ月から麦茶を飲むことができますが、赤ちゃん用以外の麦茶はあげてはいけないのでしょうか。
普通の麦茶は赤ちゃんには苦味があるかも
まず、通常の麦茶(いわゆる大人用の麦茶)と赤ちゃん用麦茶の違いですが、原材料は同じですが赤ちゃん用の方が苦みが少なくやさしい風味になっているようです。
麦茶はノンカフェイン
カフェインに関しても、麦茶はノンカフェインで、それは大人用も赤ちゃん用も変わりません。
なお、カフェインはコーヒーなどに含まれることは有名ですが、煎茶やウーロン茶にも含まれています。急激に多く摂取すると、めまいや動悸、興奮、不眠、震え、下痢、吐き気などを起こすことがあるとされています。
妊娠中にカフェインを含む飲み物を制限していたため、カフェインに関しては意識が高いママも多いことでしょう。妊婦さんだけでなく、子供、特に赤ちゃんのカフェイン摂取には十分に気を付けてあげたいところです。
小麦アレルギーの場合は医師の指示に従う
麦茶はノンカフェインということもあり、幅広い年齢で飲めますが、気になるのがアレルギーです。
鶏卵、牛乳、小麦は「3大食物アレルゲン」と呼ばれています。麦茶は小麦ではなく大麦の種子を煎じて作られる飲み物なので、小麦のアレルギーとは直接的な関係はありません。でも、小麦アレルギーの場合でも麦類全般を除去するように指導されている場合は、麦茶の除去が必要となります[*1]。医師の指示に従いましょう。
小麦アレルギーと診断されていない場合は、過剰に神経質になる必要はありませんが、念のため、初めて麦茶飲ませるときには、何かあった際に対応できるように、平日の昼間に少量試してからにしましょう。
赤ちゃん用の麦茶の作り方・保存方法は?
パックやペットボトルの赤ちゃん用麦茶は便利ですが、ちょっと割高なのも事実。赤ちゃんが毎日のように麦茶を飲むようになったら、煮出し用パックを使って家庭で麦茶を作る方法もあります。
ベビー用の麦茶パックならばマイルドな味わいに
赤ちゃんに麦茶を作ってあげる時は、ベビー用の煮出しパックが便利です。ノンカフェインなのはもちろん、赤ちゃんが苦味を感じないよう、マイルドな味わいになっているものも多いです。
もし、大人用の煮出しパックを使う時は、一度煮出してからパックを取り出し、水を足して再沸騰させて薄めるといいでしょう。
念のため沸騰したお湯で煮出して作る
麦茶パックを使いたい場合、水出し用は避け沸騰したお湯で煮出すのが基本です。
日本の水道水は世界的に見てもとても安全なものですが、微量の塩素などが含まれています。まだ完全に発達していない赤ちゃんの体には負担となる可能性があるので、水道水を使う時はなるべく煮沸するといいでしょう。
沸騰時間の目安としては、10分以上沸騰させた状態と続けると、水道水内の残留塩素だけでなくトリハロメタンも除去することができると言われています[*2]。火にかけっぱなしで消し忘れしないように、キッチンタイマーなどで計るといいですね。
常温は避け、冷蔵保存で翌日には飲み切る
煮出し用のパックを使って麦茶を作った際、大量に余ってしまうことがあります。
煮出した麦茶でも、基本的に日持ちしません。煮だした後は、やかんごと冷水に漬けるなどして速やかに粗熱を取り、清潔な容器に移し替え、冷蔵庫で保存しましょう。常温保存は避けます。冷蔵庫で保存した場合の期間としては、赤ちゃんが飲むのであれば翌日ぐらいには飲み切るのが安全でしょう。
冷凍保存するよりは飲みきれる量を作る方がおすすめ
冷凍もできますが、解凍する時には再び加熱沸騰させ、冷ますことを考えると手間が倍増します。あまり現実的ではない方法かもしれません。
短期間で飲み切れる量を作り、冷蔵して早めに消費するように調整しましょう。
初めて赤ちゃんに麦茶をあげる時の飲ませ方は?
赤ちゃんに初めて麦茶をあげる時、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
麦茶の量・温度|人肌の温度のものを一口から
月齢に関わらず、赤ちゃんに初めて麦茶を飲ませる時は一口から始めてください。大麦にアレルギー反応を起こす可能性も否定できないので、最初は口をつける程度が基本です。赤ちゃんが喜んで麦茶を飲むようなら、少しずつ量を増やしましょう。飲む量は個人差があります。
麦茶の温度はミルク同様、人肌が理想的です。冷たいと下痢の原因になりかねません。熱い温度も危険で、舌を火傷する可能性があります。煮出した麦茶を一度冷蔵保存し、飲ませる時に白湯を加えて温度を調節するといいでしょう。
タイミング|寝起きやお風呂上がり、体を動かした後など
赤ちゃんに麦茶を飲ませる時は、寝起きやお風呂上がりなど、水分を欲しがるタイミングであげてみてください。はいはい期やあんよ期なら、たくさん体を動かしたあとも麦茶をあげる絶好のチャンスです。
母乳の赤ちゃんとミルクの赤ちゃん、上手な麦茶デビューは?
赤ちゃんに麦茶を与える時、母乳育児かミルク育児かによって、向いているあげ方が異なります。
母乳育児の赤ちゃんは離乳食用のスプーンがおすすめ
普段ママのおっぱいを吸っている母乳育児の赤ちゃんは、哺乳瓶やマグに慣れていません。普段慣れているママのおっぱいとあまりにも感触が違うため、拒否反応を起こしてしまう可能性があります。
母乳の赤ちゃんには口触りが優しい離乳食用のスプーンを使って麦茶を与えます。最初はひとさじずつ与え、アレルギー反応の有無をチェックしましょう(飲まないときは無理に飲ませる必要はありません)。
ミルク育児の赤ちゃんは哺乳瓶から始めてもOK
普段から哺乳瓶に慣れているミルク育児の赤ちゃんは、比較的スムーズに麦茶を飲んでくれるケースが多いようです。いつも使っている哺乳瓶に麦茶を入れて、あげてみください。
ただ、外出する時に麦茶を哺乳瓶に入れっぱなしにすると、雑菌が繁殖して不衛生な状態になりがちです。長時間入れっぱなしにせず、こまめに替えてあげるか、飲み切れる量を入れてあげましょう。
まとめ
赤ちゃんは生後1ヶ月からベビー用の麦茶を飲むことができます。ほとんどありませんが、アレルギー反応を起こす可能性もゼロではないので、最初はひと匙ずつ、少量から与えましょう。ただ、生後5ヶ月から6ヶ月頃までは母乳、ミルクで栄養補給しながら水分も補っているので、あえて他の水分を与えなくても構いません。5~6ヶ月以降も水分補給は母乳・ミルクで問題ありません。個人差があるので「いつから飲ませるべき?」と焦る必要はありません。飲まないようなら、無理に飲ませるのはやめておきましょう。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:梁尚弘先生)
※画像はイメージです
人気の赤ちゃん・子供用麦茶
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます