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2021年05月31日 18:00 更新

女性は「こうあるべき」を手放して #岩橋ひかりのキャリアの引き算

ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。

今回のテーマは「こうあるべきの引き算」

岩橋さんが立っている図

こんにちは。キャリアコンサルタントの岩橋ひかりです。

雨の多い季節がやってきました。
雨とワーママの相性はとことん悪いのが辛いところ。
保育園の送り迎えも普段以上に手間がかかるし、休日公園に連れ出すこともできないし。娘よ、なぜ水たまりにわざわざダイブしちゃうのよ、、、と呆れたり、イライラしたり。
雨の日も子どもたちは変わらず笑顔で楽しそうなのが唯一の救いですが、気圧の低さが身体に堪えるのは加齢のせいでしょうか。

雨が降ろうが、雷が鳴ろうが、やらなければならないことに追われ続けるのがワーママ生活。仕事も限られた時間の中でガシガシ進めなければいけないし、食事の準備に後片付け、掃除に洗濯。片付けても片付けてもやるべきことが永遠に終わらず、息をつく隙きもないほどに大変な毎日。本当にお疲れさまです。
今日は、そんなワーママライフを少しでも楽に、快適にするヒントをお届けしたいと思います。

働くママへの処方箋「我慢の連鎖から、感謝の連鎖へ」

私がはじめて復職をしたとき、上司に「時短勤務でまわりに迷惑をかけるのだから、これまで以上に謙虚に仕事しなさい」と言われたことがあります。復職してすぐの面談でこう言われ、「ああ、私は迷惑をかけてしまう存在なのか」と悲い気持ちになり、落ち込んだのを記憶しています。

保育園からの呼び出し電話に怯えながら、また、残業せずに時短で早帰りすることに肩身の狭い思いをしながら仕事をしていた復職直後。迷惑をかけていることへの後ろめたさで、たとえ担当業務の結論が翌朝に大きく変わっていたとしてもぐっと堪え、「時短勤務なんだから謙虚に仕事するべき」にとらわれて、我慢することが日常になっていました。

家でも、21時までに子どもを寝かしつけるべき、夜のうちに洗濯をすませておくべき、週末のうちにおかずを作り置きしておくべき。と、さまざまな「こうあるべき」にとらわれ、辛く大変な毎日。復職して半年の間に、私自身が40度の高熱を3度も出してしまいました。我慢することが当たり前の状態になっていたため、身体が悲鳴を上げてしまったのです。

さすがにこのままではまずいと、必要に迫られ「こうあるべき」を手放すことに。
仕事では、出来る限りの情報や進捗を同僚に共有し、極力迷惑をかけない仕組みを構築。謙虚さは持ちつつも、我慢せずに自分の意見はちゃんと伝えるようにしました。

家では、寝かしつけの後、無理矢理起きて洗濯物を干すのもやめて、朝洗濯をするようにしました。代わりに、子どもの朝食や保育園の支度を夫の担当へ。仕事でも、家事でも、育児でも、頼れるものは頼る方針に変えたら、その後高熱を出すことはなくなりました。

こうあるべきに追われていた頃は、自分を押し殺すことが日常で、我慢するのが当たり前。申し訳ない気持ちが先行し、「すみません」とばかり言っていました。

そこからまわりを頼るように方針転換。「ありがとう」を言う機会がぐっと増え、家族や同僚に感謝の気持ちを持てるようになったのです。大変なワーママ生活に慣れてしまい、これが当たり前だと思ってつい我慢をしてしまいがちですが、「こうあるべき」を抱え込み、自分で自分を苦しめているのかもしれません。なんでも完璧にこなそうとしても無理というもの。「こうあるべき」を引き算することで、我慢してばかりの日常を、変えることができます。

同僚も家族も、あなたを懲らしめてやろう、苦しい思いをさせてやろう、なんて思っていません。復職した当時の私のように、自分が抱えている「こうあるべき」に、自分自身を苦しめている可能性も。

「こうあるべき」が浮かんだら、我慢を感謝に変えるチャンス!

一度立ち止まって、引き算できないかを考えてみてくださいね。

(文:岩橋ひかり)

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