育休の有意義な過ごし方は? 赤ちゃんとの向き合い方と職場復帰の準備
産後、すぐに職場復帰するのは現実的に難しいですよね。赤ちゃんの成長を見守りながら、少しずつ前のリズムを取り戻していけばいいのです。育休が終了する前に、スムーズな復職に向けて準備しておきましょう。
育休の基礎知識
これから出産を控えているママの中には、「育休中ってどのように過ごしたらいいの?」と思っている人もいるかもしれませんね。育児休業は、出産を控えたママに認められる権利。今しかない育休という期間をつかって、しっかり子供に向き合うのが一番の過ごし方です。復帰してからまた会社の仕事をがんばるぞ!という前向きな気持ちで、心身ともに健康的に過ごしてくださいね。
育休って?
通称「育休」と呼ばれていますが、制度上は「育児・介護休業(休暇)」。子供の出産だけではなく、介護が必要な家族を抱える人にとっても、出産と同様に休業を認める国の法律に基づいた制度です。産前産後休暇から引き続いて取得するケースが大半でしょうが、赤ちゃんの誕生日(出産日)を境にその前6週間、産後8週間は母体の安全を考慮して働かせてはいけない(医師の承諾があれば産後の期間短縮も可)、と定められているのが産前産後休暇です。
産前産後休暇は、出産を控えた女性なら誰でも取得することができるお休み期間ですが、育児休業は、働き方や雇用形態によって取得可能かどうかの適用条件があります。ママが期間の定めなく常用(一年以上の雇用が見込まれている)社員・パートとして働いている場合は、およそ育休を申請することができると考えてよいでしょう。更新しながら働いてきたママは、その後1年以上雇用が継続する見込みがあれば申請することができます。
育休の期間
赤ちゃんを出産した日から56日(8週間)の産後休暇を満了した翌日から、赤ちゃんの誕生日前日までの期間が、原則的な育児休業対象期間です。育休を一年間取得するときは、赤ちゃんが1歳になる日から晴れて職場復帰する、という計算になります。業務の開始についての話をする中で、若干期間が前倒しになることもあるでしょう。反対に、育休の終了にあわせて赤ちゃんを預ける保育園が決まらず、復職が難しいかもしれないと不安が募るママもいるかもしれませんね。
もし、子供の受け入れ先が育休満了までに決まらなかった場合は、更に最大6ヶ月まで延長することが可能です。ただし、あらかじめ申しこんだ保育所の形態(無認可保育施設は適用外)や、パパもしくはママが養育できない事情(病気・怪我や離婚など)などの事情に応じて自己申告することが原則です。条件が認められた場合に延長することができます。
育休の過ごし方〜赤ちゃんのために
産後、日に日に大きくなるわが子を育てる時間をとることは、ママの人生のなかでも貴重でしょう。何より、育休中は子育てを優先にしたいですね。ママのため、そして赤ちゃんのための素敵な時間にしましょう。
じっくり赤ちゃんと過ごす
出産してから一時は、家の中ですごす時間が多く、「疲れた・代わりがいないのが辛い」とママなら一度は感じるはず。おっぱいをあげて、オムツを替えて…。短い睡眠サイクルと昼夜かまわずお世話が必要な新生児の間は、特にママの負担が大きくなります。でも、生後3ヶ月を過ぎるころには首も据わって、夜にまとめて寝てくれる赤ちゃんも多くなります。
寝返りができるようになって、体を動かすことが楽しくなってきた赤ちゃんは、何にでも興味津々。そんな赤ちゃんと目を見て話をしたり、一緒に絵本を読んだり、時に泣き止まない赤ちゃんを抱っこであやしたり…。長い時間一緒にいることができるこの育休期間だからこそ、思いっきり思う存分赤ちゃんに時間を使ってあげましょう。
がんばりすぎたり、気負ったりすることはありません。ヒヤッとする体験もあるでしょうが、きっとそれも数年たてば「良い思い出」になるはずです。赤ちゃんと寄り添って、存分に振り回されるくらいの気持ちで前向きに楽しみましょう。
赤ちゃんと積極的にお出かけする
新生児の時を過ぎれば、赤ちゃんは何かをじーっと見たり、聞いたことがない音に反応したりと、頭や体が成長しているなと感じるそぶりが増えてきます。刺激がある分だけ赤ちゃんは興味を示し、そしていろんな物事を体感すると同時に、近くにいるママの声や抱っこに安心感を得ながら成長していきます。
家の中で過ごす時間より、ずっと多くの刺激を外の世界で感じることは、赤ちゃんにとっても良い体験になりますし、ママにとっても外の空気に触れてリフレッシュできるでしょう。日の光を浴びて日中を過ごすと、昼と夜の生活を区別しやすくなり、朝起きて夜に寝るというリズムが整いやすくなるといわれています。昼間の刺激が夜ぐっすりと寝る生活リズムを作りやすくしてくれます。無理に遠くに出かける必要はありません。近所の公園などで充分です。
育休の過ごし方〜自分のために
育休中、赤ちゃん中心の生活になってしまうのは誰でも同じ。そこで、赤ちゃんに付きっきりですごすお世話の時期がひと段落するころから、自分のために使う時間を、意識して少しずつ増やしていきましょう。
赤ちゃんが1歳の誕生日を迎える頃には、ママも「お母さん1歳」です。お世話に振り回される時期から、赤ちゃんをこれから育てていく、「育児」主体に意識が変わり始めるころでもあります。リラックス方法や、自分自身との向き合い方も考えていきましょう。
生活のリズムを整える
育児も仕事も体が資本。まずは生活のリズムを戻しましょう。張り切って急にいろんなことをスタートさせると、復帰直前または復帰まもなくにダウンしてしまうかもしれません。生活リズムを元に戻すには、可能な限り長いスパンで、じっくりと行っていきましょう。
無理なく仕事をスタートするためにも、体のリズムが整ってきたら、復職一日目のすごし方をイメージしてみましょう。朝起きてから朝食の準備、そして赤ちゃんを保育園へ連れて行くまでの準備が必要になります。出勤前に保育園までの送り迎えもありますね。どこで何が必要になるのか、何を下準備したらスムーズになるのか、考えて工夫していきましょう。
体型戻し
出産を経験して一番変化があるのはボディライン。産後の大きなお腹のたるみや骨盤の開きなど、以前と同じように戻せるといいですね。仕事に育児に忙しい毎日が始まりますが、ほんのわずかでも自分がキレイになるための時間を作ると、メリハリが生まれます。運動が好きな人は、育休が明けるタイミングで、また活動を始めてもいいのでは。激しい運動は体力を消耗してしまいますので、運動が苦手な人はヨガやピラティスなど、気軽に始めて長く続けられる運動をスタートさせてみてもいいかもしれませんね。
育休の過ごし方〜職場復帰のために
育児休暇は、赤ちゃんを安心して育てるために設けられた制度ですが、この制度はママが後に社会復帰をするという前提にあります。妊娠・出産前と同じように、また働く女性として社会復帰するためには、あらかじめ気持ちと体を前の状態にまで近づけておくことが大切です。
そして、出産前の生活と大きく変化を感じる部分もたくさんあるはずです。家事や育児、時間配分や移動など、あらゆることが前とは違います。万全の準備を目指す必要はありませんが、想定しておくと対処も早く、スムーズに考えや動きがシフトできるようになるでしょう。
無理のない程度の勉強・情報収集
子供中心の生活をしていると、赤ちゃんにまつわる情報や育児に関する情報ばかりに注目してしまいますよね。子供のお昼寝の時間など、ちょっとしたスキマ時間で資格の勉強をするのもいいでしょう。勉強と聞くと、重く感じてしまうかもしれませんが、趣味の延長線や興味のある分野に注目するのもいいでしょう。ちょっとしたきっかけから、仕事に活かせる資格や知識としてつながってくるかもしれません。
保育園の準備
子供が保育園に通い始めるまでに、必要なものは全て前もって準備しておきます。保育園指定の物品以外にも、お弁当箱やコップ、巾着袋やお昼寝用布団など、保育所から準備をするように言われたものを用意して、全てに名前を書いておきましょう。特に、新年度にあわせて入園を予定しているママは、必要な用品を購入する人が同時期に準備を始めるので、ほしいけどそろわない!という事態にもなりかねません。余裕を持って早めに入園準備しておくことをお勧めします。
家事分担について話し合っておく
働きながらこれまでとおりの家事をこなし、子育ても日常になるママの負担はきっと想像以上です。これまでは家事に興味がなかったパパも、復職するタイミングで積極的に家事参加をしてもらいましょう。
家事や育児に積極的なパパは、しっかりと役割分担をして、お仕事を任せましょう。反対に、これまで一切の家事をしたことがないパパにとっては、家事分担そのものが負担に感じてしまうかもしれません。パートナーの性格や仕事を考慮して、お互いにとってベストな方法を探していきましょう。
まとめ
家族が増えて、赤ちゃんが育っていく間にも、生活や過ごし方に大きな変化があるでしょう。ママだけではなくそれは一緒に過ごす家族全員が感じるはずです。育児休暇に入る前、休暇中、そして復職してからの生活は楽しいばかりではないかもしれません。自分の時間をうまく見つけて、息抜きができるといいですね。