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2021年12月22日 20:30 更新

助産師解説!産後の胸はどう変化する?張り・垂れトラブル対処法<体験談>

妊娠中、お腹とともにだいぶ大きくなった胸が産後は張って困ったり、逆に張りがなくなって垂れてきたりと出産前後にはバストも激変。先輩ママに産後の胸の悩みを聞きました。また、張りなどについて、助産師の坂田先生に具体的な対処法を解説してもらいます。

<体験談>産後、胸はどう変化した?

胸を気にしている女性

先輩ママ118人に、産後にあった胸の変化を聞きました。

産後に合った胸の変化
産後に胸はどのように変化しましたか?当てはまるものをすべて選択してください。(複数回答可)

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2021年10月28日~2021年11月12日 調査人数:118人(21歳~40歳以上の女性)の回答より抜粋
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

産後に、「大きくなった/小さくなった」「垂れ気味になった/張りがなくなった」「乳首の色や大きさの変化」など、胸の変化を感じたママはやはり多かったです。

産後、胸が張って困るときはどうすればいい?

おっぱいを飲む赤ちゃん
Lazy dummy

産後は「胸が張って仕方がなかった」という経験談も多く寄せられました。

<体験談>とにかく張って困った!

対処法(1)赤ちゃんに母乳を飲んでもらう

産後の胸の張りは、「母乳がおっぱいに溜まり過ぎる」ことで起こります。そのため、赤ちゃんに母乳を適切に飲んでもらうことで和らげることが可能ですが、母乳育児に慣れないうちは具体的にどうすればいいかよくわかりませんよね。

赤ちゃんに母乳をよく飲んでもらうために、まず以下の点を確認してみてください。

授乳姿勢を確認!

・赤ちゃんの顔が乳頭の正面を向いている

・赤ちゃんの顔と体がともにママのほうを向いている

・赤ちゃんのお腹とママのお腹が密着している

・赤ちゃんの体全体を支えられている

赤ちゃんの飲み方を確認!

・赤ちゃんが大きく口を開き、「乳輪」が隠れるくらいまで深くくわえている

・赤ちゃんの下あごが乳房に触れている

・赤ちゃんの下くちびるが外側にめくれている(内側に巻き込んでいない)

上記のポイントをおさえ、赤ちゃんが乳首にうまく吸い付いていると、ママは授乳の際に乳首が痛みません。また、「コクッコクッ」という母乳を飲み込む音が聞こえてきます。

対処法(2)乳輪マッサージや温冷ケア

乳房が張ると乳輪がむくみ、赤ちゃんがおっぱいにうまく吸いつけないことがあります。

そんなときは、「乳輪のむくみをとるマッサージ」をしてから授乳するとよく飲めるようになります。

乳輪のむくみをとるマッサージ

・乳首の根元周辺に指の腹を置き、痛みを感じない程度にしっかりと圧迫します

1分ほど、そのまま圧迫します

・角度を変えて、乳首の周り全体を同様にマッサージします

また、授乳前に温かいおしぼりなどで乳房を温めると母乳が出やすくなることがあります。

乳房が張って熱感があるときは、授乳と授乳の間に冷たいおしぼりで冷やしても良いです。

ただ、急激に冷やすと母乳の出に影響することがあるので、アイスパックなどを使う場合は
タオルなどで包んで間接的に冷やしましょう。

対処法(3)こんなときは母乳外来へ!

なお、産後に胸の張りだけでなく以下のような症状がある場合は、「乳腺炎」が疑われるので医療機関を受診してください。

乳腺炎が疑われる症状

・十分に授乳・搾乳しても、乳房の腫れ、痛み、しこり、赤みが1日以上続いている

・乳房の症状のほかに、悪寒・発熱、頭痛や関節痛などインフルエンザのような症状もある

授乳で垂れてきた!? どうすればいい?

胸を気にする女性

産後「おっぱいが垂れてきた」という悩みもよくあります。そんなとき、できることはあるのでしょうか。

<体験談>おっぱいが垂れてきた……

垂れたおっぱいは元に戻せるの?

おっぱいの丸い形を保っているのは「クーパー靭帯」という組織です。乳房のなかに網のように広がっていて、乳腺や脂肪を支えています。

これは基本的に伸びたり縮んだりしないものですが、「思春期」と「授乳期」には乳房が大きくなるのに合わせて伸びます

産後におっぱいが垂れたように感じるのは、母乳をつくるために発達した乳腺は授乳が終わると小さくなるのに、クーパー靭帯は縮まないからです。残念ながら、一度伸びたクーパー靭帯を自然に縮める方法はなく、垂れたおっぱいを元通りにするのは難しいのです。

ブラジャー選びのコツ

ただ、クーパー靭帯は「加齢によっても伸びる」と言われています。そうすると、ますますおっぱいが垂れることにもつながります。

ですから、「サイズの合った」ブラジャーをしてそれ以上クーパー靭帯を伸ばさないのは大切です。

なお、胸が張っているときにきつめのブラジャーをすると、苦しいだけでなく圧迫によって乳首に痛みが出ることがあります。また、素材が肌に合わないとかぶれてしまうことも。

妊娠中に引き続き、デリケートな産後の肌に優しいかどうかも、産後にブラジャーを選ぶときのポイントです。

授乳によって垂れてしまったおっぱいを妊娠前の状態には戻すことは難しいですが、
適切なブラジャー選びやトレーニングを行うことによって、今の状態をある程度維持することは可能です。

諦めないで、ご自身の体をいたわってあげてくださいね。

まとめ

幸せそうな家族のイメージ

産後、ママの胸が張ったり痛んだりすることはよくあります。赤ちゃんが効率よく母乳を飲んでくれれば解決することが多いので、授乳姿勢などを見直してみましょう。もし張りが続いたりひどかったりする場合は、自分だけでなんとかしようとせず、助産師さんなど母乳の専門家に相談しましょう。

垂れたようで気になる場合、残念ながら元に戻す確実な方法はありませんが、それ以上垂れないように気を付けることはできます。妊娠出産によって胸が激変する人も多いので、産後は、適切なサイズで肌に合う素材のブラジャーを改めて購入し直したほうが良いかもしれません。過度な締め付けのないブラジャーで、バストの形を保ちながら、快適な授乳ライフを過ごしましょう。

(文:坂田陽子先生/構成:マイナビ子育て編集部)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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