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2023年01月31日 14:24 更新

<体験談>粉ミルクはいつまで?止めたきっかけ・フォローアップミルクは?|管理栄養士解説

赤ちゃんに粉ミルクはいつまであげていて良いのでしょうか?先輩ママに止めた時期ときっかけを聞きました。管理栄養士の川口先生に教えてもらった、止めるときの注意点も紹介します。むし歯やフォローアップミルクについても解説するので、いま迷っているママ・パパは参考にしてくださいね。

<アンケート>粉ミルクはいつまであげた?

哺乳瓶と授乳中の母子

まずは先輩ママに聞いた、粉ミルクをやめた時期とそのきっかけを紹介します。

<体験談>粉ミルクをやめた時期ときっかけ

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2021年12月6日~2021年12月14日 調査人数:89人(21歳~40歳以上の女性)の回答より抜粋
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

粉ミルクはいつまであげていいの?

離乳食が始まり1歳が近くなると、いつまで粉ミルクをあげていていいのか気になってきますね。止めたほうが良い時期は決まっているのでしょうか。

粉ミルクを止める時期は決まっていない

粉ミルク(乳児用調製粉乳)は「母乳の代わりとしてそれだけで赤ちゃんの栄養を担うことができる」製品で、牛乳を主原料として乳幼児に必要な栄養素を強化し粉末状にしたものです。

粉ミルクは国内外のさまざまな規格に沿って製品化されており、対象年齢は「生後0~12ヶ月」に設定されています[*1]が、1歳以降飲ませてはいけないということではありません。

とはいえ、すべての栄養を母乳やミルクから摂れていた生後5、6ヶ月ごろまでと違って、成長とともに赤ちゃんが必要とする栄養の量は徐々に増えていくので、それ以降は、乳汁だけで必要な栄養を十分に摂るのは難しくなってきます

離乳食の進み具合がカギ

そのため、生後5、6ヶ月ごろになったらまずは「母乳や粉ミルク以外のものに慣れる」ことから離乳食を開始します。

はじめは「1日1回・つぶしがゆなどを少量ずつ」から始めますが、だんだんといろいろな食品・形態のものを食べられるようになり、赤ちゃんの栄養源は乳汁から離乳食に徐々に置き換わっていきます

粉ミルクは1歳までを想定して作られていますが、
粉ミルクを止めるべき時期というのは一律には決まっていません。

粉ミルクを止めても問題ないかは、離乳食を十分に食べられているかが大切ですが、運動量などもそれぞれ違いますし、離乳食の進み方は
赤ちゃんによって異なるからです。

「離乳食」で栄養が十分摂れていたら止めてもOK

赤ちゃんが大部分の栄養を母乳や粉ミルクといった乳汁以外から摂れるようになるのは、1歳~1歳半ごろのことが多いと言われています[*2]。

ただし、赤ちゃんごとにそうなる時期は異なります。「月齢ではなくその子のごはんの食べ具合」をみて、離乳食から必要な栄養の大部分を摂れるようになったころが、粉ミルクを止めても大丈夫な時期です。

離乳食完了期の食べ方の目安は下記の記事でくわしく解説しているので、参考にしてください。

離乳食で十分なのかわからないときは?

とはいえ、離乳食は日や時間帯によって食べ方にだいぶムラがあることも。「離乳食だけで栄養が足りているかわからない」時はどうすればよいのでしょうか?

粉ミルクは急に減らすのではなく、少しずつ食事の量を増やして、ミルクの量を減らしてみたりしてみるといいでしょう。その際は、身長や体重の発育曲線をチェックして、

・以前より順調に大きくなっているか
・発育曲線に沿って大きくなっているか

に注目しましょう。 ミルクの量を減らしても、十分に発育曲線に沿って大きくなっているのであれば、食事でも栄養がとれているということになるでしょう。

ちなみに、離乳完了期の栄養の摂り方については、一般的に「1日3回の離乳食のほかに、1日1~2回の補食・ミルク(母乳も)は離乳食の食べ方によって与える」が目安とされています[*2]。

ミルクの量を減らしたらその分を食事で補うといいので、3回の食事だけではなく、補食という形などで回数を増やして食べるようにしましょう。

赤ちゃんが欲しがるうちはあげていてもOK

なお、離乳したら母乳やミルクは止めなければいけないということではありません。離乳食を十分に食べられるようになった後も母乳やミルクを飲んでいる子は多いものです。

授乳は栄養面だけではなく、親子のコミュニケーション手段として赤ちゃんに安心感を与えるものでもあります。

離乳食が進むに従って赤ちゃんはミルクを欲しがらなくなってくることが多いものですが、引き続き赤ちゃんが欲しがるなら、離乳食を食べられるよう量に気を付けながらミルクも与えるのはOKです。

哺乳瓶でミルクをあげているとむし歯になる?

粉ミルクのイメージ

ミルクをあげている期間が長くなると、むし歯になるのではないかということも気になりますね。

「哺乳瓶むし歯」の心配が

哺乳瓶の不適切な使用で進行してしまったむし歯のことを「哺乳瓶むし歯(哺乳瓶う蝕)」と呼びます。この場合、前歯を中心に広い範囲で急速にむし歯が拡がるのが特徴です。

ただ、哺乳瓶でミルクをあげること自体は、むし歯リスクはそれほど高くありません。問題は離乳食が始まると砂糖を含む食品や果糖を含むフルーツジュースを摂るようになることで、とくにこの時期、夜間にも授乳しているとむし歯リスクは高まります

哺乳瓶は1~2歳には徐々に卒業して

哺乳瓶で与えると、口の中で頻回かつ長い時間、飲み物が前歯に触れることになります。そのこともあって、前歯がむし歯になりやすいのです。

そのため、哺乳瓶は1歳~2歳の間に段階的に卒業することが勧められています[*3]。

歯みがきと歯科でのチェックも大事

また、歯が生えたら歯みがきの習慣をつけ始めましょう。歯が生えたらなるべく早いうちからかかりつけの歯科をつくっておき、定期的に口のなかをチェックしてもらうのも大切です。

とくに1歳を過ぎているのに卒乳していない場合は、むし歯がないか歯科で診てもらってください。

赤ちゃんのむし歯予防についてくわしくは、下記の記事を参照してください。

フォローアップミルクに切り替える?

パパに授乳される赤ちゃん

粉ミルクを止めたら、代わりにフォローアップミルクを与えたほうが良いのでしょうか。

離乳食を十分食べているなら与えなくてもOK

「フォローアップミルク」も粉ミルク同様、牛乳を原材料として作られますが、粉ミルク(乳児用調製粉乳)とは異なり、これだけで赤ちゃんに栄養補給はできません。

「生後9ヶ月~3歳ごろ」までの赤ちゃんや幼児で、特に不足しがちな「たんぱく質」や「鉄」などの栄養素をバランスよく補うための食品です。

イメージとしては
栄養添加した牛乳だと思うといいですね。

フォローアップミルクの成分の特徴[*1]

・粉ミルクより「たんぱく質」や「鉄」「カルシウム」が多めに配合されている
・「脂肪」は、粉ミルクや牛乳より少なめ
・粉ミルクに添加されている「銅」と「亜鉛」は強化されていない

フォローアップミルクは、
離乳食が順調に進んでいて体重増加がある場合は、与えなくても問題ありません。

<アンケート>フォローアップミルクはあげた?

フォローアップミルクはあげたかどうかも先輩ママに聞きました。

フォローアップミルクをあげた人あげなかった人の割合
フォローアップミルクはあげた?

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2021年12月6日~2021年12月14日 調査人数:89人(21歳~40歳以上の女性)
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

<体験談>フォローアップミルクを与えた時期と理由

「牛乳」は1歳過ぎてから徐々に

牛乳を飲む幼児

粉ミルクを卒業したら、「牛乳に切り替える?」と思うママ・パパもいるかもしれません。でも、牛乳を飲料として与えるのは1歳を過ぎてからにしましょう。

牛乳を赤ちゃんに与えないほうが良い理由

・牛乳はもともと鉄分が少ないうえ、吸収率がとても低いのでほとんど吸収されない
・とくに生後6ヶ月までは、牛乳を飲むと少量の消化管出血を起こすことがある

離乳食の材料としてなら「離乳中期からOK」

ただし、牛乳を使った離乳食は「離乳中期(生後7~8ヶ月ごろ)」から与えても大丈夫です。初めて与える場合は、アレルギーの心配もあるのでなるべく午前中に少量からあげてみましょう。

牛乳が原料の粉ミルクを問題なく飲めていたのであれば、少量ではなくても構いません。

まとめ

ミルクを授乳中の赤ちゃん

粉ミルクはいつまであげていていいのか、むし歯リスク、フォローアップミルクはあげるべきかなどについて解説しました。

粉ミルクをいつ止めるべきかは一律には決まっていませんが、0歳代後半からは栄養のメインを離乳食に徐々に切り替えていき、粉ミルクを止めるころには必要な栄養の大部分を離乳食から摂れるようになっている必要があります。

ただし、授乳は赤ちゃんにとって体だけでなく心の栄養としても大切なので、栄養的に必要なくなったらすぐに止めなければいけないということではありません。個々に異なる赤ちゃんの心身の成長を観察しながら、親子ともにちょうど良いタイミングで粉ミルクを卒業していきましょう。

(文・構成:マイナビ子育て編集部/監修・コメント:川口由美子先生)

※画像はイメージです

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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