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2023年01月19日 10:59 更新

【歯科医師監修】赤ちゃんの歯はいつ生える? 遅い時や順番が違う時、むし歯予防について

赤ちゃんの歯が生えてくることは、ママやパパにとってわが子の成長を感じられる楽しみな出来事の一つでしょう。でも、なかなか生えてくる気配がなかったり、よその子と生える順番が違ったりすると、「これでいいの?」と気になるかもしれませんね。今回は、歯の生え始める時期や生える順番、むし歯予防など赤ちゃんの歯について解説します。

赤ちゃんの歯が生え始める時期は?

赤ちゃんの歯が生え始めの時期は?
Lazy dummy

一般的に、歯はいつごろどんな順番で生えてくるのでしょうか? 赤ちゃんの歯についての基本事項を説明しましょう。

歯が生え始めるのはいつごろ?

乳歯の芽はママのおなかの中にいるころから出来始めます。実際に歯が生え始めるのは、多くの赤ちゃんが生後6~8ヶ月ごろの赤ちゃんが多いでしょう[*1]。最初は、下の中央の歯(乳中切歯)から生えてくることが多いです。

ただし、 生え始める時期には個人差が大きいので、一般的な生え始めの時期から数ヶ月遅れて、1歳過ぎてから生えてくる子も珍しくありません。1歳半3ヶ月ごろを過ぎてもまったく生えてくる気配が見られないなど[*2]、遅れがとても気になるときは、一度小児歯科で相談すると安心です。

歯はどんな順番で生えるの?

一般的には、歯はまず下の中央の乳中切歯から生えてきて、その後、上の中央の2本(乳中切歯)、その両隣の歯(乳側切歯)の次に、下の乳側切歯が生えてきます。ただし、生える順番にも個人差があるので、上の歯から生えてくる子もいます。一般的な生える順番と少し違っていても、あまり気にしないで大丈夫です。

1歳半ごろになると奥歯(第1乳臼歯)が生え、その後少し経つと乳犬歯という歯が前歯と奥歯の間に生えてきます。 やがて2歳すぎになると、一番奥の第2乳臼歯が生えて上下で20本の乳歯が生えそろいます。

乳歯の名称と並び方
乳歯の名称と並び方

歯が生え始めるときに兆候ってあるの?

歯が生え始める前には、いくつかの兆候が見られることがあります。よくあるのは、唾液が多くなる、ふだんに比べてぐずりやすい、熟睡できず夜中に何回か目をさます、食欲が落ちる、などといった前兆です。

また、歯の周囲の歯ぐきが赤くなって押すと痛がる、何かをかみ続ける、などの様子が見られることもあります。歯が歯ぐきから出始めるとよだれが多くなることもあります。ただ、これらはどれも一時的なことで歯が生えてくるとおさまってきますから、心配いりません。

歯が生えかけのときは、歯固め用のグッズを噛ませると、多少落ち着くこともあります。

赤ちゃんの歯みがきは、いつからどうやってすればいいの?

赤ちゃんが歯磨きをするときの歯ブラシは?
Lazy dummy

かわいい歯が生えてきたら、気になるのは歯みがきやむし歯予防のことではないでしょうか。赤ちゃんの歯みがきの仕方のコツを知って、歯みがき嫌いにならないようにしたいですね。

歯みがきはいつから始める?

私たちの口の中には、さまざまな細菌がいます。中でも、おもにむし歯の原因になるのが「ミュータンス菌」という細菌です。これは、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはいませんが、家族など赤ちゃんの周囲の人の口の中にいるため、唾液などを介して赤ちゃんの口の中にいつのまにか入ってきます。

ただし、ミュータンス菌は歯の表面について増える性質があるため、歯が生えていないうちは赤ちゃんの口の中に入っても増えることはありません。でも、歯が生えてきて離乳食が始まり、糖分を含むものを食べるようになると、口の中にミュータンス菌が住み着きやすくなってしまいます。

そこで、月齢に関係なく最初の歯が生え始めたら、歯みがきの習慣をつけることがとても大切です。

歯みがきのやり方

赤ちゃんの歯みがきに使う歯ブラシは、毛の長さが赤ちゃんの歯の幅2本分くらいのヘッド部分が小さいもので、毛先が丸く加工してある乳児用を選びましょう。

歯みがきの練習に使う乳児用歯ブラシのほかに、仕上げみがき用の歯ブラシも必要です。仕上げみがきに使う歯ブラシは、柄が細く長めでママ・パパが持ちやすいものを用意してください。

歯みがきは、最初からいきなり歯ブラシでみがくのではなく、赤ちゃんをあお向けに寝かせた状態で頭を大きく動かせないように抑えて、口を開けさせて、赤ちゃんの口の中を観察することから始めます。 ママ・パパの清潔な指を入れて、口の中をさわってみてもいいですね。

このようにして、まずはあおむけの姿勢と口の中をさわられることに慣らしていきます。歯が少ないうちは、歯をみがかなくても食後にガーゼや綿棒で歯をふきとるだけで十分です。

慣れてきたら、乳児用の歯ブラシで1~2回軽く歯に触れる練習をはじめます。歯ブラシで歯を刺激されることに慣れてきたら、1本5秒程度で十分なので力を入れすぎないよう注意しながら、やさしくみがいてあげましょう。

なお、おっぱいやミルクを飲んでいると、上唇の内側にカスがついていることがあります。上唇の内側は唾液で汚れを落とすことができないので、歯みがきのついでに上唇をめくり、カスがついていたらガーゼなどでふいてあげてください。

赤ちゃんの歯 Q&A

歯磨きを嫌がる子供
Lazy dummy

赤ちゃんの歯と歯みがき、むし歯予防などについて、ママたちからよく聞かれる質問をまとめました。

Q.生まれたときから歯が生えています

A.退院までにトラブルがなければ、様子を見て

赤ちゃんの中には、生まれたときから歯が生えている子もいて、「先天(性)歯」と呼ばれます。

生まれてから産院を退院するまでの間に、歯が当たって赤ちゃんの口の中が切れたり潰瘍ができる、授乳の時にママの乳首に当たって痛い、などといったトラブルがないようなら、対応を急ぐ必要はありません。

「上皮真珠といって歯が形成されるときの残骸が白い小さなブツブツ(真珠のような)になってでることもあります。いずれも気になるときは、退院後の健診時などか小児歯科で相談するといいでしょう」(石塚先生)

Q.1歳になってもまだ歯が生えません

A. 歯ぐきをさわってふくらんでいるなら、やがて生えてきます

歯が生える時期には個人差があり、1歳過ぎて生えてくる子もいます。

歯ぐきをさわってみて、ほかの部分よりかたくなっていたりふくらんでいるようであれば、そこに歯の芽ができているということです。やがて生えてくるはずですから、心配せずにその日を待ちましょう。

歯ぐきをさわっても変化が感じられなかったり、あまりにも遅いなどどうしても気になる場合には、小児歯科の専門医に相談しましょう。

Q.母乳を飲みながら眠るので、むし歯が心配です

A.1歳すぎているなら、小児歯科で口の中チェックを

母乳を飲みながら眠ると、上の前歯に母乳がつきやすくなり、また夜間には唾液の分泌が減るため、むし歯菌(おもにミュータンス菌)が歯の表面についてむし歯のリスクが高くなります。

ただ、眠っている赤ちゃんの歯みがきをするのは難しいですね。そこで、上の前歯が生えたら、赤ちゃんが眠るまでの授乳後や離乳食後には、ガーゼで歯をふくなどしてこまめにケアをし、口の中を清潔にしておく習慣をつけましょう。

奥歯が生え始めてくるころには、食事もさまざまな食材を食べられるようになっていますから、歯の表面に糖分を含む食べカスが残りやすくなります。そのころになっても母乳を飲みながら眠っていると、むし歯になるリスクがかなり高くなるため、特に歯の清潔を心がける必要があります。

そこで、1歳過ぎても母乳を飲みながら眠る子は、小児歯科で口の中の状態を一度チェックしてもらうことをおすすめします[*3]。また、1歳過ぎていて離乳食をしっかり食べられており、ママが卒乳を考えているようなら、昼間にたっぷり遊ばせ、疲れて母乳を飲まなくても眠れるように工夫するなどして、徐々に夜間から断乳を始めてみてもよいかもしれません。

Q.歯みがきをいやがります

A.楽しい雰囲気で、力まずやさしくみがいて

「歯みがきしないとダメでしょ!」といって力が入って、怖い顔になっていませんか? みがく時に力が入っていたり、上唇をめくると見えるすじ状の部分(上唇小帯)に歯ブラシが当たっていたりすると痛いので、歯みがきは怖いことと思い、逃げ出したくなってしまいます。

「子どもの歯みがきは、力加減に気をつけ、歯ぐきにブラシを強く当てないよう注意して手早くすませることがポイントです。 話しかけたり歌を歌ったりしながら、楽しい雰囲気で歯みがきするよう心がけましょう。最近では歯みがきアプリもありますよ」(石塚先生)

自分でみがきたがるようになった子には、ママやパパも自分の歯ブラシを持って、お手本を見せながら親子一緒にみがいてもいいですね。ただ、子どもだけでは十分にはみがけませんから、仕上げ磨きを忘れずに。歯磨剤はつかわなくても大丈夫です。

また、歯ブラシをもったまま動き回ると、喉を突いたりする事故につながる恐れもあるので、きちんと座ってみがくように教えましょう。

まとめ

歯が生え始める時期には個人差が大きいので、なかなか生えてこなくても1歳過ぎまではあまり心配せずに、気長に待ちましょう。歯の生える順番も赤ちゃんによって違うことも多いので、上下8本はどれがどの順番で生えても気にしすぎないでください。

歯が生え始めたら、正しい方法で歯みがきを始めて習慣づけ、むし歯予防に努めたいですね。気になることがあるときは、小児歯科の専門医に相談しましょう。

(文:村田弥生/監修:石塚ひろみ先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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