性格にあわせたほめ方で部下が変わる!4つの性格タイプ紹介『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』vol.2
日々忙しく子育てをしながら、職場では部下とのコミュニケーションに悩んでいるパパ&ママへ。12万人のデータを集めて性格タイプを分析し、テレビでも話題になった稲場真由美さんの著書『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より、性格タイプ診断とタイプ別の伝え方の例を連載でお届けします。
タイプ紹介
前回診断した4つの性格タイプの特徴を紹介します。
計画重視&自分優先 【ロジカル】
臨機応変&自分優先 【ビジョン】
計画重視&相手優先 【ピース・プランニング】
臨機応変&相手優先 【ピース・フレキシブル】
部下がやる気を出す「響く」ほめ方
タイプが異なると、言葉の受けとめ方も変わります。その違いがわかりやすいのは、ほめる場面です。
例えば仕事で頼んだ資料をほめる場合、あなたはどの言葉でほめますか?
A「すごくいいよ!センスあるね!」
B「短時間でここのポイントまで押さえて対処していて、さすがだよ」
C「ありがとう。助かったよ」
おそらくあなたは 「自分自身がほめられて嬉しい言葉」 を選んだでしょう。しかし、「自分が言われて嬉しいのだから、相手も嬉しいに決まっている」と思ってかけたその言葉は、相手にとってそうとは限らず、不快に感じることさえあるのです。
Aはビジョンが言われて嬉しい言葉。Bはロジカル、Cはピースにそれぞれ響くほめ言葉です。
ビジョンの人からすれば、BやCはあまり心に響きませんが、それがまさにタイプの違いです。
さらに詳しくいうと、人の役に立ちたいと思っているピースには、Cのように「ありがとう」「君のおかげで仕事がやりやすいよ」など、感謝やチーム内での貢献度に言及するとやる気を引き出せます。対するAはオーバーに感じて引き気味になります。Bは評価の言葉だけで役に立てたのかどうかが伝わりません。このようにピースの人は「ありがとう」の言葉がないと心に響かないのです。
ロジカルには「今月は前月より20%上がったね」というように、具体的な成果や事実にもとづいてほめることが大切。ちゃんと見てほめてくれていることが嬉しいのです。
対するAの「すごいよ!」は、「見てなくても言えるいい加減なほめ言葉」に感じ、「ありがとう」はお礼の言葉で嬉しいけれどほめ言葉には感じません。
ビジョンにはやや大げさに感情を込めて「すごいね!」「これは君にしかできないよ!」とこちらの期待を、抑揚をつけて伝えると自己肯定感が高まり、俄然やる気が出てきます。それに対してBの具体的なほめ方は「細かすぎてチェックされているようで怖い」と不快に感じ、Cの「ありがとう」は今一つ物足りないと感じます。
いかがでしょうか。ほめ言葉一つとっても、性格タイプによってこんなに受けとめ方が違うことに驚くかもしれませんね。
人は誰でも頑張ったときほど、自分の心に響く「言葉のごほうび」が必要です。それがもらえないままだとモチベーションは下がり、仕事に身が入らなくなってしまいます。最悪の場合は、「認めてもらえていない」「自分は役に立っていない」と会社を辞める決断に向かっていきます。
ほめるのが苦手だと感じている人も多いのですが、意識的に部下をほめる習慣をつけましょう。上司がほめてくれるかどうかで、部下のモチベーションは大きく変わります。 「ほめられない」ことが原因でモチベーションが下がり、大事な戦力が退職してしまうケースも非常に多いのです。
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書籍『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』について
「頼まないと何もやってくれない」、「指示どおりに動いてくれない」、「メンタルが弱くてすぐ落ち込む」などなど、職場で部下の言動に悩まされていませんか?
実は人はタイプによってうれしいほめ言葉も、動きやすい指示も異なります。
「センスがあるね! 」と言って喜ぶ人もいれば、「ありがとう」が一番の原動力になる人も。細かい指示で動きやすい人もいれば、ざっくり伝えたほうが動きやすい人もいます。
自分自身がもらってうれしい言葉で相手をほめ、自分にとって動きやすい指示の出し方をしていたら、相手にとって真逆の意味になったり、逆に動きづらくなっているかも。
この本では12万人のデータからつくられた「性格統計学」に基づき、人の性格を4タイプに分類。自分と部下のタイプを診断したうえで、よくある場面ごとに「伝わらない理由」と「相手に合った伝え方」が紹介されています。
自分と部下の性格タイプを知れば、職場のコミュニケーションギャップの理由も見えてくるでしょう。ただ「伝え方」を変えるだけで、部下が自分から動いてくれるヒントが詰まった1冊です。
はじめに
Chapter1 「伝え方」を変えるだけで部下が動く
Chapter2 仕事・指示を理解してくれないときの伝え方
Chapter3 自分から動いてくれないときの伝え方
Chapter4 モチベーションが下がっているときの伝え方
Chapter5 悪い癖を直してほしいときの伝え方
Chapter6 相互理解で「心理的安全性」をつくる
おわりに
稲場真由美さんのプロフィール
富山県生まれ。株式会社ジェイ・バン代表取締役。
自身が人間関係の悩みに直面したことから、新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、のべ12万人から生のデータを集め「性格統計学」として体系化。以来、このメソッドを「一人でも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いで、セミナーや研修、コンサルティングを通して普及活動を行う。
2018年には「性格統計学」にもとづくアプリ「伝え方ラボ」を開発。その後、さまざまな企業で導入され、職場の人間関係の改善や営業活動にも活用されている。2020年には、Web3時間で履歴書に書ける資格が取れる「伝え方コミュニケーション検定講座」のパッケージ化に成功。現在では認定コンサルタントや認定講師の育成も行う。時代のニーズに対応しながら、企業や自治体、学校まで、全国すべての人のコミュニケーション改善に貢献する活動を続けている。
(稲場真由美・著『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)