寒天とゼラチンの違いは何? 成分・調理温度など大きな違いがあった!
「寒天」と「ゼラチン」には、実は大きな違いがあります。間違って調理してしまうと、まったく固まらずに失敗してしまう例もあり、注意が必要です。スイーツだけでなく介護食や料理にも使える「寒天」と「ゼラチン」。2つの違いを理解することで料理上手になれるかもしれません。
寒天とゼラチンの違いとは?
「寒天」と「ゼラチン」の2つは、大きく4つの違いがあります。
1.主成分が違う
「寒天」と「ゼラチン」では、主成分が違います。
寒天……テングサなどの紅藻類(こうそうるい)の海藻から作られたもの
ゼラチン……動物の皮や腱に含まれるコラーゲンから抽出されたもの
2.栄養素が違う
「寒天」と「ゼラチン」では、栄養素も違います。
寒天……炭水化物だが、ほぼ食物繊維(炭水化物=糖質+食物繊維)
ゼラチン……たんぱく質
寒天は食物繊維が多く、整腸作用があることも知られています。
3.調理方法が違う
「寒天」と「ゼラチン」は調理方法も違います。
寒天……沸騰したお湯を使ってしっかりと溶かす
鍋に水と寒天を入れ、混ぜながら沸騰させて「しっかりと溶かす」ことがポイント。
ゼラチン……沸騰させると固まりにくい
ゼラチンの主成分のたんぱく質は熱に弱いので、沸騰したお湯ではなく、50度~60度のお湯を使用します。
4.食感が違う
「寒天」と「ゼラチン」では、食感も違います。
寒天……歯切れがよく、弾力のある食感
ゼラチン……とろけるようなくちどけ、舌ざわりもいいなめらかな食感
寒天とゼラチンの調理方法
「寒天」と「ゼラチン」の調理法を詳しく紹介します。基本的な調理方法はパッケージに記載されていますが、一般的には下記の手順で調理します。
寒天の調理法
寒天には、粉寒天と棒寒天があります。
粉寒天の調理法
1.鍋に水(液体)、粉寒天を入れて沸騰させる
2.沸騰したまま2分ほどかき混ぜ、粉を溶かしきる
3.粗熱を取って容器に流し入れる
棒寒天の調理法
1.ボウルに水と棒寒天を入れて10分ほど置いておく
2.水気をしぼって細かくちぎる
3.鍋に水(液体)と棒寒天を入れて沸騰させて溶かしきる
4.粗熱をとり、容器に流し入れる
<寒天調理時の注意点>
・寒天は常温で固まるものの、一度固まると室温でも溶けにくいため、短時間で調理をする必要がある
・柑橘系の果物など酸性の食材と混ぜ合わせると固まりにくくなる
ゼラチンの調理法
ゼラチンには、粉ゼラチンと板ゼラチンの2種類があります。
1.粉ゼラチン、板ゼラチン、どちらもあらかじめ水に入れてふやかしておく
2.50度~60度のお湯(液体)に入れて、全部溶かす
3.冷蔵庫に入れて冷やし固める
<ゼラチン調理時の注意点>
・50度~60度のお湯(液体)を使うこと。沸騰したお湯(液体)はNG
・キウイやパイナップルなど、酵素が含まれた果物は固まりにくくなる
・夏は高温になった室内で溶けるため、ゼラチンを冷蔵庫に入れておくなど注意が必要
寒天とゼラチンの活用法はスイーツづくり以外にも
寒天やゼラチンと聞くと、「スイーツ」を思い浮かべる人も多いと思いますが、実は両方ともスイーツ以外の料理にも使えます。
寒天を使った料理
小料理屋さんや料亭で出てくるような煮凝りのほか、ご飯に混ぜて炊いたり、温かいスープに入れたりすることで手軽に食物繊維を摂ることができます。
ゼラチンを使った料理
ゼラチンでおすすめの料理が、ジュレ。ポン酢と混ぜて固め、「ポン酢ジュレ」にすれば、食材によく絡み、口の中でとろける食感が味わえます。また、とろみをつけて食べやすくできるため、介護食にも向いています。
寒天をダイエットに活用している人も
寒天のカロリーは100gあたり3.1kcalです。低カロリーで、かつ、主成分は海藻。料理以外にも使える万能商品としてはもちろん、ダイエットをしている人にとっても人気です。
・寒天ゼリーを食事の前に食べる
・おやつや間食を寒天ゼリーで置き換える
・便秘解消として、粉寒天を飲み物や料理に入れても
寒天はスイーツづくりだけでなく、ダイエット目的でも活用できます。
「寒天」の食べすぎには注意して
美容にいいと言われる寒天ですが、海藻類に含まれる水溶性食物繊維を多く取ってしまうと、下痢などの症状になってしまうこともあります。
寒天の1日摂取量目安は約6g。一度に食べすぎると腹痛を起こすこともあるため、食べすぎには注意しましょう。
まとめ
「寒天」と「ゼラチン」は、別の食品です。
・「寒天」はテングサからできている、「ゼラチン」はコラーゲンからできている
・決定的な違いは調理方法にあり
・寒天はダイエットにも取り入れられる食材
「寒天」と「ゼラチン」の違いを学び、ふさわしい調理法を知っておきましょう。
(マイナビ子育て編集部)