#古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.5 育児をせず、自分の好きなことばかりする夫。協力して子育てするにはどうしたら?
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
ぱるさん(28歳/医療・福祉/専門職)
生後2ヶ月の子どもがいるのですが、夫は仕事のあとはゲームをしたり、好きなことをしたりして、子どもの世話はほとんど私です。子どもが泣くと怒ったりもします。いつまでたっても独身のような態度に腹が立ちます。どうすれば協力して育児できるようになるでしょうか?
古坂さんの回答
まずは食事の世話から分担を
これはすごく心配ですね。ぱるさん、大丈夫ですか? お子さんがまだ2ヶ月ってことは、産後すぐで疲れているし、「産後うつ病」のリスクもある。旦那さんは、出産の大変さ、産後うつ病のことなどをご存知ないのかもしれません。
ぱるさんがどういう状況かわからないんですが、育休中でしょうか。だとしたら旦那さんは「まだ育休中だから手伝わなくていい」と誤解している可能性もありますよね。あと母乳育児だとすると「自分にできることはない」と思い込んでいるのかもしれない。
僕自身も、最初は妻が負担してくれていた育児の大変さに気がつかなかったので、まずはぜひ「とてもつらいから育児を分担してほしい」とまっすぐ伝えて話し合ってみてください。
そうして、とにかく実際に育児してもらうしかないですね。最初は搾乳した母乳やミルクを渡して、飲ませてもらうのはどうでしょうか。最初は飲ませるだけ、次は母乳やミルクの入った哺乳瓶を用意するところから……と少しずつ増やしていけば、ぱるさんの負担も減っていくと思います。
食べ物をあげるのってとても楽しいし、お子さんも喜ぶし、愛着も生まれやすいと思うんです。また1日でも早くスタートしたほうが、ぱるさんと旦那さんの差もつかないし、お子さんと旦那さんの愛着関係ができてくるんじゃないかと思います。
「賭け」に出るという方法もある
だけど、きちんと伝えたけど何もしてくれない、ということもあるかもしれません。そんなときは「賭け」に出るという方法もあります。搾乳した母乳またはミルク、おむつなどの絶対に必要な物を置いて、お子さんを適切な室温で安全なところに寝かせ、旦那さんに「母乳やミルクをあげたり、おむつを替えたり、あやしたり、面倒をみてね」と伝えて用事に出かけてしまうんです。
僕は、上の子が3ヶ月くらいのときに、初めてひとりで子どもの世話をしました。妻が15時から18時まで出かけたんですが、ちょうど黄昏れ泣きの時間だったこともあって、その3時間のうち2時間は泣かれっぱなし。なんて大変なんだと驚きました。こうやって体験すると「妻ひとりにやらせるわけにはいかない」と思ってくれるかもしれません。
でも、旦那さんがお子さんに怒るかもしれなかったり、何の世話もできなかったりするのであれば、お子さんが心配で二人っきりにはできないかもしれません。その場合は、同じ家の中にいて、寝込んでしまうのはどうでしょうか。つまり仮病を使うんです。そして「体がつらくて何もできないから、今日はがんばって」と育児をするよう仕向けます。
共働きなら、保育園に預け始めた際の朝の送りは旦那さんが担当する、というのもひとつの手です。もしも持ち物を忘れても、「もうよし!」として、すべて任せましょう。なんとかなります。最初から完璧にはできないので、自分でトライ&エラーしてもらうのがいいんじゃないでしょうか。
教えなくてもやってほしいけれど
こうして、ただでさえ大変な育児のスタート時期に、旦那さんのことで悩まないといけないのは本当に大変ですよね。よく、「子どもだけじゃなく、夫の世話までしないといけないなんて」「私だって初めての育児なんだから、夫に教えてる場合じゃない」なんてママたちの声を聞きますが本当にその通りです。
ただ一方で、性別に関係なく得意・不得意もあるし、自分のやるべきことに気づいていないのかもしれないし、仕事がきつすぎるのかもしれない。特にまだ男性は育休を取りづらい雰囲気が世の中にあるので、育児のスタート時期に遅れてしまいがちなんです。実際、仕事や時間、気持ちに余裕があれば、多くの男性がスムーズに育児を分担できるのではないでしょうか。
「育児を分担して」と伝えてもやらないのであれば、大きく分けると
①現実的にやりやすいことから勧めたり教えたりする
②育児の分担自体を諦める
という選択肢になるのではと思います。それなら一度は、①のようにできることを勧めたり教えたりして、育児を分担できるように促すほうがいいのではと思うんです。まだ2ヶ月なら少しずつ軌道修正できる可能性はあると、僕は思います。
とても大変だと思いますが、親族や周囲の人、自治体の子育て支援センター、一時保育なども頼って、ぱるさんが無理しすぎないようにしてください。旦那さんが育児の大変さ、面白さに気づいて、分担してくれるようになるよう祈っています。
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、DJ、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』、日本テレビ『スッキリ!』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-"PIKO ST KIDS"』
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)