【中学受験】算数が苦手な子におすすめ!「ふせんノート」のつくり方
中学受験でもっとも合否に影響するといわれる科目、算数。ひとつの単元でつまずくと、ほかの単元にも苦手が連鎖してしまう科目でもあります。そこで、木村美鈴さんが、算数が苦手な我が子のために導入したのが「ふせんノート」。つくり方・活用方法に加え、よかったこと・悪かったことを合わせてお聞きしました。
わが家の「ふせんノート」
ふせんノートをつくろうと思ったのは、子供が4年生の6月ごろ。
図形の単元に悩む子供の姿を見たことがきっかけです。すでに学習したはずの内容を忘れて「この言葉ってなに?」、「どうしてこうなるんだっけ?」など、図形学習の基礎となる用語や決まりごとについて、教科書の前のほうのページを開いて確認しようとしていたんです。
ところが、そもそも教科書のどこを見れば良いかわからず、結局はすべてのページを確認する始末……。これでは時間がいくらあっても足りないと思い、単元ごとに大切なポイントをまとめたノートをつくることに決めました。
わが家のふせんノートには、次のような特徴があります。
・単元のポイントをふせんに書く(ノートに直接書かない)
・覚えたふせんは剥がしていく
・単元ごとにページをつくる(学習順にこだわらない)
上の写真のとおり、単元ごとのポイントはふせんに書き込むようにしています。
ただし、ふせんのスペースの関係で書ききれない「単位定規(単位換算の早見表)」などはノートに直接書きました。そして、覚えたふせんは剥がしていくことで、覚えられないポイントが常に最新のかたちで見られるようにしています。
ちなみに、上の写真には「奇数と偶数の定義」のふせんが貼ってありますよね。実は、このときわが子は6年生。「このふせんがまだ必要なの⁉」と驚いてしまいました……。
子どもの理解不足が把握できるのは、このノートをつくったからこそ感じられたメリットといえるかもしれません。
そしてわが家では、学習順にこだわらず、単元ごとにページを作成しています。
ふせんは簡単に順番を入れ替えられるので、たとえば「図形のふせんを貼るスペースが足りなくなった!」といったときでも、空きページに2ページぶん貼り替えることができるなど融通が利くのもポイントです。
今でこそ子供自身でふせんノートをつくれるようになりましたが、作成に慣れるまでは、子供が勉強の復習をするタイミングで私もテキストを読みながら作成に付き添っていました。
何が大切なポイントか子供自身では判断できず、必要のないこともふせんにしていましたが、5年生になった頃には子供ひとりでサクサク作成できるようになりました。
ふせんノートのメリット
ふせんノートをつくって感じたメリットは、次のとおりです。
・単元ごとの大切な情報が簡単に探せる
・ひとつのページでポイントをまとめて見られる
・テスト前にサッと見直せる
ふせんノートをつくると、見つけたい情報を簡単に探せるようになります。「図形の公式」といったようにページの上に見出しもつけているので、すぐに確認できるようにもなりました。
図形の単元のように複数回に分けて学習する単元は、これまではどこを見れば良いかわからず教科書すべてを確認していました。
しかしふせんノートをつくったことで、ひとつのページを見るだけで特定の単元をすべてチェックできるようになり、勉強時間の効率化につながっています。テストの直前に短時間でチェックできるのもメリットですね。
意識すべきだったこと
一方で、作成前にもっと意識すべきだったと思うことは次のとおりです。
・授業中ではなく、授業後にふせんを作成する
・ふせんノートだけに頼り過ぎない
ふせんノートをつくり始めたころ、子供は塾の授業中にふせんをつくろうとしていました。すると、塾の授業がおろそかになってしまったんです。
授業中の限られた時間でふせんをつくって、それをノートに整理して貼っていくのは難しいです。そのため、自宅に帰ってきてから私とふせんをつくることにしました。
想像していた以上に、子供がふせんノートに頼りっきりで宿題をしていたのも、いま思うと反省です。
私の考えていた理想的な使い方は、「問題を見る → うろ覚えの公式だけノートで確認」といったもの。しかし子供は「問題を解く前にふせんノートを開く → 問題を見て『三角形の面積は?』と書いてあったら、公式を確認するためにノートをまた開く」といった使い方をしていました。
そのため公式が十分に身につかず、テストで得点できなかったこともありました。
その後「ノートに頼らずに公式を覚えなきゃ」と子供が自覚し出したのは6年生のときです。「等差数列の和の問題」がクラス分けテストで出題されたのがきっかけでした。
数列の規則性まではわかったものの、数列の数字が大きすぎて「地道に足し算をしていたら答えまで辿り着けない……」と感じたようです。
ちなみに、それまでは等差数列の問題は正解していたこともあり、「今まで全部足してたの?」と私が聞くと「うん! 答えが出ればいいんだもん」と一言。
さすがに呆れてしまいましたが、子供が算数をきらいになるよりは「ノートを頼りつつでも算数の苦手意識が減るほうが良いかな」と思っていたのも事実。そのため、ノートを取り上げるようなことはありませんでしたね。
「ふせんノート」が心の支え
入試が間近に迫った時期にもなると、子供はふせんノートを頻繁に見てはいませんでした。
ただし、テストがあるときにはふせんノートを必ず持っていき、直前まで確認していたようです。
「これがあれば算数もこわくない!」と思っていたようで、子供にとって心の支えにもなっていたようです。