効果あり! 中学受験する子どもとテレビとの付き合い方3つ
中学受験とテレビとの付き合い方って、難しいですよね。自身がテレビ好きなので、自身の受験期も“テレビ断ち”は正直できなかったと語る木村美鈴さん。そのため「テレビを見ちゃダメ」と子供に言いづらく、家族みんなでテレビとうまく付き合っていく方法を考えたそう。中受を経験した先輩ママが、テレビ問題についてお話します。
わが家のテレビとの付き合い方
わが家には、すでに中学受験を終えた子、そしてこれから本格的に中学受験の準備を始める子もいますが、どちらも私に似てテレビ断ちできないタイプ。
そこで、むしろテレビをうまく使って勉強のモチベーションをアップできないかと考えました。
たとえば、ひとり目の子が5年生の夏頃に次のようなルールを決めました。
わが家が決めたルール
・見てもいい番組を決めた
・情報番組は時事ニュースを取り上げる番組に限定
・時間を厳密に決めた
見てもいい番組を決めた
わが家ではケーブルテレビを契約しています。
そのため視聴できるチャンネル数が多く、特にアニメは豊富。
「ちょっとした息抜きのために15分くらいは見させてもいいかな」と思っていましたが、放っておくと「トムとジェリー」を何時間でも見ていたことも……。
「これだと受験生としてはマズイのでは」と思ったので、次のような番組は見てもいいよと決めました。
見てもいいと決めた番組
・クイズ番組
・勉強に役立ちそうなアニメ
クイズ番組
学びへの好奇心を刺激してくれること、「解けた」という成功体験を積めることなどからクイズ番組を見ることはOKとしています。
よく見ているクイズ番組
・クイズ! あなたは小学5年生より賢いの?
・クイズプレゼンバラエティー Qさま!!
・東大王
「小学5年生より賢いの?」では、中学受験の勉強をしている子供に合った難易度の問題が出題されます。
そのためわが子もたくさん正解できるようで、喜んで見ていますね。
「Qさま」は少し難易度が高めですが、社会や理科の映像問題が充実しているので、「この写真見たことがある!」と楽しんでいます。
「東大王」は問題も難しく回答者のレベルも高いので、参加するというよりは回答者に憧れて見ているようです。
ちなみに、クイズ番組は帰省時に見るのもおすすめです。
私の子は、祖父母や親戚など親以外の大人に「すごいね!」「よく知っているね」と褒められると勉強のモチベーションがアップするようで、帰省後は知識を増やすためにコツコツ努力する姿が見られます。
勉強に役立ちそうなアニメ
わが家ではアニメは完全にNGにするのではなく、子供のプラスになりそうなものは見てもOKとしています。
よく見ているアニメ
・ドラえもん
・るろうに剣心
・はたらく細胞
「ドラえもん」と「るろうに剣心」は言葉遣いの点で勉強になるかなと考えて見せています。
特に私の子供たちは、和語や古い言い回しが苦手。
そのため少し古めのアニメを通して、日常では使い慣れない言葉に親しんでもらえたら、と思っています。
「はたらく細胞」は、人体の構造について深く理解できるアニメです。
放送時は、録画やオンデマンドでよく見ていました。
子供たちは原作マンガやほかのメディアミックス作品も持つほど夢中で、特に『よくわかる!「はたらく細胞」細胞の教科書』は中学受験の人体の単元で学ぶ内容がわかりやすく書かれているため参考になります。
アニメのストーリーではあまり解説されない「消化・吸収の仕組み」などをテレビで馴染みのあるキャラクターが紹介していることもあり、子供自ら興味をもって学んでいますね。
情報番組は時事ニュースを取り上げる番組に限定
6年生になると、塾の社会の問題演習で時事問題を取り扱うようになりました。
でも「いきなり時事と言われてもピンとこないかもしれない」と考え、上の子が5年生の冬頃から、時事ニュースを紹介する情報番組を見るようにしました。
たとえばわが家では、NHKの「ニュース おはよう日本」を毎日見ています。
はじめ、私としては番組内のニュースを中心に見てほしいと思っていましたが、子供が楽しみにしていたのは「世界のメディアザッピング」や「まちかど情報室」などのコーナーでした。
一度、ニュース以外の時間はテレビを消すという方法を試したことがありますが、ニュースだけでは興味を示さなかったため、情報系のコーナーも見せることに。
結果として、時事ニュースにも目が触れるようになり、社会の時事演習にも役立ったようです。
時間を厳密に決めた
わが家では、朝の情報番組は除き、テレビを見られる時間を1日1時間・夕食直後と決めています。
見たい番組がその時間に放送していないときは録画しています。
このルールを決めたことで、たとえばクイズ番組が「今日だけ特番で2時間」といったときも「残りの1時間は明日ね」とテレビを消しやすくなりました。
ちなみに親が無理やりテレビを消すとケンカになると先輩ママに聞いたことがあったので、時間になったら子供がテレビを消すというルールにすることに。
「ルールで決めたよね」と伝えれば渋々ながら消してくれるので、これまでケンカに発展したことはありません。
また過去の番組を見られるオンデマンドや、YouTubeもテレビの時間に含めています。
子供は好きな音楽のミュージックビデオを見ながら歌ってストレスを発散したり、クイズ番組でファンになったQuizKnock(クイズノック)のYouTube動画を見たりしていますが、見る時間は1時間と決めているからこそメリハリがつき、勉強へとうまく気持ちを切り替えられているようです。
ルールを決めやすいタイミング
テレビのルールを決めたいけど、「今から急にテレビのルールをつくるのは難しい……」と感じる家庭もあるかもしれません。そこで参考までに、わが家がルールを決めたり、変更したりしたタイミングを紹介します。
ルールを決めやすいタイミング
・節目のタイミング
・「上のクラスに行きたい」と子供が言ったとき
節目のタイミング
子供がルールを受け入れやすいのが、節目となるタイミングです。
節目のタイミング(例)
・塾の授業時間が変わるとき
・学年が上がるとき
・長期休みの前後
わが家では、塾の授業時間が変わるタイミングで何度かルールを見直してきました。
「明日からひとつ上の学年のカリキュラムになるから、勉強の時間が足らなくなるかもね」と私が伝えたうえで、テレビの時間を減らした1日のスケジュールを表で説明すると「たしかにテレビを減らしても仕方ないかな」と納得してくれたこともありましたね。
「あの学校に行きたい!」と子供が言ったとき
「あの学校に行きたい!」など、子供自身が具体的な目標を意識したときはルールの見直しに最適です。
「上のクラスに行きたい」「クラス内の順位を上げたい」と話したときも良いですね。
目標に向かってモチベーションが上がっている状態であれば、テレビのルールについての親の言葉も受け入れやすいもの。
わが家は子供が目標校を決めたタイミングと合わせて、「週末のテレビの時間を短くしようか」と話をしました。
すると「目標校のためならテレビの時間をけずっても我慢できる」と受け入れてくれたのを覚えています。
受験に活かす方法を探そう
テレビを見るのが普通になっている家庭にとって、テレビの時間をゼロにするのは難しいですよね。
でも、テレビの時間をうまく使うことはチャレンジできるかもしれません。
そして、大好きなテレビから得る知識だからこそ定着しやすい場合もあります。
ぜひ、テレビを中学受験に活かす方法を探してみてください。