「原爆について知っている」小・中学生は約8割、広島と長崎の両方を答えられたのは6割以上
小・中・高等学校向けの教科書を発行する光村図書出版は、ロシアによるウクライナ侵攻や、初の被爆地での開催となったG7広島サミットなどにより関心が高まる「戦争と原爆」をテーマに、全国の小・中学生とその保護者にアンケートを実施しました。
中学生の9割強は、「原爆のことを知っている」と回答
小・中学生に「原爆のことを知っていますか」と質問したところ、全体の約8割(79.0%)が「知っている」と回答。
学年別にみると、小1・小2では6割弱(59.2%)、小3・小4では7割強(73.9%)、小5・小6では9割弱(89.2%)、中学生では9割強(90.9%)と、学年が上がるごとに「知っている」とする比率も上昇する結果となりました。
原爆について「知っている」小・中学生の9割近くが投下された場所を認識
原爆について「知っている」と回答した小・中学生に「どこに投下されたか知っていますか」と質問したところ、6割以上(64.6%)が「広島と長崎の両方」を答えられました。
「広島だけ」(18.6%)、「長崎だけ」(3.8%)を答えられた数も合わせると87.0%となり、9割近くが原爆が投下された場所を認識していました。
原爆については、「学校の授業や教科書で知った」が約7割に
原爆について「知っている」と回答した小・中学生に「どのように原爆のことを知りましたか」と質問したところ、1位「学校の授業や教科書で知った」が約7割(67.9%)と圧倒的に多く、2位「身近な人から説明を聞いて知った(教師、家族、親戚、近所の人など)」(23.6%)、3位「新聞・雑誌・ネットなどのニュース記事や報道番組などで知った」(21.9%)と大きな差がありました。
「被爆した人や、その子孫の人から体験談を聞いて知った」(4.6%)、「広島や長崎の資料館や跡地を直接訪れて知った」(8.9%)は、ともに10%未満となり、被害に遭った人や場所に直接触れて知る機会は非常に少ないことがわかりました。
保護者が考える「戦争や原爆のことを伝える方法」
保護者に「お子さんに戦争や原爆のことを伝えるために適切な方法」を質問したところ、1位はQ3と同様に「学校の授業や教科書」で7割超(71.3%)となったものの、2位「広島や長崎の資料館や跡地などの訪問」(31.7%)、3位「映画やドラマ、アニメ、演劇など」(29.7%)と、上位がQ.3とは異なる結果となりました。
Q.3の子どもの回答で10%未満だった「被爆した人や、その子孫の人からの体験談」(21.3%)と「広島や長崎の資料館や跡地などの訪問」(31.7%)は、Q.3の子どもの回答に対してそれぞれ+16.7ptと+22.8ptと大きな差が出ています。
子どもの4人に3人は「身近に戦争経験者がいない」
小・中学生の保護者に「お子さんの身近(親戚や近所の方)に、戦争を経験された人はいますか。」と質問したところ、「いない」という割合が74.7%に。子どもの4人に3人は身近に戦争経験者がいないという結果となりました。
調査概要
調査名:戦争と原爆に関する子どもと保護者へのアンケート
対象者:小・中学校に通う児童・生徒の保護者(全国)
調査方法:インターネット調査(児童・生徒の回答は、保護者から本人への聞き取りによる)
調査期間:2023年5月11日~5月12日
回答数:300名
光村図書出版
https://www.mitsumura-tosho.co.jp/
(マイナビ子育て編集部)