きゅうりの離乳食はいつから?生?加熱?調理のポイントとおすすめレシピ【管理栄養士監修】
サラダの素材としても多く使われる野菜「きゅうり」。生で食べることが多いですが、離乳食ではいつから、どうやって使えばいいのでしょうか。今回は、離乳食としてのきゅうりの取り扱い方やきゅうりを使ったおすすめレシピなどについてご紹介します。
離乳食のきゅうりはいつから?
初期から食べられる、ただし無理しなくてもOK
きゅうりは離乳初期(生後5~6ヶ月ごろ)から赤ちゃんに与えることができます。しかし、そのままだとかたいので、すりおろしたり、加熱してやわらかくする必要があります。各時期ごとの調理のポイントを見ていきましょう。
皮をむいてすりおろしたら使うことができます。
中期の調理
きゅうりはかたいので、小さく切っても食べやすくはなりません。初期と同様、すりおろして使います。
後期の調理
きゅうりはかたいので、加熱をしてやわらかくしたり、薄くきざんであげることが必要です。
完了期の調理
薄切りなら生でも食べられますが、皮はむいた方がやわらかくて食べやすいでしょう。
■ワンポイントアドバイス■
きゅうりは離乳初期から食べられますが、初めのうちは消化しやすいように皮をむいて種を取り、すりおろした状態で加熱したものをあたえましょう。ただ、ここまでするのはちょっと大変ですので、無理にあげてなくても大丈夫ともいえます。
きゅうりが食べられるかな? どうやったら食べられるかな? と心配になったら、まず赤ちゃんがどんな形状の食材を好んでためているかに注目してみてください。とろっとしたポタージュやヨーグルト状のものを食べる離乳初期には、まだまだすりおろしたきゅうりが最適ということになります。
後期以降もかたければ加熱を
離乳後期ごろからは、薄切りであれば食べることができるかもしれません。難しい場合には、電子レンジで10秒ほど温めるだけでも、きゅうりがやわらかくなって食べやすくなります。
少しずつ噛めるようになる
大人はどうしてもきゅうりを生で食べるイメージがあるようですが、赤ちゃんにとってまだまだかたいきゅうりは加熱をしてもかまいません。状況にあわせて、食べにくそうにしていたら加熱してあげましょう。
離乳食のきゅうりの調理ポイント
きゅうりを赤ちゃんの離乳食として取り入れる時にどのような点に気を付ければいいのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
離乳食に使うきゅうりの鮮度の見極め方
離乳食に使うきゅうりは、やはり新鮮な物がよいですよね。それでは、新鮮なきゅうりはどのように見分ければいいのでしょうか。
まず、全体的に濃い緑色をしたものを選びましょう。濃い緑色は、βカロテンが豊富であることを意味します。ヘタ部分も緑色をしていてシャキッと立っている状態がよいと言われています。
形は、全体的に太さが均一で両端がかたいものがよいでしょう。曲がり具合については気にする必要はありません。また、きゅうりの皮の表面にあるイボイボは、新鮮なものほど尖っています。
離乳食のきゅうりの下ごしらえ
離乳後期ごろからは皮も入れてOKですが、皮はかたいので、嫌がるようなら皮をむいてあげましょう。
きゅうりの種類や季節などによっては、種の食感が気になることもあります。種の食感を嫌がるようであれば、種を取り除いてみましょう。
離乳初期・中期のきゅうりのすりおろしの注意点
きゅうりは皮をむいて、そのままおろし金ですりおろすだけでOK。皮が気にならないなら、一緒にそのまますりおろしても、細かくなるのでかまいません。
種は取り除いておくと食べやすいでしょう。そのままでも食べられますが、加熱するとより安心でしょう。
離乳後期のきゅうりの調理の注意点
きゅうりは案外かたいので、そのまま角切りなどにしてしまうと、赤ちゃんが異物ととらえ、口から出してしまうこともあります。皮をむき5mm程度の厚さに切ると食べやすいでしょう。
加熱する場合は蒸し器で蒸したり、ラップに包んでレンジで加熱するのがおすすめです。また、煮込んでスープに入れてもおいしいですよ。
離乳食のきゅうりの保存
きゅうりは熱と水分に弱い野菜なので、保存方法にも工夫が必要。きゅうりは新聞紙で包んでからヘタを上にした状態で冷蔵保存します。保存に適した温度は10〜15℃くらいです。
また、下ごしらえをした状態のきゅうりは冷凍保存が可能です。方法は、皮をむいてやわらかく加熱してすりつぶしたものや、離乳食の段階に応じて適当な大きさに切って加熱したものを1食分ごとに製氷皿やフリーザーバッグに入れて冷凍庫に入れておくだけです。
時期別!きゅうりの離乳食おすすめレシピ
きゅうりの離乳食レシピ<初期>きゅうりペースト
きゅうりを初めて食べるころに取り入れたい、きゅうりペースト。
作り方は、皮をむいてすりおろしたきゅうりを耐熱皿に入れ、ラップをかけて電子レンジ(500W)で20秒ほど加熱するだけ。きゅうりペーストは、そのまま与えてもいいですが、つぶしがゆやうどんと合わせると、とろみがつくので食べやすくなります。
きゅうりの離乳食レシピ<中期>みじん切りでサラダに
豆腐ぐらいのかたさのものが舌と上あごでつぶせるようになる離乳中期ですが、きゅうりはかたいので、小さく切ったからといって食べられるわけではありません。
まだこの時期は、すりおろしたり、茹でたきゅうりをみじん切りにしたりする程度です。みじん切りにする時はやわらかくなっているかを確認しましょう。
きゅうりの離乳食レシピ<後期>ヨーグルトと合わせても
手づかみ食べがよくみられるころの離乳後期には、レンジ加熱してやわらかくしたきゅうりとヨーグルトを合わせるのもいいでしょう。
薄くスライスしたきゅうりと水切りしたヨーグルトを電子レンジ(500W)で10~20秒加熱し、やわらかくしたあと、水切りしたヨーグルトと和えます。ほどよいとろみがつくので、少し食感があるきゅうりを食べやすくすることができます。
きゅうりの離乳食レシピ<完了期>野菜スティック
離乳完了期になったら、きゅうりを取り入れた野菜スティックに挑戦してみましょう。ただし、厚さによっては、かたすぎて噛めずに喉につまってしまったり、そのまますっと入ってしまうこともありますので、注意が必要。大人が手でスティックを支えてあげるなどして与えましょう。
スティックの切り方は、断面が正方形にならないように、いっぺんを薄く、少しななめに切ってあげるといいですよ。
やわらかくだし汁で煮たにんじんや大根もスティックにして、一緒に添えてもいいですし、ディップに水切りヨーグルトをごく少量つけるのもいいですね。
まとめ
きゅうりは、すりおろせば、離乳初期から食べさせてあげることができる食材ですが、少しかたいので、なかなか生で食べるのは難しい食材でもあります。1歳頃からなら手づかみ食べもできるかもしれません。
かたいものを避け続けるのではなく、見守りながら食べていく練習ができるのもいいですね。きゅうりは生で食べるイメージですが、加熱してもおいしく食べられますので、いろいろなメニューで取り入れてみてください。
(文・監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド 2019年改定」