【もしも大地震が来たら?】地震発生時の正しい行動と帰宅方法を、救急集中治療医がイラストで解説!
千葉大学発医療スタートアップ企業「Smart119」はこのほど、大地震が発生した時の行動についてのイラストレーションを一般公開しました。
大地震が起こった時の正しい行動、帰宅方法とは?
100年前に発生した関東大震災は、近代化された都市の罹災状況を写真や映像から知り得る震災です。建物の倒壊、火災、また避難する人々の救助の様子が記録されています。
2011年の東日本大震災では、首都圏において「帰宅困難者」が生じました。二次的な被害、救命活動に支障が出てしまうことから、震災直後の人々の行動が課題点となっています。
今回、同社は救急集中治療医と救急救命士の見地から、地震発生時の正しい行動を、親しみやすいマンガで解説しています。なおこの資料は学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用することが可能です。
救急集中治療医・中田孝明氏が解説
関東大震災から100年。近代化された首都圏で発生した震災で、倒壊した建物と大規模な火災、不確かで少ない情報のなかで、人々の困惑を極める状況が映像や写真で記録されています。
また2011年の東日本大震災では、震源から離れた首都圏において、公共交通機関の運行停止によって、通勤・通学者515万人(内閣府推計)の「帰宅困難者」を生じさせ、駅周辺は混雑を極め、道路では大渋滞が生じました。
震災直後は、状況判断ができないことから不安に駆られますが、安全を確保した上で冷静に行動することが、災害対応の第一歩です。
2つの震災の経験を踏まえ大地震への備えとして、震災発生時からの「行動」を考えておきましょう。災害の被害を軽減させるには、自らの身を守る自助、次に周囲と助け合う共助、そして国や自治体などによる救護活動である公助という考えが基本にあります。
まず、自助として地震が発生したら頭部を守る、そして避難ができるよう出入り口を確保します。次に、共助として揺れが収まってもむやみな移動を控え安全な場所で、周囲と支え合いながら留まります。公助では、震災発生から3日程度は、救護活動が優先されます。
道路に人が溢れると緊急車両の通行の妨げになり、結果として救命への支障となります。また電車などの公共交通機関は安全性確保のために運行されません。道路や駅周辺へ近づかないようしましょう。駅前に多くの人が集まると「群集雪崩」などの二次被害が発生する原因となりかねません。安全な場所に滞在することは、共助の一つでもあるのです。
またテレビ、ラジオの公共放送や行政機関などのSNSやHPからの正確な情報確保し、家族との安否確認には「災害伝言ダイヤル」を活用しましょう。
震災後に安全性が確認されて帰宅できる段階になっても、公共交通機関の使用ができず徒歩となることが考えられます。職場から自宅までの経路を把握しておきましょう。徒歩帰宅者へ飲料水やトイレなどを提供し支援する「災害時帰宅ステーション」が、コンビニエンスストアなどの店舗で設置されます。
発生が懸念されている首都直下型地震や南海トラフ地震などは、多くの人々が罹災者となることが予測されています。大地震が起きた時の行動を知っておきましょう。一人ひとりの冷静な行動が減災へ結びつきます。
ポイント
揺れが来たら頭を守る、出入口の確保を
・鞄などを乗せる、机の下に潜るなどして頭を守りましょう。
・避難ができるように出入口を確保しましょう。
むやみに移動を開始しない
災害が発生すると、救助・救急活動、消火活動、緊急輸送活動等の応急活動が行われます。
道路に人がいっぱいになると、救急車、消防車が通れなくなります。
安全な場所にまずはとどまる
地震発生から少なくとも3日間程度は救助・救急活動が優先されます。
職場、学校、一時滞在施設などにとどまることを考えましょう。
駅周辺には近づかない
災害発生直後は、駅周辺にはたくさんの人が集まり、混乱が発生します。
また、公共交通機関は不通になっていることもあるため、駅周辺には近づかないようにしましょう。
正しい情報を手に入れよう
行政や公的機関、国土交通省や電力会社、交通機関各社のSNS公式アカウント、HPでも情報発信を行なっています。災害時の情報確認に活用しましょう。
安全を確認したら「安全に」「自力で」「歩いて」帰宅
災害が発生すると公共交通機関は使用できず、歩いて帰る可能性が高くなります。
事前に職場から自宅への帰宅経路を知っておきましょう。
災害時帰宅支援ステーション
災害時の徒歩帰宅者を支援するために「水道水」「トイレ」「道路情報などの情報」「近隣の避難場所に関する情報提供」の提供をしてくれる店舗のことです。
救助・救急活動が落ち着いた後に徒歩で帰宅する人を支援する取組みによるもので、コンビニ、レストラン、ガソリンスタンドなどがあります。全国43都道府県に普及しています。
◆解説者
中田孝明
株式会社Smart119 代表取締役
千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授
https://twitter.com/Nakada119
◆監修協力
新井久美子(救急科専門医)
鈴木正敏(Smart119:救急救命士)
中山翠(Smart119)
◆印刷用資料ダウンロードリンク
https://smart119.biz/manga/000630.html
◆参考資料
・内閣府:保存版 震災時の帰宅行動 ーそのときあなたはどうする?ー
https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/pdf/101110.pdf
・内閣府:大規模地震の発生に伴う 帰宅困難者対策のガイドライン
https://www.bousai.go.jp/jishin/kitakukonnan/pdf/kitakukonnan_guideline.pdf
◆医療情報イラストレーション・シリーズ ホームページ
https://smart119.biz/manga/
Smart119
https://smart119.biz/
(マイナビ子育て編集部)