共働き夫婦の1日スケジュール KADOKAWA Connected 佐藤正彦さんの場合(前編)
共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。朝起きてから寝るまで分刻みのスケジュールで息つく暇もないのでは? そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているパパに、お話を聞きました。
共働き夫婦の1日スケジュールとは?
家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどうのりきっているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。
第18回となる今回は、KADOKAWA Connectedで情報セキュリティコンサルタントとして働くパパのタイムスケジュールを前編・後編にわたりインタビュー。前編では朝・昼のタイムスケジュールとお仕事の様子をうかがいました。
取材にご協力いただいた方
KADOKAWA Connected EUC&CyberSecurity部Sec&Govサービス課 佐藤正彦さん(37歳)
2023年1月にKADOKAWA Connectedに入社。情報セキュリティコンサルタントとして、ガバナンス強化やロードマップ策定、情報セキュリティマネジメントシステムの構築などを行う。現在はフルリモートで働いている。プライベートでは2021年7月に女の子が誕生。一児のパパ。
朝のタイムスケジュール
朝は子どもにつく人と準備を進める人に分かれる
――朝は何時に起きていますか。
佐藤さん 5時半から7時の間には起きます。セキュリティコンサルタントとして副業もしているので、朝早めに起きて副業をすることも。毎日決まった時間に必ずするというわけではありませんが、朝の場合はこの時間帯ですね。眠いときは、朝7時くらいまで寝ていて、夜に副業タイムを設けるときもありますよ。
――朝夜のどちらかで行うイメージですか。
佐藤さん そうです! 夜の場合は、娘が寝た後の自由時間にやります。副業の作業時間は、ひと月40時間以内ぐらいで働いています。だから、1週間あたりおよそ10時間ですね。娘は7時前後くらいに起きます。朝の準備は私と妻の2人で臨機応変に対応しています。
――分担は決めているんですか。
佐藤さん 明確な分担は決めていません。でも、どちらか片方が必ず娘について、そのときについていないほうが家事をするようにしています。妻が朝食を作っている間に私が娘の着替えを手伝うとか、私が娘にごはんを食べさせている間に妻が保育園の準備を進めるとか。妻もほぼリモートですが、週1回は出社しなくてはならないので、出社する日は並行して自分の準備も進めています。
――うまく連携できていますね!
佐藤さん 育児だけ、家事だけではなくて、2人が両方ともできるように体制を整えないと、なかなかうまく回らないですよね。スムーズに準備ができるように段取りは私も妻も結構考えていると思います。とくに決めているわけではないけれど、隙間時間ができないようにお互いに自然とやり方を組み立てていますね。
歯磨きは自然とパパの担当になった
――お子さんはすんなり起きてくれますか。
佐藤さん まだ寝ていたいという日もありますよ。妻は娘が自然に起きるまで、できるだけ待ってあげていますけど、私はわりと起こしちゃう(笑)。そこは時間次第ですね。
――お子さんは今2歳ということですが、イヤイヤ期はありますか?
佐藤さん 少し前まではなんでもイヤイヤ言っていましたが、今は少し落ち着いてきました。最近は大人が背中を押して、やることをうまく誘導してあげると、素直にのってくれることが増えましたよ。話せることや、理解できることが増えてきたからかもしれません。わかっていて嫌だというときもありますけど(笑)。
――ありますよね(笑)。
佐藤さん 歯磨きは絶対に嫌がりますね。娘も嫌だと思いますけど、子どもの歯磨きは大人も大変ですよね。朝はとくに……! 妻は歯ブラシを持ってきてくれますが、ほかの準備もあるので、磨くのは自然とパパの担当になりました。
――保育園の送りはママの担当ですか?
佐藤さん はい。出社するときも、登園はママでそのまま出勤するという流れです。妻はフレックス制で、8時半から5時半くらいまで働いています。妻が保育園に娘を送っている間に、私が朝食の片づけをします。片づけたら、私自身の朝の準備をして、業務開始です。
勤務中のタイムスケジュール
資料作成を中心に業務に集中する
――普段の業務内容を教えてください。
佐藤さん 職種としては、企業の情報を守るためにセキュリティサービスを提供する「セキュリティコンサルタント」が一番イメージしやすいと思います。私は今、法令などを守るために管理体制を整えるガバナンスと、情報の安全を守るセキュリティを担当する課に所属しています。会社全体の情報セキュリティに関する設計をしていますね。
――情報セキュリティの設計とはどんなことをするのでしょう。
佐藤さん 例えば、会社の情報セキュリティに関する規程を定義します。情報セキュリティに関して必要になるルールと規程が何か、どんな規程体系になるのかを検討し、必要な規程を作成していきます。その中には、会社の体制や役割が入ってくるので、今度はその体制や役割に基づいて、どんな業務をすればいいのかを総合的にデザインしていきます。
――1つのプロジェクトが長期に渡りそうですね。
佐藤さん そうですね。今は本当に長期的な業務です。数年間に渡る計画を立てて、実行していきます。計画の中で実施されるプロジェクトのボリュームによっては忙しくなるときもありますね。
――1日の中では「この時間帯はこれをやる」など、やるべきことは決めていますか?
佐藤さん 午前は資料作成などの作業、午後はミーティングに集中できるように意識しています。コンサルタントなので、基本的には作った資料をベースに関係者の合意を得ることが主軸になるんです。プロジェクトを進めると、外注した資料を自社向けに直す必要が出てくるので、それを作ります。あとは、マニュアル作りなどですね。
柔軟な働き方が育児のしやすさにつながっている
――佐藤さんはリモートワークが多いのでしょうか。
佐藤さん ほぼ100%リモートですね。会議などもオンラインがメインで、基本的にオフィスでやらなくてはならない仕事は発生しないです。リモートワークは通勤時間がカットできるので、出社するよりも時間に余裕が生まれます。育児もしやすいです。
――通勤時間がなくなるのはポイントですよね。
佐藤さん そして、リモートワークだけでなく、裁量労働制やフレックスタイム制も取り入れているので時間の融通がききやすいです。子どもが熱を出して急に迎えに行くので、何時間か抜けますというようなときも、職場の皆さんが受け入れてくれる環境です。
――理解があるのはありがたいですね。
佐藤さん 会社の風土として、どんなときでも仕事が最優先というような考え方はなく、その人の人生や価値観を尊重できるような制度が整えられていると思います。個人的には、大きな会社ほど画一的なルールが決まっているような気がするんです。しかし当社では、いろいろな個性を尊重できるよう、振れ幅が大きくても吸収できる制度になっていて、効率よく気持ちよく働けるようになっていると感じます。
――働きやすさも感じますか。
佐藤さん 何社か経験していますが、今が一番働きやすいです。子育ても仕事もそれぞれしっかり集中できますね。会社の根底に、人を管理するというよりも、人にいい環境を与えれば自発的に改善していく、よりよくなっていくという思想が感じられます。その思想がしっかりあって、それに合わせた制度設計を考えている人たちが会社の上にいるということは、会社として本当に素晴らしいと思っています。
目標は変わらないが、働き方は変わった
――お子さんが生まれてから、お仕事の取り組み方など変わったことはありますか。
佐藤さん 子どもが生まれる前は自分の体力がある限りは頑張れていましたが、今はそれをやってしまうと家庭が崩壊してしまうので(笑)。子どもを第一にして、仕事のボリュームも調整していますね。目標は変わりませんが、働き方は変わりました。
――朝型なのはお子さんが生まれてからですか?
佐藤さん 私はもともと朝型ですね。だから、子どもが生まれてから自分のスケジュール感覚そのものが大きく変わったとか、起床時間や就寝時間が変わったというようなことはありません。コンサルをやっていると、寝ている間に頭の中が整理されるタイミングがあるんですよ。それで、パッと起きてしまって、そのままアウトプットして作るのがリズムになっていますね。
――効率よく業務を進めるために工夫していることはありますか。
佐藤さん 私は環境が一番大事だと思っているので、自宅のデスク周りはかなり整えています。パソコンは37インチのウルトラワイドディスプレイを取り入れて作業をしやすく。デスクは昇降タイプにして、座りっぱなしを避けています。デスク周りには、惜しみなく投資していますね。ものが好きというよりは、仕事の効率を上げるようにしたら、結果的にどんどんランクアップしていきました。
――大切ですね。お昼はどうしていますか。
佐藤さん ほとんど家で簡単に済ませています。妻とはお互いのタイムスケジュールが合わないので、それぞれバラバラで昼食を取っています。うまくその日ごとにお互いの距離感を調整できていると思っています。助け合うところはもちろん助け合うけど、ときには干渉しすぎないことも大事ですよね。
――夫婦円満の秘訣ですね! 残業することはありませんか。
佐藤さん 基本はないです。どうしても仕事が終わらないようなときもゼロではありませんが、当社は裁量労働制やフレックスタイム制が採用されているので、私も子どもが寝てからであれば仕事に戻ることもできるんですよ。だから、就業時間からシームレスに残業するということはほぼないので、子育てに時間をかけやすいです。
――後半では、夜のスケジュールと夫婦の家事分担についてうかがいます。お楽しみに!
▶【後編】保育園のお迎えから寝かしつけまで…フルリモートで働くパパの夜時間【共働き夫婦の1日スケジュール】
(取材・文:宮本貴世、 撮影:佐藤登志雄、イラスト:ぺぷり/マイナビ子育て編集部)