#古坂大魔王のモヤズバッ! Vol.27 妻と教育方針が合わず、僕が子どもにさせたい習い事もさせてくれない。歩み寄る方法は?
お笑い芸人や音楽プロデュース、テレビ番組のMCなど、多忙な毎日を送りながら、2児のパパとして育児に奮闘する様子をSNSで積極的に発信している古坂大魔王さん。同じように育児や夫婦関係のことで悩んでいるパパ・ママのお悩みに、ズバッと切り込みます。
今回のお悩み
もふもふさん(42歳/金融・証券/営業職)
子どもの将来に対しての教育方針が妻と合いません。習い事ひとつ、こちらがさせたいことを子どもにさせようとしてくれません。どうしたら、お互いの考える将来像を近づけることができるのでしょうか。古坂さんは、どのようにして話し合いをしているのかを教えてください。
古坂さんの回答
習い事は子どもが選ぶべき
ご相談内容を見て、最初に疑問に思ったのは「習い事ひとつ、こちらがさせたいことを子どもにさせようとしてくれません」という部分です。習い事って、奥さんが自分の教育方針に合わせて、子どもに「させる」ものでしょうか。
僕は、子どもの習い事は本人がやりたいかどうかが何より一番大切だと思います。子ども自身がやりたいことでないと決して長く続かないし、上達もしないからです。それなのに、お子さん自身の意見、タイプなどの話が出てこないことに驚いたのです。
よそのご家庭のことはわからないので想像でしかありませんが、もふもふさんが「奥さんの教育方針」だと思っているものは、もしかしたら奥さんによる「お子さんの好みや興味、得意に合わせた代弁」なのかもしれません。
ですから、奥さんに向かう前に、まずお子さんと差し向かいでたくさん話してみてください。投稿時に回答してもらったデータでは、お子さんは6歳(年長さん)とのこと。それくらいの年齢のお子さんなら、もうきちんと会話ができると思いますし、自分の好みや興味、得意、やってみたいことがあると思います。反対に苦手なこともあるでしょう。
いずれにしても、お子さん本人の好みや興味、得意、強みや弱みを知らないと、教育方針も何も考えようがないと思います。僕は普段から、子どもたちとそういった話をすることにしています。
勧めてもいいけど押し付けはダメ
その上で、もふもふさんがお子さんにやってほしい習い事があるなら、直接お勧めしてみるのはどうでしょうか。たとえば「野球をやりなさい」と押し付けるのはいけませんが、「野球をやってみてほしいんだよね〜」と楽しいところを話すくらいは問題ないと思います。
うちの上の子は、経験者である妻の勧めでバレエを習っています。本人にとても合っているようで楽しんでやっていて、家でもよく練習しています。発表会などでもメインの役を任されるようになってきていて、とてもやりがいを感じているようです。
そうしてイキイキとバレエをする姉の姿を見て、下の子もバレエを始めました。が、少しやってみたものの楽しく思わなかったようで、すぐにやめました。親としては姉妹で同じ習い事をしてくれると送迎もラクなのですが……合う合わないは絶対にあります。
ところで、僕自身の母はとても面白く愛情のある人ですが、自分の願望を押し付けるほうでした。「公務員になりなさい」「勉強しなさい」とよく言っていたものです。僕はこれがすごく嫌で、小学生の頃からお笑い芸人になろうとコントの練習をしていました。
だから僕は本当は娘たちに、柔術と哲学と法律を学んで「最強」を目指してほしいのですが、決して押し付けたりはしないと決めています。下の子は戦いごっこが好きなので、もしかしたら柔術を勧めたらやってくれるかもしれませんが(笑)。
議論を少しずつ深めていこう
さて、どんな親も、たいていは子どもにいい未来をプレゼントしたくて、頭を悩ませますよね。教育方針に悩んで夫婦で話し合ったりするのも子どもが大事だからです。
うちの教育方針は、挨拶やお礼や謝罪をきちんとできるよう、喜怒哀楽を表現できるようにする、ということです。やっぱり当たり前の礼儀やモラルは身につけないといけないし、感情を表現することは人生を豊かにしてくれると思うからです。
その上で親としては、たくさんの体験を与えてあげることで、子どもの選択肢を増やしていきたいと思っています。旅行でも、近所のお祭りやバザーへの参加でも、受験でも、なんでもそうですが、子ども自身が体験したがっていればフットワーク軽くやってみる。
最初からその子に何が合うかなんてわかりません。だからなんでも頭から否定したりしないで、やってみたらいい。うちは小学校受験も考えて家庭教師の体験もしてみましたが、本人に合わなそうだったので見送りました。トライアンドエラーでいいのではないでしょうか。
最後に夫婦でどうやって教育方針を揃えるかですが、これは普段からよく話し合うしかないと思います。同僚と一杯飲むみたいな感じで、お子さんが寝た後に二人でお酒またはコーヒーでも楽しみながらゆっくり話してみてください。
「こんな教育方針でいきたい」「わかりました」……ってことにはならないので、何度も話して議論を深めていきましょう。そのためにはパパも子どもの世話をして、会話をして、理解を深める。そして、子育てに関する本などを読んで勉強することも大切だと思います。
今回の結論!
古坂大魔王さんプロフィール
1973年7月17日生まれ。青森県出身。1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は、芸人、音楽プロデューサーのほか、文部科学省・CCC大使、総務省・異能vation推進大使を務めるなど、マルチな才能を活かして活躍中。2児の父。NHK Eテレ『すくすく子育て』をはじめ、多数のバラエティ・情報番組に出演中。プロデュースするピコ太郎の公式YouTubeチャンネル内に幼児向けコンテンツ「ピコスタキッズ」を開設した。
ピコ太郎のYouTubeチャンネル『-PIKOTARO OFFICIAL CHANNEL-"PIKO ST KIDS"』
Twitter @kosaka_daimaou
(取材・文:大西まお、撮影:天田輔[インタビュー]、佐藤登志雄[タイトル・結論]、編集:マイナビ子育て編集部)