【医師監修】インフルエンザの潜伏期間は?うつる時期と予防対策
インフルエンザ流行の時期、周囲に感染した人がいると「自分もインフルエンザにかかってしまったかも」と不安になります。インフルエンザに感染した場合、いつごろから症状が出るのでしょうか。また、知らない間に人へうつしてしまうことはあるのでしょうか。インフルエンザの感染から発症までの潜伏期間とウイルスの感染力について説明します。
インフルエンザは感染後どのくらいで症状が出る?<潜伏期間>
ウイルスや病原体に感染してから症状が現れるまでの期間を「潜伏期間」といいます。潜伏期間はウイルスや病原体の種類によって違います。インフルエンザに感染した場合、どのくらい後に発症するのでしょうか。
インフルエンザウイルスの潜伏期間はとても短い
インフルエンザの潜伏期間は、通常1~3日とされています。これは他の病原体と比べると短く、インフルエンザウイルスの増殖速度がとても早いためと考えられています。
インフルエンザはいつからいつまで感染する?<感染力を持つ期間>
インフルエンザに感染したことがわからない潜伏期間中は、知らずに多くの人と接している場合もあります。この期間は感染の可能性があるのでしょうか。また、発症後はどのくらいの間、他の人への感染に気をつけなければならないのでしょうか。
インフルエンザウイルスは潜伏期間中でもうつる?
一般的に、インフルエンザに感染すると発症前日から鼻やのどからウイルスを排出するとされ、潜伏期間中でも他の人へうつしてしまう可能性があります。
インフルエンザウイルスに感染している人が、くしゃみや咳、声を発することで飛沫(水分を含んだ粒子)が飛び、それを鼻や口から吸いこむことなどによってウイルスが体の中に入ってきます。体に侵入したウイルスは喉と肺をつなぐ「上気道」の粘膜に付着し、細胞の中へ入り込みます。粘膜に付着してから細胞に入るまで要する時間は短く、約20分といわれています。
その後、インフルエンザの症状が出るまでの潜伏期間は1~3日ですが、感染後、ウイルスは体の中で急速に増加していき、鼻やのどからウイルスを排出するようになります。
インフルエンザウイルスはいつまでうつる?ピークは?
感染力が最も強い時期は、発症から3日間ですが、感染力は発症後1週間程度続くとされています。
感染を広げないためには
身近にインフルエンザにかかった人がいる際には、マスクの着用や咳エチケットなどで感染の可能性を考えて行動するようにしましょう。
ワクチンの接種をした場合、かかっても症状が軽くなる可能性があるため、風邪と間違わないように注意が必要です。特に小さい子供や妊婦さんなどハイリスクの人が身近にいる場合に、少しでもインフルエンザを疑う症状がある場合は、早めに受診し医師の判断をあおぎましょう。
受診するタイミングを考える上で重要なことのひとつに、患者さんの状態があります。熱があっても元気であれば、ウイルス検査の結果がほぼ正確に出るころ(一般的に発症から12時間後)を待って受診してもいいですし、ぐったり感が強ければそれを待たずに早めに受診したほうがよいです。医師はウイルス検査の結果だけでなく、患者さんの状態を総合的にみて診断します。
子供がインフルエンザを発症してしまった場合は、出席停止日数を守り、家で安静にして過ごしましょう。
まとめ
インフルエンザは自身の予防や早期治療も大切ですが、周りへ感染を広げないように努めことも大切です。インフルエンザウイルス感染の恐れがあるときには、潜伏期間である可能性も考慮し、症状が出ていなくてもマスクの着用をするなど周囲の人への感染を防ぐよう努めましょう。
(島田直子/毎日新聞出版MMJ編集部)
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
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