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2024年06月17日 11:21 更新

【今や「お墓は不要」が多数派?】約7割が「墓じまい」したい、希望する自分の供養方法でトップとなったのは「散骨」

AlbaLinkが運営する「訳あり物件買取プロ」は、20代以上の男女500人を対象に「墓じまいに関する意識調査」を実施し、そのデータをランキングにしました。

「墓じまい」を検討している人の本音とは?

お墓や供養のあり方についての価値観が変わってきている現代、「お墓をもたずに散骨や樹木葬で供養してほしい」と考える人も増えています。また少子高齢化で「お墓を残したくても、継いで管理してくれる人がいない」というケースもあるでしょう。

「先祖代々のお墓はもういらない」「いろんな事情で維持できない」と感じ、墓じまいを検討している人も多いのでは。

そこで実施された今回の調査。どのような実態が明らかとなったでしょうか。

約7割が「墓じまいをしたい」と思っている

約7割が「墓じまいをしたい」と思っている
出典: https://wakearipro.com

20代以上の男女500人に「墓じまいをしたいと思うか」と聞いたところ、「とても思う」「やや思う」と答えた人が合わせて70.8%と多数派になりました。

全国的に墓じまい(改葬)が増加傾向にあるほか、「核家族化」「遺骨を残さない供養方法の登場」などで、墓じまいに関心をもつ人も多いのでしょう。

雑誌やWeb記事で、終活の一環として墓じまいが紹介されたのを目にして、実家のお墓が気になった人もいるかもしれません。

墓じまいをしたい理由1位は「維持管理・墓参りが大変」

墓じまいをしたい理由1位は「維持管理・墓参りが大変」
出典: https://wakearipro.com

墓じまいをしたい理由の圧倒的1位は「維持管理・墓参りが大変(218人)」。2位に倍以上の票差をつけており、お墓の維持管理に大きな負担を感じている人が多いとわかります。

2位は「跡継ぎがいない(92人)」、3位「子どもに負担をかけたくない(43人)」と続きます。

アンケートの回答内容からは、「今は何とか維持できているけれど、今後管理を続けられるかわからない」という不安も見て取れました。例えば、実家やお墓の近くに住んでいる年上の親族がいなくなったら、管理する人がいなくなるといった不安があるでしょう。

今後大変になると予想されるので、元気で動けるうちに墓じまいを考えておきたいという人も多いのではないでしょうか。

<1位 維持管理・墓参りが大変>
・お墓のある場所が遠く、頻繁に行けないから。またこまめに手入れができないから(30代 女性)
・昔からの墓石を撤去するのは少し申し訳ない気持ちになるものの、お墓は現在住んでいるところから遠方なため、墓参りや掃除などができていないから(40代 女性)
・出身が県外で距離が離れており、墓参りに赴くのに時間を要するため。今後高齢になればさらに困難になると予想されるため(50代 男性)

お墓があるエリアを離れていると、お墓を訪れるのが大変になります。また墓地が「駅から遠い」「山奥」「上り下りに苦労する傾斜地」などにあることも少なくありません。中には「お墓が複数に分かれているので、お墓参りが大変」という人もいました。

お墓をすべてなくすのではなく、遠方にあるお墓は墓じまいして、管理しやすい近所のお墓にまとめたいと考えている人もいるようです。

自分が楽になりたいというだけではなく、「しっかり掃除などの維持管理できる場所に移した方が、ご先祖様や親も喜ぶだろう」という考え方の人もいます。

<2位 跡継ぎがいない>
・兄弟はいるが二人とも子どもはいないので、私の代でなんとかしないと無縁墓になってしまう恐れがある(30代 男性)
・私たちは子どもがいない夫婦なので、お墓の世話をしてくれる人が途絶えてしまうため(50代 女性)
・自分の代で後継ぎがいなくなり、管理する人間が不在となる(60代 男性)

少子化により、跡を継いでくれる人がいないというお墓も増えているのではないでしょうか。

お墓を継いでくれる人がいなくなると、お墓は「無縁墓」になり、放置されて荒れ放題になります。無縁墓になることが予想されるので自分の代でなんとかしたいと考えている人も多いとわかりました。

無縁墓になると、必要な手続きののち、墓地の管理者によってお墓が解体・撤去され、遺骨は納骨堂などに改葬されることもあります。

<3位 子どもに負担をかけたくない>
・私が一人っ子長女のため、結婚するとき親に「墓はどうする!」と散々反対されました。自分の子には迷惑をかけたくないです(30代 女性)
・我が家は一人っ子なので、私たちが他界したあとは息子が一人で両家の墓の手入れをするのがかわいそうだなと感じます(40代 女性)
・子ども二人はともに実家から離れたところに暮らしています。将来的に帰ってくる予定はなく、墓の管理という重たい宿題を残したくないと考えているからです(60代以上 男性)

自身がお墓の管理の大変さを実感していて、子どもに負担を強いるのはかわいそうと感じている人も多くいました。子どもが遠方に生活拠点を築いている場合は、より墓守の負担も大きくなるでしょう。

そのため自分の代で墓じまいして、子どもや孫の負担を減らそうとしている人も多数。何が何でも墓は継いでもらわないと困るという価値観は薄れているようです。

墓じまいをしたくない理由1位は「しばらくは維持管理できる」

墓じまいをしたくない理由1位は「しばらくは維持管理できる」
出典: https://wakearipro.com

続いて「墓じまいをしたくない理由」と回答した146人にしたくない理由を聞きました。その結果、1位は「しばらくは維持管理できる(37人)」、2位は「先祖代々の墓だから(32人)」、3位は「心の拠り所として残したい(27人)」でした。

お墓を「先祖代々受け継がれてきた、大切なもの」「自分のルーツを思い起こさせてくれるもの」として大切に思っている人も多いとわかります。そのため、自分や親族で管理できるうちは墓じまいは考えずに守りたいという考えになるのですね。

<1位 しばらくは維持管理できる>
・遠くにあるわけでもないし、手入れは家族がやってくれているから(20代 女性)
・極端に遠いわけではないため、身体が動くうちは考えていない(30代 女性)
・後継がいるので今は考えていない(40代 男性)

「家族・親族が管理してくれている」「墓参りに負担を感じるほどの距離ではない」などの理由で、墓じまいを考えていない人が多数。

ただ、現時点では考えていないという人が多く、今後維持管理を担っている家族や自分の体力面などに不安が出てきたら、墓じまいも視野に入ってくるのかもしれません。

<2位 先祖代々の墓だから>
・先祖代々続けてきた歴史もあり、とても大切なことだと思うからです(30代 男性)
・寛永時代から続くお墓なので、ずっと守っていきたい(50代 女性)
・先祖が入ったお墓なので、自分の代で終わりにしたくない(60代以上 女性)

ご先祖様を大切にしている人もいますし、「今まで受け継がれてきたお墓を、自分の代で終わりするのは気が引ける」という人も多いでしょう。

上記のような場合、もし維持管理が難しくなってしまったとしても、自分が墓を取り壊すと決めてしまっていいのかと迷いが生じそうです。

また地域によっては、先祖代々の墓を解体することへの周囲の目が厳しいこともあります。

<3位 心の拠り所として残したい>
・先祖のことを思い出すきっかけになっているため(30代 男性)
・満足にお墓参りができているわけではないが、心の拠り所として、お墓は維持したいと思う(40代 男性)
・お墓参りをするとなんとなく落ち着きます(50代 女性)

お墓参りすることで、亡くなった祖父母・親に思いをはせたり、自分のルーツについて考えたりする機会になります。お墓を掃除し、お墓の中にいる家族に手を合わせて向き合うことで、心の落ち着きを感じる人も。

「もっと一緒に過ごしたかった」「もっといろんなことを教えてほしかった」など、故人への思い入れが強いほど、お墓のもつ意味は大きくなるでしょう。

自分が亡くなったときにしてほしい方法は「散骨」

自分が亡くなったときにしてほしい方法は「散骨」
出典: https://wakearipro.com

自分がなくなったときに希望する供養の方法を聞いたところ、最も多かったのは「散骨(131人)」でした。2位「先祖代々・家族の墓に入る(112人)」、3位「樹木葬(97人)」、4位「納骨堂(73人)」が続きます。

散骨や樹木葬など、遺骨を自然に還す「自然葬」を選んだ人が多くなりました。

ただ、自然に還りたいからという理由よりは、「遺族の手間がかからないから」という理由で選んだ人が多い印象です。納骨堂や共同墓地なども、管理の手間は少なくなります。

<1位 散骨>
・私は自分の墓があっても仕方がないと思っているし、お金もかけてほしくないです。なので、正直捨ててもらっても構いません。でも「捨ててくれ」と言われたら相手が困ると思うので、「海にでも撒いてくれ」と頼みます(30代 女性)
・費用が安くお墓の管理もいらない。また海が好きなので、海に撒いてくれたら嬉しい(40代 女性)
・業者に委託すれば数万円程度の費用ですむので、後の世代に墓地の心配をかけなくていい(60代以上 男性)

遺骨を海に撒く「海洋散骨・海洋葬」を希望する人が多いとわかります。「自然に還りたい」「海が好き」という意見もありましたが、お墓の維持費がかからないからという意見も多数。子どもや孫世代に負担をかけたくない人にとっては、メリットの大きい方法だといえます。

デメリットとしては「お墓参りができず、遺族が寂しい気持ちを抱くことがある」「新しい供養方法なので、家族の理解を得られないかもしれない」などがあります。

また、海水浴客や観光地の景観保護、漁業者との兼ね合いもあるため、どこにでも散骨していいというわけではないので注意が必要です。

<2位 先祖代々・家族の墓に入る>
・ご先祖様と一緒にいたいから(20代 男性)
・地域的に「先祖代々の墓に入るのが当たり前」という考えが強く、先祖の墓に入らなかったら、残された人が「何で先祖の墓に入れなかったの?」と延々と聞かれると思うから(40代 女性)
・当たり前だから(60代以上 女性)

「当たり前のように、先祖代々の墓に入ると思ってきた」「他の供養方法は考えたこともなかった」という人も多くなっています。将来にわたってお墓を守っていくことが前提なら、家族と一緒のお墓に入るほうが管理しやすいという面もあります。

また「先祖代々の墓に入り、みんなで一緒にいられると思うと安心する」という声も複数見られました。安心できる相手と一緒に入りたいため、「実家の墓に、実の両親と一緒に入りたい。配偶者の両親と一緒の墓には入りたくない」という人も多いようです。

<3位 樹木葬>
・手間やコストがあまりかからないようにしたい(30代 女性)
・「土に還る」のが、一番自分の好みに合う(50代 女性)
・子どもに迷惑を掛けたくないので、樹木葬で十分です(60代以上 男性)

樹木や草花を墓標とするのが、樹木葬です。「木が生えているところに、自由に遺骨を埋めたらいい」というわけではなく、墓地として認可されている場所に埋葬する必要があります。

お墓を購入するよりも安く済むことが多いのは、樹木葬がもつメリットのひとつ。また墓地側が敷地を管理してくれるので、維持管理の心配もありません。

散骨と違って墓標となる木や植物があるので、遺族がお参りしやすいのもメリットですね。

【調査概要】

調査対象:20代以上の男女
調査期間:2024年5月28日〜31日
調査機関:自社調査
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数:500人(女性348人/男性152人)
回答者の年代:20代 15.4%/30代 36.6%/40代 28.4%/50代 14.2%/60代以上 5.4%


AlbaLink
https://albalink.co.jp/

(マイナビ子育て編集部)

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