復職に不安を持つママは約9割、保育園の送迎や職場への迷惑を懸念する声が多数に
出産を無事に終え、いざ復職を考えたとき、不安にならない人はいないでしょう。出産前とまったく同じように仕事をすることは難しく、育児と仕事の両立は想像以上に大変なことも多いはず。そこで株式会社カラダノートが実施した「仕事復帰に関する意識調査」をもとに、産後の女性の本音に迫ってみます。
産休・育休中のメルマガ会員に意識調査
子育て・ヘルスケアアプリのサービスなどを提供する株式会社カラダノートでは、同社のメルマガ会員で産休・育休中の女性を対象に、「仕事復帰に関する意識調査」を実施。集まった726名の回答結果から、多くのママが仕事復帰に関して不安を抱いていることがわかりました。
約9割のママが産休・育休後の仕事復帰に不安あり
まず、仕事復帰をすることに不安を感じるかを聞いたところ、最も多かったのが「とても不安」で51.7%、次いで「やや不安」が36.5%でした。合わせて88.2%、つまり約9割の人が仕事復帰することに不安を感じていることがわかりました。
やはり、産休や育休後に仕事に復帰する際、多くの女性が不安を抱いていることを示す結果となっています。
「保育園の送迎や病気のときの対応に不安」約8割
前問で仕事復帰に不安を感じていると回答した人を対象に、具体的な不安材料を聞いた設問では、「保育園の送迎や病児の対応ができるか」79.7%、「遅刻早退、欠勤などで職場に迷惑をかけないか」76.8%と、2つが特に回答を集める結果となりました。
そのほか、「子どもの食事準備や生活のリズムが崩れないか」58.2%、「環境の変化により子どもが精神的に不安にならないか」56.1%、「パートナーとの家事分担がうまくいくか」50.2%、となっています。
さまざまな不安があるなかで、とくに、日々の保育園の送迎や子どもが病気になった際の対応、また、それによって職場へ迷惑をかけることを気にする声が多いことがわかります。
「復職に向けてパートナーと分担を話し合う」約6割
復職にあたって検討したことを聞いた設問では、最も多かった回答が「パートナーと送迎や家事分担などを話し合う」で、62.7%の人がこれを挙げています。次いで「実家・義実家の協力をお願いする」54.1%、「ネットスーパーや食材宅配」36.8%、「病児保育」23.4%、「家事代行サービス」8.1%、「ベビーシッター」4.8%という結果でした。
6割強の人が、パートナーと復職後の生活について話し合ったことがわかります。やはり、夫婦のどちらか片方が育児と家事を担うことは難しいものです。パートナーや実家など、周囲の人の協力が必要になってきます。
育児休業給付金の支給延長手続きの変更、「知らなかった」55.4%
最後に、2025年4月から「育児休業給付の受給期間延長手続きが厳格化することを知っているか」を尋ねた結果を見てみます。「知っている」が44.6%、「知らなかった」が55.4%となり、制度の変更を知らなかった人の割合が、知っている人の割合を上回りました。
2025年4月から育児休業給付金の支給延長手続きの要件が変更に
保育所などに入れなかったことを理由に、育児休業給付金の支給期間を延長したい場合、自治体の発行する入所保留通知書に加え、あらたに保育所などの利用申込書の写しが必要となります。
この変更によって、制度の適切な運用をはかることをが目的とされています。その背景として、実際には保育所への入所意思がないにもかかわらず、給付金延長のために入所の申し込みする事例があり、その対応が自治体の業務負担になっている、といった問題があったとしています。
手続き変更に関する詳細は、厚生労働省のページで確認してください。
▶厚生労働省:育児休業給付金の支給対象期間延長手続き
まとめ
復職には周囲の協力が不可欠
産後に仕事復帰し、育児と仕事を並行して行うには、さまざまな課題をクリアしなければなりません。まず、復職にあたっては、生活圏内にある保育園に子どもが入所できるかどうかから始まるでしょう。そして、復職が決まったら、保育園の送迎はどうすればうまくできるか、急な子どもの発熱などで早退したり休んだりした時、職場から理解は得られるのだろうか……など、不安は尽きないでしょう。今回の調査結果からも言えますが、やはり、パートナーをはじめとした周りの人間と協力し合いながら、仕事復帰に向けて準備を進めていくことが大切です。先輩ママに聞いてみるのも1つでしょう。少しでも不安を減らし、心の余裕をもって復職できるよう、いろんな人に頼ることを考えてください。
(マイナビ子育て編集部)
調査概要
■仕事復帰に関する調査/カラダノート
調査対象:カラダノートのメルマガ会員で産休・育休取得中のママ
調査期間:2024年6月7日~7月8日
回答人数:726