家事や育児に自信のあるパパは約7割と多い!育休をきっかけに家事や育児に関わる時間も増える傾向に
日本でも夫が家事や育児に関わることが当たり前という風潮になりつつありますが、では、実際にどのくらい男性が育児に関わることができているのでしょうか? 東京都豊島区が実施した「男性の育児環境に関する調査」をもとにして、現在の夫の育児事情に迫ってみましょう。
東京都豊島区では、男性育児支援事業を発展させていくことを目的に、直近2年以内に子育てを行った男性(※)に調査を実施しました。対象となった3,256世帯のうち、有効回答数1,557件となっています。調査項目は多岐にわたりますが、今回はその中から、育児と子育ての両立に関して尋ねた結果をお伝えします。
※2023年12月時点で2歳未満の子どもと同居し育てている豊島区在住の男性
家事・育児をした時間、育休中は「20時間以上」が3割超
まずは、1週間あたりでパパたちが家事・育児に関わった時間はどのくらいなのかを見てみましょう。
「妊娠前」「育児休業中」「育児休業後/生まれた後」という3つの期間に分けて調べています。
まず、「妊娠前」で最も多かったのは「1時間~3時間未満」で21.6%でした。僅差で「5~10時間未満」が18.9%、「10時間~20時間未満」が18.4%と続いています。一方、「1時間未満」が9.1%、「家事/育児をしていない」と回答した人も1.7%いました。
「育児休業中」になると、「20時間以上」と回答した人が最も多く31.7%でした。「10~20時間未満」は12.1%、「5~10時間未満」は10.1%。育児休業中はやはり家事や育児の時間が増えることがわかります。なお、「育児休暇を取得していない」という人も28.3%いました。
さらに、「育児休業後」(子どもが生まれた後)ではどうかというと、育休中と同様に「20時間以上」が最も多く25.2%、次いで「10時間~20時間未満」が21.8%と、全体の2割を超える結果となりました。合わせると47%となり、半数近くは週に10時間以上家事や育児をしていることがわかります。育休中に家事・育児が習慣化したという人も多いのかもしれません。
妊娠や出産を契機にパパの労働時間も減少する傾向に
次に、1日あたりの平均的な仕事+通勤時間(休憩を除く)について、同じく3つの時期に分けて聞いた結果がこちらです。
「妊娠前」に最も多かったのは「10~12時間未満」で29.4%でした。次いで「12時間以上」が25.6%、「9~10時間未満」が21.0%となっています。
これが「妊娠中」になると、大きな違いはないものの、比較的変化があるところとして、「12時間以上」と回答した人が22.0%となっており、「妊娠中」と比べて、3.6ポイント減少しています。長時間労働をする割合が減っていることがわかります。
さらに「生まれた後」ではこの傾向がさらに強まるようです。「10~12時間未満」は24.5%と、妊娠前に比べマイナス4.9ポイント、妊娠中に比べてマイナス4.3ポイントとなっています。また、「12時間以上」は18.0%で2割を切り、妊娠前よりマイナス7.6ポイント、妊娠中よりマイナス4.0ポイントでした。
実際に子どもが生まれると、仕事の時間を減らして、家事・育児に関わるようになっていく父親が多いことがうかがえます。
「家事・育児に自信あり」は約7割
現在、家事・育児にどのくらい自信があるかを聞いた設問では、「とても自信がある」30.2%と「少し自信がある」40.7%となり、合わせて7割以上の人が家事・育児にある程度の自信を持っていることがわかりました。最初の設問で、育児休業を経て家事・育児をする時間が増える傾向が見られましたが、それによって家事や育児に慣れていった人が多いのかもしれませんね。
出産後の家事・育児に向けた準備として何をした?
最後に、配偶者と「生後の家事・育児に向けた準備」としてどんな取り組みをしたかを聞いた設問を見て行きます。それぞれどの時期から行ってきたのでしょうか?
ほとんどの項目で妊娠中までに取り組み始めた人が多数派であることがわかります。具体的には「買い出しなどの準備」が妊娠前から妊娠中までに90.4%と9割以上、「家の中の整理や整とん」が83.0%、「母子手帳や資料を読んで一緒に情報を収集する」が71.6%などとなっています。
一方で、「していない」と回答した人が多かった項目もあり、「両親学校などに一緒に参加」39.8%、「家計の見直し」35.1%、「子育て中の知人・友人に話を聞く」が28.6%、「家事・育児の分担の話し合い」が28.5%などでした。
まとめ
今回の調査結果から、現在小さな子どものいる父親が積極的に家事や育児に関わっていく姿が垣間見えました。その一方で1日の仕事に関わる時間が長い男性が多く、妻の妊娠前には4人に1人以上の夫が12時間以上であることもわかりました。労働時間の短縮が男性の家事・育児への関わり方にも大きく関係するといえます。また、男性の育休取得が広まっているとはいえ、まだ4割近くの人は取得していないのが現状のようです。妊娠、出産をするママだけでなく、パパの働き方もより柔軟に変化していくことが求められています。
(マイナビ子育て編集部)
調査概要
調査対象:2023年12月末時点で2歳未満の子と同居し養育している豊島区在住の男性
調査時期:2024年2⽉1⽇〜3月31⽇
分析対象者数:1,557