共働き夫婦の1日スケジュール ハーゲンダッツ ジャパン株式会社 橋本千瑛さんの場合【夜編】
共働き夫婦にとって仕事と家事・育児の両立は悩みの種。退社からお迎え、寝るまでの分刻みのスケジュールはまさに怒涛ですよね。そこで、夫婦の家事分担や子育ての工夫など、忙しい毎日を乗り切るコツを実践しているママに、お話を聞きました。
共働き夫婦の1日スケジュールとは?
家事・育児・仕事と、目まぐるしい日々を送る共働き夫婦。毎日繰り広げられる分刻みのスケジュールのなか、「こんなに忙しいのは自分たちだけ?」「みんなは毎日をどうのりきっているの?」と疑問を持つママやパパに向けて、共働き夫婦の1日のタイムスケジュールをうかがうこの企画。
第27回となる今回は、アイスクリームブランド ハーゲンダッツ ジャパンのマーケティング本部で働くママのタイムスケジュールを朝〜日中編・夜編にわたりインタビュー。夜編では夜のタイムスケジュールとご夫婦の家事分担についてうかがいました。
取材にご協力いただいた方
ハーゲンダッツ ジャパン株式会社 マーケティング本部 ブランド戦略チーム 橋本千瑛さん(38歳)
アイスクリームブランド ハーゲンダッツ ジャパンのマーケティング本部に所属し、テレビCMやキャンペーンなどに携わるほか、ブランドコンディション管理業務などを行う。プライベートでは、保育園に通う5歳の娘のママ。
夜のタイムスケジュール
親子工作で子どもの好きをぐんぐん伸ばす
――退勤後はバタバタしますよね。
橋本さん 夫は仕事が終わるのが遅めなので、保育園のお迎えから夕食作りまでは、私の担当です。夕食はできるだけ家族一緒に食べ、そのあと家族団欒をし、ひと息ついたら家事と育児を夫とバトンタッチ。夫に娘を任せて、私は日中残した仕事をすることもあります。
――パパと娘さんで工作をするんですよね!
橋本さん はい。最近は段ボールで工作をするのにハマっていて、驚くほど立体的なものを作っています(笑)。娘は発想がとても豊かで、「こんなものを作りたい!」というイメージがはっきりとあるので、夫がそれを具現化することが多いですね。最近では、娘が棚を作りたいと言ってイメージ図を描き、夫と一緒に引き出し付きの立派な棚を作っていました。
――本当に立派な作品ですね! 夜は猛スピードで「ごはん、お風呂、寝るだけ!」という家庭も多いと思うのですが、タイムスケジュールを見ると、あえて親子工作の時間を設けるなどゆったり過ごしている印象です。
橋本さん 共働きで、どうしても子どもと接する時間は限られてしまうので、時間が少ないぶん密度を高めて、親子一緒に全力でひとつのことに取り組みたいと思っています。もともと娘が絵を描くことや工作をするのが好きだったので、その「好き」を伸ばす形で本格的になっていきました。夫が学生時代に建築を学んでいたこともあり、親子で楽しくやっていますね。
――お子さんへの接し方で、特に意識しているのはどんなことですか?
橋本さん 子どもには自分で考えることや形にすること、言葉で伝えるといった力を養ってほしいなと思っているので、親が先回りして答えを教えるのではなく、もどかしくても娘自身が答えを見つけて伝えてくれるのを待つようにしています。「あっいいこと思いついた!」というのが娘の口癖で、私と夫は「いいアイデアだね!」と返すことが多いのですが、そうした積み重ねがこれからの人生を生きる力につながっていけばいいなと思っています。
「ちゃんと」の鎧を脱いだら楽になった
――朝と夜、どちらもご夫婦で見事な連携をとられていますが、今の分担はどのように決められましたか?
橋本さん 家事については、娘が生まれてから5年の間に何度か夫婦で話し合いをして、だんだんと今の形に落ち着きました。実は私は長女気質で人に頼るのが苦手な性格もあり、頼るよりも自分でやってしまった方が早いと背負い混みすぎていた時期があったんです。仕事をこなしつつ、母親としても「ちゃんと」やらねばという思いから、鎧を着てガチガチになっていたかもしれません。今思えば、余裕がない状態で怖かったかもしれませんね(笑)。
――その鎧をどうやって脱いだのですかか?
橋本さん 行き着くところまで行ったからかもしれません(苦笑)。復職後3年くらいで仕事内容が変わり、チャレンジングでやりがいはあるもののかなり忙しくなって、仕事と家庭のバランスがうまく取れずイライラしていることが増えてしまったんですね。家庭の空気を悪くしてしまっている自覚もあったので、話し合いの積み重ねで少しずつ鎧を脱ぎ捨てていきました。
今は、どうしても苦手な家事を自覚して夫にお願いしたり、平日は部屋が多少散らかっていてもOKとする、ご飯づくりがしんどかったらデリバリーを頼むなど、手放すことを覚えました(笑) 。
――鎧を脱いでみて、気持ちの変化はどうですか?
橋本さん 本当にすごくラクになりました。今は夫とうまく分担ができていて、自分の時間も少しずつとれるようになってきたので、地域のボランティアに参加したり副業を始めたりと、新しいことにもチャレンジできてとても充実しています。
――家事コストを下げるために、どのような工夫をしていますか?
橋本さん 食材の宅配サービスが便利ですね。スーパーへ行くのは週に1回、仕事が休みの日にまとめ買い。日曜日から火曜日までを休日買ったもので過ごし、宅配サービスで注文した食材が水曜日に届くので、水~土曜日までそれでやりくりしています。平日の仕事終わりで買い出しに行かなくて済むので、時間短縮になっています。とはいえ、お買い物も楽しいので、たまに保育園帰りにスーパーに寄って気分転換をすることもありますよ。
――いいサイクルですね。子育てしていて便利だなと思うサービスが他にもあれば教えてください!
橋本さん スマホに3つのタクシーアプリを入れていて、娘が体調を崩して病院に行かなければいけないときなどに、すぐタクシーを呼べるようにしています。タクシーの利用は少し贅沢かもしれませんが、子どもが小さい今の時期だけだと思うので、タイムパフォーマンス重視で今は積極的に活用しています。
日々の暮らしに小さなご褒美を散りばめる
――忙しい毎日の中で、ストレスを溜めずに暮らす秘訣ってどんなことだと思いますか?
橋本さん 実は今の会社に入る前から、ハーゲンダッツのアイスクリームが大好きで、ハーゲンダッツを食べることが自分へのご褒美だったんです。今も夕食後の家族団欒のときに、家族みんなでハーゲンダッツを食べています。あとは顔のパックをするのも癒しのひととき。休日は家族でスーパー銭湯に行くのも大好きです! もともと人に頼るのが苦手で、ストレスをためがちな性格なので、日々の生活に小さなご褒美を散りばめて、ストレスをこまめに発散するようにしています。
――こまめなストレス発散、いいですね! 最後に、橋本さんが子育てで楽しいと感じる瞬間を教えてください。
橋本さん 娘の「あっいいこと思いついた!」と言って、口先を尖らせて何かに熱中する姿を見るのが、たまらなく大好きなんです。私自身、一から企画を考え、沢山の方の力をお借りしてアイデアをカタチにするのが仕事なのですが、娘の自由な発想力には毎回驚かされます。柔軟な発想で楽しそうに何かに取り組む娘を見ていると、私も楽しんで頑張ろうという気持ちになり、仕事への活力ももらっています。
(取材・文:上野真依、撮影: 佐藤登志雄、イラスト:ぺぷり/マイナビ子育て編集部)