![出産・産後](/images/lazy_dummy.png)
産後ママの約8割が「精神的につらい」と回答。つらさのピークは「ある時期」に集中していることが判明
キッズラインは10月9日、子を持つ親を対象に実施した「産後のメンタルヘルスに関するアンケート」の結果を発表しました。
産後間もない時期に、精神的な辛さを感じたママが多数いることが明らかに
子どものいる母親に、産後の精神状態について当てはまる回答を選択してもらったところ、78.3%が「とてもつらかった(今思えば産後うつだったと思う)」「少しつらい時期があった(産後うつ傾向があったと思う)」と回答しました。
![産後の精神状態](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918618/sango01.jpg)
精神的につらかった理由として、最も多かったのは「睡眠不足による疲労感」(83.8%)でした。次いで「赤ちゃんの泣き声や夜泣きでの精神的な疲れ」(68.8%)、「自分の時間が持てないストレス」(67.8%)、「出産後の体力低下や体調不良」(56.6%)と続いています。
![産後につらさを感じていた理由や原因](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918620/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AB%E3%81%AA%E3%81%97.png)
「精神的につらかった時期」を尋ねると、44.1%が「産後2週間~1ヶ月」、39.7%が「退院後~産後2週間」と回答し、退院後〜産後2ヶ月の産後間もない時期に精神的負担がピークに達することが確認されました。
![精神的につらかった時期](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918622/sango03.jpg)
精神的につらさを感じた際、精神的な面を相談するために病院で医師の診察を受けたか尋ねたところ、「受けた」という回答は17.5%でした。受診しなかった理由は、「新生児を抱えて外出が難しかった」「産後の精神的な不調で受診すべきとは思わなかった」などが目立ちました。
![精神的につらいと感じた際、精神的な面を相談するために病院で医師の診察を受けたか](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918624/sango04.jpg)
産後のメンタルヘルスケアとして「これがあればとても楽になる」と思うケアやサービスについて聞いたところ、最も多かったのは「産後の外出や休息を取るための新生児ベビーシッター」(58.6%)でした。次いで「睡眠不足解消のための夜間育児サポート」(52.0%)や「家事代行サービス(掃除・洗濯・料理・買い物代行)」(47.1%)となっています。
![産後のメンタルヘルスケアとして「これがあればとても楽になる」と思うケアやサービス](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918626/sango05.jpg)
現在、東京都の一部市区町村では「東京都ベビーシッター利用支援事業」の「一時預かり事業」を通じて、ベビーシッター利用料金に対し1時間あたり最大2,500円の助成が受けることができます。利用用途を問わず、産後のサポートや親のリフレッシュなどでもベビーシッターを利用できますが、このような「利用用途を問わないベビーシッター利用助成は、産後に有効か?」という質問をしたところ、91.8%が「有効」と評価しました。
![利用用途を問わないベビーシッター利用助成は、産後に有効か](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918628/sango06.jpg)
今回の調査からは産後のメンタルヘルスについて母親たちの多くが課題を持っていること、それに対して母親が求める支援がまだ十分ではないことが明らかになりました。
このような実情を踏まえ、産後ケアの現状と課題について、医療と法律の観点から2人の専門家がコメントを寄せています。
【精神科専門医からのコメント】
●産後の不調は抱え込まず、周囲に助けを求めて心身の休息を
産後うつは多くの方が経験するものですが、あまり知られていないのが現状です。育児に追われる中で、自分のことは後回しにしてしまうママが多く、病院の受診が遅れてしまうことがあります。産後、辛い時には一人で抱え込まず、早めに精神科の医師にご相談ください。人に助けを求めることは決して悪いことではありません。シッターさんに頼って育児から離れ、リフレッシュすることは身体を休めることができるだけでなく、こころの安定にも繋がります。まずはご自身を大切にして、育児を楽しめるような環境を作って頂けるよう、心より願っております。
![精神科専門医 産業医 宮川 紫乃さん](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918630/sango07.jpg)
【弁護士からのコメント】
●産後のサポート不足は、家族の問題のみならず社会課題にも
弁護士として、離婚問題など家庭内で起きるさまざまな問題についてご相談いただく機会があります。そしてその問題の根底をたどっていくと、妊娠から産後にかけて生まれたという事例がしばしばあります。心身とも一番つらかったときに家族で助け合うことができなかった体験は心に傷となって残り、深刻な問題に発展するケースもあります。産後の問題は、置かれた環境や心身の状況等によっても異なります。一人一人の状況に応じた、細やかで温かい産後ケアの実現は、出産したご本人のみならず、生まれたお子さんやご家族の幸せに直結する社会課題だと感じています。
![弁護士法人Authense法律事務所 弁護士 高橋麻理さん](https://cdn.kosodate.mynavi.jp/uploads/content/image/918632/sango08.jpg)
調査概要
調査主体:キッズライン
調査期間:2024年9月27日(金)〜10月1日(火)
調査対象:子を持つ親 512名(女性492名、男性17名、無回答3名)
※男性はパートナーの産後の状況を回答
調査方法:インターネット調査
キッズライン
https://kidsline.me/
(マイナビ子育て編集部)