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2024年11月08日 11:35 更新

子育てを終えた親250人に聞いた「子どもにお金をかけてよかったもの」1位は?

2024年10月分から、児童手当が高校生まで拡充されます。そこでセレクトラ・ジャパンが運営するスマートマネーライフ編集部は、子育てが終わった親250名を対象に独自調査を実施しました。

子育てが終わった親250名を対象に独自調査を実施

児童手当は大学進学資金の準備に充てるべきとの意見が多数

2024年10月分から、児童手当は主に「所得制限撤廃」「高校生年代まで延長」「第3子以降は3万円」など大きな変更がありました。

それを踏まえて、スマートマネーライフ編集部は「子どもへのお金の使い道」に焦点を当てて徹底的に分析しています。

今、月額1万円が支給された場合の使い道は「大学進学への備え」が最多

子育てが終わった親が選ぶ児童手当の使い道ランキング

「子どもが中高校生だった時に、児童手当がもらえたら、何を優先するべき?」という質問に対して、児童手当は「教育関連」に使用するという回答者が68.4%を占めました。

続いて、「習い事」や「部活」が続きます。回答者数は少数ですが、これらの選択肢は「勉強以外に様々な経験をさせてあげたい」「こどもの得意分野を伸ばしたい。」といったような勉強以外の面を重視する回答者が集まりました。

1位から3位までの回答者のコメントを紹介します。

1位:大学進学のための貯蓄・投資 42%

大学進学には多額の費用がかかるため、早めに貯蓄や投資をして備える必要があると考える人が多い結果となりました。

回答者の子どもが中高生だったころ、特にお金をかけていた項目は「学習塾・予備校」が1位でしたが、意外と学費にお金がかかったという後悔の経験をもとに進学費用を選択していました。

・「県外の大学に進学させるのには思ったよりもお金が必要だった。できるだけ本人が希望する進路を選ばせてあげたいと思った」
広島県65歳女性/専業主婦・主夫/子ども2人大学院修了(修士)、大学院修了(修士)

一方で、「留学を希望していたので準備していた」といったように、前もって計画的に準備できていた家庭もありました。

・「高校卒業後留学の希望があったので、中学生の時から計画的に資金の準備をした。手当を他の用途に回さずその時子どもに必要が無くても積立ておく」
大阪府67歳女性/共働き(フルタイム)/子ども1人大学卒業

どちらの回答者にも、「子どもが希望する進路を金銭的な理由で諦めさせたくない」「選択肢を与えたい」という意見は共通して見えており、子育て世代に向けたアドバイスも計画的な資金準備が最重要視されています。

・「より多額の資金が必要な事項だから。将来までを見据えた教育には予定よりかかるを覚悟し貯蓄し、その他制度の利用や子どもの可能性を的確に認識して費用で諦める選択をせず、資格によっては借金しても取れれば数年で元が取れる。進学を含め教育は親が子に遺せる大事な財産となる」
福島県54歳女性/シングル/1人大学卒業

2位:学習塾・予備校 26.4%

2位は学習塾・予備校でした。「身になるもの」「志望校合格のため」といったような、「子どもの目標や課題を達成するためのサポートとして有効な使い道になる」と考えて塾を選択した回答者が目立ちました。

・「基礎学力の向上と志望校の合格の為。なるべく本人に身につくものがベスト高校進学の際自分の選びたい高校が増えてよかった」
愛知県65歳男性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:高等学校卒業、高等専門学校卒業

また、月額1万円という児童手当の金額からしても、「塾代に充てるのが妥当」という考え方もありました。

・「学校教育だけでは不十分と思うから。限られた予算を選択的かつ集中的に使うのがいいと思う」
長崎県68歳男性/シングル/子ども2人:大学卒業、大学卒業

3位 習い事(音楽、スポーツ、芸術など)8%

進学の費用や学習塾など、進学に関わる教育関係に回すとした回答者が多数だったため、3位の習い事は上位2項目と比べると一気に回答数が減ります。

しかし、「子どもの個性を尊重」「勉強以外の自己実現」など、学業以外の分野で幅広く経験を積むことを重視した回答者が集まりました。

・「目先の受験に捉われず、長い人生を楽しむため、また、苦しい時にも拠って立てる基盤を作ることが出来れば大きな財産となるから。社会に出て実感することは、確かに学歴で差が付く面はあるものの、大学入学時にピークを迎えたような人材では、ほぼ活躍出来ないことが明らかなので、人としての厚みを増し、引き出しを多くすることが大切だと思います」
茨城県64歳女性/共働き(どちらかパート)/子ども2人:大学卒業、専門学校卒業

子育てを終えた親が、子どもが中高生時に特にお金をかけたものは?

ここまで回答者のアドバイスが中心でしたが、ここから「回答者自身の子どもたちが中高生だったころ、何に費用をかけてきたのか?その費用をかけてよかったのか?」といった回答者自身の「経験」についての調査結果を紹介しています。

特にお金をかけた項目トップは「学習塾・予備校」と回答

特に費用をかけた費用項目トップ1は「学習塾・予備校」

回答者の子どもが中学生・高校生だったころ、特に費用をかけた項目は「学習塾・予備校」がトップでした。

「学習塾・予備校」を選択した多くの回答者が、学習塾・予備校は大学や希望する学校への進学に向けて必要な学力を養うために利用したと答えています。

「受験対策」「大学進学のため」「志望校の合格のため」子どもの具体的な目標を叶えるためとして費用をかけています。

進学・受験対策のため:
・「中高一貫校から東大及び医学部を目指していたため、弱い教科に応じて塾や予備校を選んで通わせていた」
・「希望する大学へ合格するために必要な支出で、その費用をかけたことによって目的が達成できたから」

学校教育の補完として:
・「学校の授業だけでは足りないと思ったので、学習塾を選んだ」
・「学校の学習だけでは足りないから」

子どもの意志の尊重:
・「本人が自ら塾に行きたいと言ってきたため」
・「本人がやる気を見せたのでお金をかけた」

お金をかけて良かったと思う費用項目:「海外・ホームステイ」「進学のための貯蓄投資」

次に、各費用についてどのくらいお金をかけて良かったと思ったかについて調査をしました。

お金をかけて良かったと思う費用項目:「海外・ホームステイ」「進学のための貯蓄投資」

おおよそすべての項目で「とてもよかったと思う」または「よかったと思う」といった回答になりました。

海外・ホームステイ
海外・ホームステイに特に費用をかけたとした回答者は25名で全体回答者の10%でした。さらに「グローバルな視点を持ってもらえた」「自分のことは自分で決めるようになった」と、お金をかけただけよかったと思う回答者の割合も高い傾向にありました。

しかし、「海外・ホームステイ」に費用をかけた25名の回答者に関しても、「もしいま児童手当を使えるなら」という質問では、40%が「進学のための貯蓄・投資」を選択しています。やはり資金準備は重要だと実感していることがわかります。

進学のための貯蓄・投資
次に、「進学のための貯蓄・投資」に特に費用をかけた回答者は176名で、全体の70%を占めます。それでも費用をかけてよかったと感じている回答者が多く見られました。

さらに、「もしもいま児童手当を使えるなら」という質問でも、176名中87名と約50%が「進学のための貯蓄・投資」を選択しています。

子育てを振り返って:子どもに影響を与えた費用項目

特に費用をかけた1位〜3位の項目がどの程度子どもに影響を与えたのでしょうか。回答者の自由回答をもとに、スマートライフ編集部にて費用の影響の種類を4つに分類しました。

各分類ごとに、回答者が特に費用をかけた項目を集計し、全体の有効回答者数(245名)との割合を求めました。この割合から、影響力の高い費用項目を分類ごとに紹介しています。

子育てを振り返って:子どもに影響を与えた費用項目

直接もしくは間接的に進路・職業選択への効果があった費用項目

直接もしくは間接的に進路・職業選択への効果があった費用項目

直接影響した項目と、間接的に影響した項目については、3位の「大学進学のための貯蓄・投資」がもっとも回答人数が多くなりました。全体回答者数に対して特に割合が大きかったのは、「資格取得のための講座・検定」、「テクノロジー機器の購入」でした。

成長・人格形成に対して影響があった費用項目

成長・人格形成に対して影響があった費用項目

成長・人格形成に影響した項目は、1位が「海外留学・ホームステイ」となりました。「部活動」や「習い事」もランクインしています。これらの項目について、コミュニケーション能力や頑張る力など、勉強や進路に影響があったとの回答が寄せられました。

3.ファイナンシャルプランナーが解説!「子どもの年齢別のおすすめ使途」

回答者より、ここまで大学進学に備えるべきというアドバイスが目立ちましたが、本当に気になるのは「実際、月1万円で何ができる?」ということ。

保険・貯蓄・投資などの進学資金を用意するための方法別のメリットデメリット、さらにどれだけ運用期間があるかによっておすすめ手段は変わります。ファイナンシャルプランナー専門家吉野祐一さんよりアドバイスが寄せられています。

方法別(保険・貯蓄・投資)のメリットとデメリット

まず月額1万円の使い道としてどのような方法があるのでしょうか。代表的な方法とそのメリットデメリットを紹介します。

子どもの成長に合わせたベストな使い道

子どもの成長に合わせたベストな使い道

1万円追加でできる家計の見直しポイント

大学進学時の費用が大きくなることで、長期での積み立てを行うことが大切になります。

子どもが小さいころから準備ができるのであれば、積極的に運用を行い、インフレ率よりも高い利回りを確保することで、実質でも資産を増やしていけ ることになります。

大学進学で考えなくてはいけないのは、学費だけではなく、家元を離れて大学に通う場合には、アパートや寮の費用、子どもの食費や光熱費など、出費が多くなります。もちろん子どもの人数が増えれば、さらにお金が必要になります。

額面だけに捉われず、実質の価値を考えた準備方法も必要です。

まず収入から余った分を貯蓄するのではなく、目的に合わせた貯蓄を優先して余った分で生活していくことも 考えて資金計画を行いましょう。

調査概要

調査期間:スクリーニング調査:2024年10月20日/本調査:2024年10月21日〜22日
調査対象:スクリーニング調査:2,000名(男性:1,440名、女性:560名)/本調査:250名(男性:155名、女性:95名)
調査手法:インターネット調査
調査会社:アイブリッジ
調査結果URL:児童手当が高校生まで拡大|子育てを終えた親250名が語る「優先すべき費用」


セレクトラ・ジャパン公式サイト

(マイナビ子育て編集部)

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