共働き夫婦 共働き夫婦
2026年03月10日 17:31 更新

眠る妻と長男を置いて出社した日の後悔が忘れられない。パパが挑んだ半年間の育休生活 #男性育休取ったらどうなった?

育児休業を経験し、子育てに奮闘している当人の声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。今回は第二子の誕生とともに半年間の育休を取得して、復職したパパのインタビューをお届けします!

パパが半年の育休を取得した近藤ファミリー

今回のパパ
近藤尚斗さん/37歳/コスモエネルギー開発株式会社 企画管理部 計画グループ

●ご家族
妻:実沙さん/34歳/会社員
長男:櫂くん/7歳
長女:皐月ちゃん/1歳9カ月  

※ご家族の名前は仮名です。

●近藤家のパパ育休
2024年5月、第二子となる長女が誕生。6月1日から11月30日まで半年間の育休を取得。現在は長女が保育園に入園し、パートナーの実沙さんも復職済み。コスモエネルギーグループの石油開発事業会社で主に経理業務を担当し、現在は週3程度のリモート勤務&フレックスタイム制を生かしながら、仕事と育児の両立をしている。

近藤さんの育休中のタイムスケジュール

■第一子育児での強烈な後悔

――近藤さんは第二子の皐月ちゃんが生まれたときに半年間の育休を取得されたそうですね。育休を取得した理由を教えてください。

近藤さん 赤ちゃんの成長をすべて見届けたい、育児や家事を夫婦で分担したい、お互いの実家が遠く頼れる環境にないなど、理由はいくつかあるのですが、一番大きかったのは「第一子の誕生のときに取得できなかった後悔」ですね。息子が生まれた2019年当時は、私がちょうど今の会社に転職した直後で業務の習得に忙しく、育休を取れる状況にありませんでした。

――転職直後だと、なかなか「休みます」とは言い出しにくいですよね。

近藤さん そうなんです。また当時はコロナ前で、毎日出社しており帰宅時間が遅くなることが多かったです。そのため妻に極端に負担が偏っていました。ある日、妻がどうしても朝に起きられない日がありました。でも、自分もやらないといけない業務があって朝から出社しなければならない。 どうしたと思います?  私は座ることができるようになってまだ間もない息子をベビーチェアに乗せ、動かないようにベルトをし、そのまま会社に行ったんです。

――ええっ!? 

近藤さん 今振り返ると異常事態ですよね。その後、妻が泣きながら電話をかけてきて……。そこでハッと我に返りました。「やってしまった、これはダメだ」と、急いで家に戻りました。当時の強烈な心残りがあって、「2人目は絶対に育休を取る。それも中途半端な期間じゃなく、しっかり取る」と心に決めていました。

――そんなエピソードがあったのですね……。それで今回は満を持しての半年間だったと。

近藤さん はい。私の仕事は経理なのですが、決算業務が5月末で一区切りつくので、繁忙期を避けた6月からなら職場への影響を最小限にできるかなと考えました。12月復帰は育休中のキャッチアップをして次の決算に向けて準備するのにもちょうどいいタイミング。妻も「なるべく長く取ってほしい」という希望だったので、夫婦の意見が一致していましたね。

――育休の取得希望を会社に伝えたのはいつごろでしたか。

近藤さん 早めの環境調整が大事だと考え、妻の妊娠がわかってすぐに人事と上司に相談しました。上司からは育休取得に背中を押してもらい、私の不在中は派遣社員の方に入っていただくことになったのですが、一般的な事務の方ではなく、経理に特化したプロフェッショナルな人材をお願いすることに。コストはかかりますが、即戦力となる方を採用してもらうことで、現場の負担を最小限にできたと思います。会社側も快諾してくれて、非常に手厚くサポートしてもらえました。当社グループ全体の男性育休取得率は74%(2024年実績値)で、男性が育休取得することを後押しする文化が根付いていると感じます。

――それは心強いですね。実際の引き継ぎはスムーズにいきましたか?

近藤さん はい。その派遣社員の方には早い時期から入ってもらい、5カ月間かけてOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング:実際の業務を行いながら、仕事を教えること)でみっちり引き継ぎを行いました。 経理業務・決算業務は3カ月サイクルの積み重ねなので、私の仕事を二人三脚で進め、ノウハウやコツをすべて伝えていきました。部署のメンバーからも理解を得られ、業務が円滑に回る体制を事前に整えてもらい心強かったです。

「育休中に美瑛・富良野へ。 息子が年長で小学校に入る前だったので、平日にのんびり旅行に行ける最後のチャンスかも?と思い行きました」(近藤さん)

■新生児期に入院、生後半年まで4回の体調トラブル

――育休を取得されたのは6月からということですが、ちょうどその時期に皐月ちゃんが誕生されたのでしょうか?

近藤さん いいえ。娘が生まれたのは、5月です。妻と生まれたばかりの娘は実家に里帰りし、私は東京の自宅に残って、保育園に通う5歳の息子と2人暮らしをしていました。平日は息子を保育園に送り迎えし、週末になったら2人で電車に乗って妻と娘に会いに行く、という生活でした。そんな離れ離れの時期に、娘が「尿路感染症」で入院することになってしまって……。

――生まれてすぐに入院されたのですか?

近藤さん 生後1カ月経たない新生児の頃です。さらに東京に戻ってきてからも、6月末に今度は「手足口病」にかかって入院。退院したと思ったら8月に2回目の手足口病、9月に謎の高熱……。生後半年までの間に、体調トラブルが4回もありました。

――それはそれは……。もしも育休を取っていなかったらと思うとゾッとしますね。

近藤さん 本当にそうです。6月末の入院のときは、私も病院で付き添いをしました。息子のケアもありますし、妻の産後の体調も万全ではない中、もし私が育休を取れていなかったら、どうなっていたのか……。あのタイミングで休んでいて本当によかったです。

「兄と同じポーズができて、妹がニッコニコ!」(近藤さん)

■家事を徹底的に合理化し、外部サービスをフル活用!

――大変な看病もありつつ、普段の家事育児はどのように分担されていたのですか?

近藤さん 基本的に、妻にしかできない授乳以外は、全部私がやるスタンスでした。 ただ、自動化できるところはすべて自動化しましたね。食洗機やロボット掃除機、食材宅配など活用できるものはフル活用しました。
宅配で購入するのは、ミールキットが多かったです。野菜がカットされていて調味料も入っているものですね。数日分の食材とレシピが届く宅配も試したんですが、「今日は野菜の半分を使って、残りは明日使う」みたいな在庫管理が難しくて……。その点、ミールキットはその場で使い切りなので楽なんです。 掃除はロボット掃除機におまかせ、洗濯はドラム式で乾燥まで終わらせる。干すとしても浴室乾燥を利用していましたし、今もそうです。

――徹底的な合理化ですね!

近藤さん そうですね。ただでさえ忙しいので、そうしないと回らないんです。

――家事以外の面で課題はありましたか?

近藤さん 課題ではないのですが、妻は不規則な睡眠で頭痛になることがあるため、睡眠がよくとれるように心がけました。

――子どもが小さいうちは、親が十分な睡眠を確保することは至難の業ですよね。

近藤さん 幸い、娘は早いうちからよく寝てくれる子でした。夜中のおむつ替えなどは自分が担当することも多かったですね。私自身、子どもが泣いたり、モゾモゾ動いたりすると気付ける方だったため、サッと起きておむつを替えて、母乳育児だったので授乳が必要なときは妻にバトンタッチして……。妻が夜中に起きたときは、翌日の昼に寝てもらったりしていましたね。

「ダイニングテーブルの下にクリアマットを敷いています。何を落とされても床の傷・汚れを気にする必要なく全く焦りません。掃除も楽です」(近藤さん)

■上の子との仲も深まった育休期間

――櫂くんのケアについても教えてください。赤ちゃんが生まれて不安定になったりはしませんでしたか?

近藤さん 「赤ちゃん返り」の一種なんでしょうけど、普段なら自分でできる着替えや食事を「できない〜、やって〜」と甘えてくることはありましたね。実は今でもたまに言ってきますが……(笑)。
当時、息子は保育園の年長でしたが、育休期間中は規定でお迎え時間も早まり、16時半に迎えに行っていたんですね。その時間だと息子もまだまだ元気なので、 帰りに公園によく行っていました。

――お兄ちゃんとしての成長も感じられましたか?

近藤さん そうですね。育休中は早く家に帰る分、家族の時間が増えるので、妹の面倒をよく見てくれるようになりました。今では2人で子ども部屋で何やら遊んでいたりして、その隙に親が家事を済ませられるので助かっています。まあ、最終的には喧嘩もしちゃうんですけど(笑)。

「子どもの成長を記した育児日記。自分も一緒に記録していました」(近藤さん)

「楽しさは2倍、負担は半分」

――半年間の育休を終えて、職場復帰されてからの生活はいかがですか?

近藤さん 現在も、育休中に築いたスタイルをベースに夫婦で家事・育児を回しています。今はフレックスタイム制とテレワークを活用中です。当社は7時間半勤務で、テレワークの日は9時〜17時半の勤務が基本ですが、出社の日で保育園の送りがある時は9時半出社とすることもあります。
また、子どもの塾の送迎の日だと、フレックスタイム制を活用して、例えば15時半に一度仕事を切り上げ、子どもの送迎が終わったら仕事に戻るといったこともしています。 勤務時間が足りないときは、子どもが寝た後に少し仕事をして調整することもあります。周囲の人も同じように生活スタイルに合わせて柔軟に働いており、会社全体の理解があるのがありがたいですね。

――最後に、これから育休を取ろうか迷っている男性へメッセージをお願いします。

近藤さん 子育ての全容を理解したり、子どもの成長を見届けるためにも、できれば3カ月以上をおすすめします! 「楽しさは2倍、負担は半分」。この言葉通り、夫婦で笑い合える未来のために、ぜひ勇気を出して長期取得にチャレンジしてほしいですね。

「1歳半ごろの娘。ごはんのフーフーを待ちきれずに身を乗り出しています!」(近藤さん)

(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-