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2026年01月01日 16:01 更新

「こんなに大変なんだ」想像以上だった産後のリアル。家族と向き合った3カ月で得られたものは #男性育休取ったらどうなった?

育児休業を経験し、子育てに奮闘している当人の声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。3カ月の育休を取得したパパの、復職後ほやほやのインタビューをお届けします!

パパが3カ月の育休を取得した西崎ファミリー

今回のパパ
西崎陽平さん/33歳/SOMPOひまわり生命保険

●ご家族
妻:結衣さん/39歳/SOMPOひまわり生命保険
長男:陽向くん/6カ月
※名前は全員仮名です。

●西崎家のパパ育休
2025年8月に第一子となる長男が誕生。3カ月の育休を取得。在籍するSOMPOひまわり生命保険は男性育休の取得率100%(2024年度)。「ひまわり育休応援制度」など、子育て中の社員を支援する制度も充実している。その中で陽平さんは、新規サービスの企画を担当する事業企画グループに所属。妻の結衣さんも同じ企業に勤めており、現在は育休中。

西崎さんの育休中のタイムスケジュール

■陣痛のスタートから妻に寄り添うことができた

――3カ月間の育休を取ろうと思ったきっかけを教えてください。

西崎さん 妻の妊娠中に話し合う中で、「そばにいてほしい」という要望がありました。自分自身も妻を支えたい気持ちが強く、思い切って3カ月の育休を取得することにしました。さらに有給休暇も組み合わせ、出産予定日の1週間前から休みに入りました。

――陣痛が来たときも、結衣さんと一緒にいられたのでしょうか?

西崎さん はい。深夜0時を過ぎたころに陣痛が始まり、あらかじめ登録していた陣痛タクシーで病院へ向かいました。そのまま夜を一緒に過ごし、子どもが生まれたのは朝の9時前です。

――生まれた瞬間はとても感動されたのではありませんか?

西崎さん もちろん、感動したのですが、それ以上にまずは「無事に生まれてくれてよかった」という安堵のほうが大きかった、というのが正直な感想です。
 というのも、途中で医師から「赤ちゃんが少し苦しそうだからお産を急がないといけない」という話が出る緊迫した局面もあり、ずっと「大丈夫かな」「無事に生まれてきてくれるだろうか」と不安が頭から離れなかったんです。最終的には無事に生まれ、妻がバースプランに書いていた「夫にへその緒を切ってほしい」「夫に最初に抱っこさせてほしい」という願いも叶えることができました。

――本当に良かったですね! 結衣さんも、陣痛が来た最初の段階から西崎さんがそばにいて、とても心強かったのでは?

西崎さん そうですね。結果として深夜に陣痛が来たので、育休中でなくても対応できたとは思いますが、もし日中の仕事をしている時間に始まっていたら、すぐに駆けつけるのは難しかったはずです。そう考えると、予定日前から休みに入っていたことはやっぱり良かったと思います。妻からも「そばにいてくれて良かった」と言ってもらえました。

「かわいい写真や面白い動画が撮れたときは夫婦ですぐ共有します」(西崎さん)

■「こんなに大変なんだ…」産後のリアルを目の当たりに

――出産後の結衣さんのご様子はいかがでしたか?

西崎さん 妻の体のダメージは、正直、想像以上でした。というより、出産前の自分は「具体的に想像できていなかった」と言ったほうが正しいかもしれません。出産は無痛分娩でしたが、会陰の傷はありましたし、お手洗いに行くだけで痛そうで、少し動くだけでもつらい様子でした。入院は4日ほどでしたが、その間はほとんど動けなかったんです。
 退院後も、体力面・精神面ともに回復には時間がかかりました。最初の1カ月はホルモンバランスの影響と、妻の完璧主義な性格が相まって、思ったように家事や育児ができないことにイライラし、突然泣いてしまうなんてこともありました。

――そういった結衣さんに対し、何か対処されたことはありますか?

西崎さん 話を聞くことを意識しました。ただ、喋りたくないときもあると思うので、そういうときはそっとしておいて、子どもの面倒を見たり、家事をやったり、他のことをしていましたね。また、改めて感謝を伝えるようにもなりました。これまで当たり前のようにやってもらっていたことでも、当たり前じゃないよなと感じたんです。
 3カ月という期間を取って、妻と子どもの様子を間近で見られたことは自分にとってとても大きな経験だったと思います。おかげで「子どもを産むって、こんなにも大変なことなんだ」と受け止めることができました。

「子どものお食い初めを家でしました。お祝い膳は妻が用意してくれました!」(西崎さん)

■完全母乳でも夜中は一緒に起きてできることを担当

――育休中、家事・育児の面ではどんなことに苦労されましたか?

西崎さん 育児はすべてが初めてだったので、最初は苦労しました。おむつ替えもそうですし、うちは完全母乳なので、赤ちゃんが泣いたら妻が授乳して、そのあと僕がゲップをさせて……と、ひとつひとつはなんてことのない作業なのかもしれませんが、どれも頻回ですし、積み重ねなんですよね。具体的に「これが大変」というよりは、1日中ずっと「何かしらやっているのが大変」だったと思います。体がつらい中で昼夜問わずにこなしている妻のことを心からすごいなと思っていました。

――夫婦でどのように分担されていましたか?

西崎さん 育児で言えば、授乳以外はできるだけやるようにしていました。また、家事は料理以外のことを、基本私が担当するようにしました。ただ、料理は妻の方が得意なので、大丈夫かな?と思いつつもお願いしていたんです。しかし保健師さんが訪問してくださったときに「こんなに動いちゃダメ!」と注意されてしまいまして……。それからはミールキットを使ったり、レンチンで食べられるものを取り入れたりするようになりました。

――新生児だと夜も頻回に起きて、授乳する必要がありますね。深夜帯も夫婦ともに赤ちゃんに合わせて起きていたのですか?

西崎さん はい、一緒に起きていました。先ほどお伝えしたように、うちは母乳のみなので、ミルクを作る作業はありません。その分、それ以外のところはできるだけ僕が請け負うようにしていました。
 例えば、赤ちゃんが泣いて起きたら、まず僕が起きておむつを替える。 そのあと妻が授乳して、終わったらまた僕がゲップと寝かしつけをする。この一連の流れを、夜中は繰り返していましたね。

――大変でしたね。寝不足にならなかったですか?

西崎さん もちろんなります。でも、「妻が頑張っている」と思うと、自分が弱音を言うことはできないな……と、そんな気持ちでした。どうしても眠くて昼間に仮眠をとることはありましたが、なるべく協力しながら乗り切るようにしていました。

「最近の息子。うつ伏せの練習を頑張っています!」(西崎さん)

■支えてもらったという感謝の気持ちが今の仕事の原動力

――復職のときのことをお聞かせください。

西崎さん 復職してまず感じたのは、「恩返しがしたい」という思いでした。
 初めて育休を検討し出した頃は、育休を取得したいと思っている半面、担当していた業務から一時的に離れることへの葛藤も正直言ってありました。しかし、上司から「立場としては早く戻ってきてほしいけれど、人生の長い目で見れば、今は育休を取ったほうがいい。こちらのことは任せて」と声をかけてもらったんです。
 その言葉で背中を押され、迷いが消えました。グループには小さな子どもを育てているメンバーも多かったですし、また、そうではない方も含め、皆さんが温かく送り出してくれたおかげで、安心して育休に入ることができました。こうした周りの皆さんの支えに対する感謝が、復職後の仕事の原動力となっています。

――育休で得た経験が、仕事に生かされていると感じることはありますか?

西崎さん あります。育児を通して「相手の立場で考える力」がより磨かれたと感じています。赤ちゃんって泣くことしかできないじゃないですか。3カ月ずっと子どもに向き合っていると、泣き方で「おむつが濡れているのかな」「お腹が張ってるのかな」みたいに、何が理由なのかだいぶ見分けられるようになってきて。
 子どもの様子をよく観察し、「多分こうだな」と考える習慣がついたことで、仕事でも“相手は今どう感じているのか”を以前より自然に想像できるようになったと思います。

――復職後、仕事と育児の両立はどのようにされていますか?

西崎さん 復職してからは、仕事の進め方を一から見直しました。今もなるべく19時前には家に帰れるようにしていて、そのために何ができるのかを常に考えながら動いています。子どもが生まれる前も、もちろん「時間」への意識はありましたが、振り返れば、もっとうまく回せる部分があったと思いますし、今はより具体的に考えて、実行できるようになったかと思います。
 ただ、育休中に比べるとどうしても妻や子どもと関わる時間が減るので、帰宅後の夕食のときは妻の話をよく聞くようにしたり、週末に育児を頑張ったりしています。また、子どもが寝たあとは自分たちの時間にあてているので、妻と一緒に動画のサブスクで映画を見ることもあります。

「3カ月の育休を終えたときに妻が『一緒にいてくれて本当に助かった』『あなたがいなかったら乗り切れなかった』 と言ってくれて。その言葉で、“取って良かった”と心から思えました」(西崎さん)

■育休は“仕事を休む時間”ではなく、”家族と向き合う時間”

――育休を取得して良かったことはどんなことですか?

西崎さん やっぱり「子どもの変化を間近で見られたこと」です。新生児から3カ月って、とにかく成長スピードが速いですよね。今は復職しましたが、復職後の1カ月間でも声を出して笑うようになったり、表情が豊かになったり、とにかく全然違いました。
 自分が帰宅したときにニコッと笑ってくれるのも、育休中にたっぷり一緒にいた時間があったからこそだと思っていますし、たくさんの「初めての瞬間」に立ち会えたことは、この先もずっと忘れないです。

――これから育休を取得するご夫婦や、検討中のご夫婦にメッセージをお願いします。

西崎さん 育休は“仕事を休む時間”ではなく、“家族と向き合う時間”だと感じています。僕の場合は3カ月という期間でしたが、期間の長さに正解はなく、大切なのはパートナーと納得して決めることです。数日でも3カ月でも、自分たちらしい形で過ごすことが一番だと思います。迷いや不安はあって当然ですが、振り返るときっと「取ってよかった」と心から思えるはずです。

(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)

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