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2026年01月29日 11:31 更新

育児で「自分も成長した」父親が9割超! 一方で3人に1人が抱える“孤独”の正体とは。令和のパパを追い詰める「相談先の欠如」

花まるグループ(こうゆう)は、教育・子育てを取り巻く社会課題を調査・研究し、発信することを目的に「花まる教育研究所」を設立しました。

「父親の育児に対する意識や悩みに関する実態調査」

同研究所の第1弾の取り組みとしてこのほど、関東在住の父親223名を対象に「父親の育児に対する意識や悩みに関する実態調査」を実施しました。

変化する時代における「父親の育児」、その意識や悩みとは?

AIの進展や雇用環境の変化により、将来の予測が難しい時代となる中で、学力や肩書きだけでなく、「思考力」「やるべきことをやり抜く力」「人間関係を築く力」といった、時代を超えて通用する力が改めて問われています。

同研究所は、こうした変化の時代における教育と家庭の役割を、現場での実践とデータの両面から捉え直すために設立されました。

第1弾の取り組みとして実施された今回の調査。どのような結果が得られたでしょうか。

意欲的になったきっかけ1位は「子どもの成長実感」

意欲的になったきっかけ1位は「子どもの成長実感」

育児に意欲的になったきっかけについて、「子どもの成長を間近で感じたいから」(82.5%)が最も多く、次いで「自分の成長や学びにつながると感じたから」(50.7%)、「妻や家族から感謝されたから」(21.5%)でした。

制度や周囲からの要請ではなく、実際の育児体験を通じて父親自身の内側から意欲が高まっていく様子がうかがえます。

育児を通じて「自分自身が成長した」と感じる父親が9割超

育児を通じて「自分自身が成長した」と感じる父親が9割超

育児を通じて「自分自身が成長した」と感じている父親は9割(92.4%)を超えました。

育児は子どもの成長だけでなく、父親自身の価値観や物事の捉え方、人との向き合い方に影響を与える経験となっていることが示されています。

育児の喜びトップは「子どもの成長を実感したとき」が約9割

育児の喜びトップは「子どもの成長を実感したとき」が約9割

育児の中で喜びを感じる瞬間として最も多かったのは「子どもの成長を実感したとき」で、約9割(87.4%)にのぼりました。

次いで「子どもと一緒に笑い合えたとき」(78.5%)、「家族との絆を感じたとき」(58.7%)が続き、日常の積み重ねや時間の共有に価値を見出す父親の姿がみられました。

約3人に1人の父親が「孤独を実感」している

約3人に1人の父親が「孤独を実感」している

孤独感については、約3人に1人の父親が「感じることがある」と回答。育児参加が進む一方で、悩みや不安を十分に共有できず、家庭内で抱え込んでしまう父親の姿がみられます。

9割超が育児の悩みを抱える実態、前向きでも「悩みは常態化」

9割超が育児の悩みを抱える実態、前向きでも「悩みは常態化」

育児に関する悩みについては、9割超(95.0%)の父親が「ある」と回答しました。

9割超が育児の悩みを抱える実態、前向きでも「悩みは常態化」

悩みを感じたことが「よくある」「時々ある」と回答した父親212名に具体的な場面を尋ねたところ、最多は「夫婦関係がうまくいかないとき」(59.0%)でした。

次いで、「子どもが言うことを聞かないとき」(52.8%)、「子どもの人間関係やメンタル面が心配なとき」(39.6%)、「子どもの気持ちがよく理解できないとき」(35.8%)が続き、子どもとの関係性や向き合い方に悩む父親の姿が浮かび上がりました。

また、「仕事と育児の両立にプレッシャーを感じるとき」(31.1%)、「家事・育児分担にストレスを感じるとき」(31.1%)といった、生活や働き方に関連する悩みも3割超にのぼっています。

一方で、「相談できる相手がいないとき」(13.2%)と回答した父親も一定数存在し、悩みを抱えながらも十分に吐き出せない状況がうかがえます。

これらの結果から、育児に前向きな父親であっても、夫婦関係・子どもとの関係・仕事との両立といった複数の課題が重なり合い、日常的に悩みを抱え続けている実態が明らかになりました。

相談相手1位「妻」、2位「職場の同僚・上司」、3位「両親」

相談相手1位「妻」、2位「職場の同僚・上司」、3位「両親」

育児をする上での相談相手の最多は「妻(パートナー)」で84.8%でした。次いで、「職場の同僚・上司」(33.6%)、「両親(実母・実父)」(29.1%)が続き、父親の育児に関する相談先は、家庭内や日常的に接点のある身近な関係に集中している実態が明らかになりました。

一方で、「相談する相手はいない」と回答した父親も約1割(9.4%)存在しており、一定数の父親が悩みや不安を誰にも打ち明けられない状況に置かれていることがわかりました。

育児を通して父親が感じていること・社会に伝えたいこと(自由回答)

自由回答では、育児を通じた自己成長の実感や、仕事や人間関係への影響、社会的理解を求める声などが寄せられました。

・「職場でメンバーと良好なコミュニケーションを築くことと育児は似ていると思う」(30代男性/年中(女子), 年長(男子))
・「育児を通して、自分自身が成長している事を感じる。そして、両親への感謝。」(40代男性/小2(女子))
・「男性の育児がどんなに過酷か社会的に知ってもらいたい。」(50代男性/年少(女子)、小3(男子))
・「子育てをするまで自分がこんなに他者に対して「怒る」人間だと知らなかった。子どもに対して必要以上に感情的に反応してしまうのは、できると期待しすぎた裏返しなのか、自分でも不可解なほど。」(40代男性/小1(男子))
・「育児休業の取得等父親の育児へ関与が以前より求められるなか、仕事に追われて育児を妻に任せきりになっている身としては、より父親が育児に参加しやすい社会になると良いと思います。」(30代男性/年少未満(女子))
・「自分が子どもの頃と比較して保護者間の繋がりが全くないなと痛感しています。子の仲良い友達の親御さんがどんな方か、近所付き合いもないため分からない。学校での活動や情報も保護者コミュニティが希薄なため、PTA運営部に所属したが、それでも中々分からないことが多い。」(40代男性/小3(男子)、小6(男子))
・「私にとっては職場がもっとも大きな社会的集まりですが、その中では独身や子どものいないミドルエイジが多く、少子化を感じています。私自身、子どもができるまでは子どものいる生活がまったく想像できませんでしたので、子ども中心になっている私の生活が彼らには理解されないだろうと想像しています。この、子どものいない人たちといる人たちとの間にある壁が少しでも取り除かれ、社会全体で子どもを育てる状況が少しでも実現されればと感じています。」(40代男性/年長(男子)、小3(女子))
※( )内は回答者の年代/子どもの性別・学年

考察(花まる教育研究所 所長 高濱 正伸氏)

今回の調査から、父親の育児参加は「やらされるもの」から、自ら関わり、学び、成長を実感する営みへと大きく変化しつつあることが明らかになりました。9割を超える父親が、育児を通じて「自分自身が成長した」と感じている点は、これまでの子育て観を転換する重要な兆しだと受け止めています。

一方で、前向きに育児に関わる父親ほど、悩みや不安を一人で抱え込みやすいという実態も浮かび上がりました。夫婦関係、子どもとの向き合い方、仕事との両立といった複数の課題が重なり合う中で、3人に1人が孤独を感じている現状は、個人の努力だけでは解決できない、社会構造の問題だと考えています。

特に、相談相手が妻(パートナー)に集中している点からは、父親が家庭の外で安心して悩みを共有し、立ち止まれる場が極めて少ないことがうかがえます。育児は本来、試行錯誤や葛藤を伴う営みです。人はそうした過程を乗り越える中で成長していく存在であり、今回の調査で見えた父親の孤独や悩みも、その過程を支え合う関係性や環境が十分に整っていないことの表れだと感じています。だからこそ、弱さや迷いを語り合える関係性や環境を、社会としてどう整えていくのかが問われています。

花まる教育研究所では、こうした現場の声とデータをもとに、家庭や教育、社会のあり方を見つめ直し、次の時代に必要な子育て・教育の土台づくりに貢献していきたいと考えています。

調査概要

調査対象:子どもをもつ30代〜60代以上の父親(※)
調査実施日:2025年11月16日〜 2025年12月14日
有効回答数:223名
※以下の講演会参加者へアンケート調査を実施
「父親だからできること ケーススタディ編」(2025年11月16日(日)/東京開催)
https://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/news/2025/07/28440/


こうゆう
https://www.hanamarugroup.jp/

(マイナビ子育て編集部)

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