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2026年05月04日 17:31 更新

実体験がないと見えにくい家事育児の解像度が、確実に上がった。育休取得後のパパの変化 #男性育休取ったらどうなった?

育児休業を経験し、子育てに奮闘している当人の声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。今回は第二子誕生の際に、男性育休を取得し、職場第一号の事例となった大学勤務パパのインタビューをお届けします!

第二子の出産時に1ヶ月半の育休を取得した長山ファミリー

今回のパパ
長山雄介さん/43歳/文京学院大学勤務

●ご家族
妻:花織さん(44歳)会社員
長男:翔くん(8歳)
長女:莉子ちゃん(5歳)

※名前はすべて仮名です。

●長山家のパパ育休
2020年5月中旬から7月初旬までの約1ヶ月半、第二子誕生時に育休を取得。文京学院大学における男性職員の育休取得・第1号となる。共働き。家庭では妻の花織さんと協力し、家事育児に励む毎日を送る。

長山さんの平日のタイムスケジュール(現在)

■第二子の出産時に育休を取得。職場の男性育休取得者、第一号に

── 長山さんが男性育休を取得しようと思ったきっかけを教えてください。

長山さん 一番の理由は、新型コロナウイルスによる影響です。第二子の出産が迫っていた2020年の春、緊急事態宣言が発令されました。長男の通う保育園から「登園自粛」を伝えられ、自宅で面倒を見なければならなくなったんです。
当時はどこへ行くにも「密」を避けなければならず、買い物すら家族全員で行くのが難しい。 その状況で、妻が新生児と3歳児を自宅で一人で見守るのは、物理的にも精神的にも限界があるだろうと判断しました。 第一子の時は妻が1ヶ月ほど里帰りをしましたが、コロナ禍では感染リスクもあり、その選択肢も消えました。
また、私自身、上の子の時は仕事が忙しく、正直に言うと、当時の長男の成長をあまり覚えていないんです。 「下の子のときは、そんな後悔をせずにちゃんと見てあげたい」という思いがありました。

── 昨今、普及が一気に進んでいる男性育休ですが、2020年当時はまだまだ少数派だったと思います。職場での男性育休の取得実績はありましたか?

長山さん 私が職場での「男性育休取得者・第一号」だと後から知りました。

── 取得期間は約1ヶ月半とのことですが、仕事への影響はどう考えられていましたか?

長山さん  期間は限定的だったこともありますが、出産予定日はある程度分かっているので、事前に引継ぎ資料を用意するなど、影響を最小限にする準備をし備えるようにしました。

「当時はコロナ禍での制限が本当に大変でした!」(長山さん)

■夜間授乳も積極的に担当

── その頃だと、立ち会い出産もできなかったのではありませんか?

長山さん はい。出産の立ち会いも入院中の面会も不可という状況で……。妻と娘が退院後、私の主な役割は、長男のケアでした。 3歳の息子はちょうど新しい保育園に転園したばかりの時期でしたが、登園自粛で通えず、 思うように体を動かして遊べないストレスも溜まると思ったので、午前中は近所の公園を数箇所ローテーションして遊ばせるのを日課にしていました。

── 下の子のお世話はいかがでしたか?

長山さん 娘は最初からミルクを飲ませていたので、私も夜間授乳を積極的に担当しました。 自分はもともと睡眠時間が4時間程度と短くても平気で、かつ眠りも浅いタイプなんです。 赤ちゃんが泣くとパッと目が覚めます。 翌日は寝不足のまま長男と公園に行くこともありましたが、あまり苦にはなりませんでしたね。

── 花織さんは長山さんの育休をどう受け止めていらっしゃいましたか?

長山さん 喜んでくれていました。夫婦二人で育児ができたことはもちろんですが、「話し相手がいる」ことも大きかったと思います。外との交流が厳しく制限されていた中、話ができない赤ちゃんと向き合い続けるのは、なおさら気が滅入りやすいはず。その状況下で大人同士の会話ができる相手がそばにいるだけでも、心の持ちようは随分と違ったんじゃないでしょうか。

「出産は立ち会い・面会禁止だったので、長男と2人で留守番。育休中は気晴らしに外でお弁当を食べる日も」(長山さん)

■朝は料理、夜は洗濯・皿洗い、土日は習い事の送迎

── 育休を取得したことで、花織さんとの関係性に変化はありましたか?

長山さん  関係性はそれほど変わっていない気がします。 私たちはもともと前の職場の同期で、仕事でもペアを組んで働いていたこともあり、当時から恋人というよりは相棒のような感じだったと思います。
関係性は変わらないけれど、話す内容の比重はガラリと変わりました。 以前は「二人の今後」が中心でしたが、今は「子どもの将来」についての相談が格段に増えています。

── 現在の家事・育児の関わり方を教えてください。

長山さん 私は朝食を作ることが多く、下の子を保育園に送り届けるため、育児期における柔軟な働き方を支援する学内制度を利用し、時差出勤を行っています。

── 朝担当なんですね! どんな朝ごはんを作ることが多いですか?

長山さん 卵焼きとか簡単なものですよ。でも毎日同じだと、どうしても飽きてくるので、子どもたちが飽きないように考えています。夜は帰宅が20時過ぎになることもありますが、そこから夕食の皿洗いや洗濯物を片付けます。 妻が子どもと一緒に早めに寝るので、そこから私が家事を完結させるサイクルです。 土日もサッカーなど子どもたちの習い事の送迎で丸一日潰れることも多いですが、隙間時間で自分の用事を済ませるようにしています。

「土日は2人の習い事で大忙し!長男のサッカーは、試合が頻繁にあるので、しょっちゅう車で連れて行っています」(長山さん)

■育児の解像度を上げよう!

── 育休やこれまでの育児を経て、変化はありましたか?

長山さん 「育児の解像度」が上がりました。それと同時に、育児に対する世の中の捉え方には、まだ世代間でギャップがあることも実感しています。
他人からは見えない「家事育児の解像度」は、実体験がないとなかなかイメージしにくいと思います。だからこそ、今後、男性育休を誰もが経験できる社会になれば、職場での相互理解もより深まっていくように思います。

── 最後に、今後、育休の取得を検討しているご家族へメッセージをお願いします。

長山さん 「仕事が忙しい」「周りに迷惑をかける」など、育休を取得しない理由はいくらでも見つかります。 周りの目は一旦置いておいて、家族のことを一番に大事にしてください。 子どもと寝起きを共にし、その成長の瞬間を「自分の目で見る」ことは、その後の人生において大きな自信になると思います。

「生まれたばかりの妹を抱っこする長男。可愛がってくれました」(長山さん)

(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)

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