【モビリティリゾートもてぎ・後編】サーキットの熱気も、アトラクションのワクワクも♪ ここだから同時にかなった親子の1日
前編では、【モビリティリゾートもてぎ】で開催されたイベント「Enjoy Honda 2026」と、常設ミュージアム「ホンダコレクションホール」での体験をレポートしました。今回の後編は、サーキットとアトラクションが同じ場所にある“もてぎならでは”の1日。生のレース観戦の迫力と、アトラクションのドキドキをお届けします。
待望のサーキットへ! 観戦の幕開けは、まさかの「N-ONE」レースから
【モビリティリゾートもてぎ】の旅・2日目は、待ちに待ったサーキットを目指します。前日の雨が嘘のように青空が広がり、「ようこそ!」と迎えられているような気分になりました。
今回我が家がこの日を選んだのは、「Enjoy Honda 2026」と、国内トップレース「SUPER FORMULA(スーパーフォーミュラ)」が同時に楽しめる特別な日だったからです。
とはいえ、昨年5月の「フォーミュラE」がモータースポーツ初観戦というビギナー親子。正直「サーキットでの本格レースって敷居が高そう」と身構えていましたが、実際に行ってみると、お祭りに出かけるような軽やかな雰囲気で、初めてでもすっと馴染める場所でした。
まずは朝に行われる「N-ONE」のレースが面白そうだということで、筆者と別行動だったパパと息子は観戦場所を探しに向かいました。
2人が選んだのは、もてぎ名物“90度コーナー”を見渡せるG席。ストレートから一気に減速する“ブレーキング勝負”が目前で味わえる人気スポットです。
そして2人は、前日に予選が行われていた「N-ONE OWNER’S CUP(エヌワン オーナーズ カップ)」の決勝を観戦しました。
その名のとおり、ホンダの軽自動車「N-ONE」だけで競うめずらしいレースです。
あとで写真を見せてもらうと、あのコロンとしたN-ONEがポップな装いで並んで走る姿がなんとも愛らしくて……! その光景を生で見られなかったのがちょっぴり残念でした。
エンジン音に圧倒! 親子で胸高鳴るスーパーフォーミュラ予選
続いて筆者も合流し、いよいよ本命の「スーパーフォーミュラ」の予選へ。先ほどN-ONEレースを見たG席の向かい側、Z席から見守りました。
「スーパーフォーミュラ」と聞くと「F1のこと?」と思いがちですが、実は別のカテゴリー。筆者も今回の観戦で初めて違いを知って驚きました。
「F1」は世界最高峰のレースで、チームごとにマシンを独自開発する“究極の技術競争”。 一方、「スーパーフォーミュラ」は国内の最高位を競うレースで、マシンの仕様がほぼ同じ。そのぶん、ドライバーの腕が結果に直結する“実力勝負”のレースなんですって。
そして、いよいよレースがスタート!
下り坂のストレートコースをフォーミュラカーが全開で駆け抜け、迫力あるエンジン音がどんどん近づいてきます。
その音が一気に大きくなったと思ったら、目の前を“あっという間”に通過。ただ速いだけじゃなく、「ビューン!」と風まで連れていくような勢いです。
昨年、お台場で観戦した電気自動車「フォーミュラE」の静かな走りとはまったく違う世界で、息子も思わず「迫力すごっ!」と声を漏らしていました。
実は観戦するのに耳栓が必要かも……と思っていたのですが、想像していたような耳をふさぎたくなる爆音ではなく、「おお、これくらいなら大丈夫だね」と安心できるほどの音量。かなり迫力はあるけれど、耳栓いらずのサウンドでした。
そして、直線を全開で走ってきたマシンが、下り坂で勢いをつけたまま90度コーナーへ。
そこから一気にブレーキングに入る迫力は、思わず息をのむほど。
タイヤが路面をつかむ“キュッ”という音に、息子も思わず前のめりになっていました。
その先にはマシンのコントロールが試されるテクニカルなコーナーが待ち構えていて、そこでの攻防戦にもドキドキ。 コースアウトしないか、親子で息を飲んで見守りました。
やっぱり生のレースって違う! マシンの迫力やハラハラする瞬間が、一気に押し寄せてくる“その場ならでは”の体験でした。
レースの合間にアトラクションへ! 親子そろって人生初のジップラインに挑戦
次の楽しみはアトラクション。朝イチで予約していた「メガジップラインつばさ」を体験するために、ハローウッズ駐車場内にあるゴールデッキ横を目指しました。
中央の階段を上がって左へ進むと、緑の屋根の建物がゴールデッキ横です。
全長561mのジップライン「つばさ」は、滑空中にレーシングコースを一望できる特別なアトラクション。人気なので朝イチ予約が安心。時間を選べるので、レース観戦の合間に組み込むことができました。
なお、予約は体験する全員がそろって行う必要があるのでご注意を。
ヘルメットや手袋、ベスト型の安全装着具を着用して準備を整えたら、安全のためのビデオを視聴。続いて、スタート地点へ歩いて向かいます。
「え、怖くないかな?」と息子もドキドキの様子。筆者も人生初のジップラインなので、「大丈夫だよ、景色を楽しんでみて」と言いつつも内心は同じくドキドキでした。
緊張気味だった息子に、「ママが先に行こうか?」と聞くと、「いや、大丈夫」と即答。自分から先に進もうとする姿が、なんとも頼もしく映りました。
そして、息子の滑空がついにスタート!
風をつかんだ瞬間にぐんと加速し、みるみるうちに遠くへ。気づけば、もう小さな点のように見えるほどでした。
続いて筆者もスタート。直前までは超ドキドキだったのに、滑り始めた瞬間、風を切る気持ちよさとスピード感に包まれて、怖さなんて吹き飛びます。まさに爽快感バツグン!
滑りながらふと視線を落とすと、昨日歩いたEnjoy Honda 2026の会場やサーキットが足元の先に広がっていて、ここでしか見られない“特別な景色”が一気に視界に飛び込んできました。
実はこちらのジップライン、途中の中間地点で折り返す“往復コース”。最初の区間を滑り切った先で一度降り、階段をのぼってさらに高い地点へ。そこからもう一度、爽快な滑空が楽しめる仕組みです。
一瞬、さらなる高みにドキッとしますが、滑り出してしまえばすぐに慣れてきます。
風を受ける気持ちよさが勝って、どんどん楽しくなっていくんです。
滑空を終えた息子の、この晴れやかな表情!
「全然怖くなかった! めっちゃ楽しかった!!」という満足げなひと言に、体験させてよかったなと胸がふっと温かくなりました。
次回はぜひ挑戦したいアトラクションを一挙ご紹介
レース開催時は多くの来場者でにぎわうため、アトラクションも混雑しがちです。今回はレース観戦を優先し、「ジップラインつばさ」のみを楽しんだ我が家ですが、場内には親子で楽しめそうなアトラクションがまだまだたくさんありました。そこで、次回訪れたらぜひ体験してみたい注目のアトラクションをご紹介します!
自分で操る、小さな冒険ツーリング 「オフロードツーリング RINDO BIKE」
この日ひときわ長い行列ができていたのが、2026年3月に誕生したばかりの新アトラクション「オフロードツーリング RINDO BIKE(リンドウ バイク)」。
名前の通り、林道をイメージしたコースを、3歳〜小学生が乗れる補助輪なしの電動バイクで駆け抜けるアトラクションです。
「うねうね下り道」「コトコト橋」「ぐるりんカーブ」など、冒険心をくすぐる仕掛けが続き、本物のオフロードを走っているような気分が味わえるとのこと。楽しそうに走り抜ける子どもたちを見ながら、息子も「これ、乗りたかったな」と残念そうにつぶやいていました。
家族で操る、森の凸凹アドベンチャー「オフロードアドベンチャー DEKOBOKO」
巨大オフロードカーを操り、凸凹道や斜面、水辺など全13の難所に挑戦。思わず笑っちゃう揺れやスリルに、車内はワイワイ大盛り上がりの様子でした。
実は前回の来訪時にも家族で乗車して、息子が夢中になっていたのを思い出しました。2歳から乗れ、小学3年生以上なら1人で運転もOKです。
思いっきり体を動かして遊べる「巨大ネットの森 SUMIKA」
ネット遊具が大好きな息子が「これやりたい!」と目を輝かせていたのが、このアトラクション。森の生きものたちの“すみか”をテーマにした屋内の巨大ネットアスレチックで、登ったりくぐったり跳ねたりと全身で楽しめます。
少しのぞいて見たところ、天井近くまで張り巡らされたネット遊具やうねうねと曲がりくねった滑り台などがあり、全身を使って冒険できそうなエリアでした。
立体アスレチックで大冒険!「森感覚アスレチック DOKIDOKI」
巨大などんぐりの木を模したタワーを登って、てっぺんを目指す新感覚の木登り型アスレチック。
外観からしてインパクト抜群で、思わず近づきたくなる存在感です。コースは難易度別に分かれているので、小学1年生から高学年、そして大人まで挑戦できるつくりになっているそうです。
遊んで、学んで、ライセンスも♪「森の教習所」
5歳以上なら1人で運転でき、ひとり座りができる0歳から同乗OK。信号や横断歩道、踏切などが並ぶ「森の教習所」で、遊びながら交通ルールを体験できます。ルールを守って走りきると、“ライセンス”がもらえるのも、子どもたちに人気のポイントなのだとか。
里山の森を歩いて楽しむ「森のファミリーウォークTEKUTEKU」
9匹の生きものが描かれたビンゴカードを片手に、家族で森を歩いて探検するアクティビティ。自然の中をのんびり散策しながら、親子でリフレッシュできるひとときです。所要時間は約30分~、小学生以下は保護者の同伴が必要です。
息子が人生初の“一人乗り”に挑戦した「ぶんぶんスクーター」
最後は番外編として、前回の訪問で息子が“乗り物一人乗りデビュー”を果たした「ぶんぶんスクーター」をご紹介します。 3歳から運転できるスクーター型アトラクションで、手元のアクセルとブレーキを操作しながら、みつばち気分でお花畑をお散歩。転倒しない設計なので、自転車に乗れない子どもでも安心して楽しめます。
モビリティリゾートもてぎの公式HPでは、アトラクションごとの待ち時間がリアルタイムで確認可能。その情報を参考に、事前に候補を絞っておくと、当日の迷いがぐっと減ります。
サーキットへ再び! 熱狂と波乱が交錯したスーパーフォーミュラ決勝
続いて、ゴールが置かれたメインストレート側から、国内最高峰のバイクレース「全日本ロードレース選手権」の決勝を見届けました。
途中からにはなるけれど、その迫力は十分すぎるほど。バイクがコーナーで地面に触れそうなほど深く傾く“フルバンク”で駆け抜ける姿に、息子は「こけるんじゃないかって心配だった」と、思わず息を飲むような表情を見せていました。
そして、ここで今さらながらの発見が。この位置なら、ピットインの様子もゴールの瞬間も一望できることに気づいたのです。
近さではさっきの「90度コーナー」に軍配が上がるけれど、レース全体の流れがつかめるのは、やっぱりこのメインストレート側。 そんな気づきもあって、その後のスーパーフォーミュラ決勝もメインストレート側で観戦することにしました。
やがて決勝の時間。
整列したマシンが静かにスタートを待ち、 シグナルが消えた瞬間に一斉ダッシュ。
その衝撃に胸が揺れ、息子も息を飲んで見守っていました。
ところが1台だけマシンが動けず、どうやらトラブル発生。
息子も「え、なになに……?」と戸惑いながらコースに目を向けていました。
スタートできなかったマシンは最後尾からの再スタートとなり、レースは仕切り直しに。そのタイミングで、コースにまさかのNSXセーフティカーが登場!
レースを安全に誘導する“特別なクルマ”がNSXだったことに気づいた瞬間、 息子のテンションは一気に最高潮に跳ね上がりました。
そして緊張が戻る中、決勝は再スタートし、激しい攻防の熱戦へと突入していきました。
その展開を親子で追いながら、改めて感じたのがサーキットの見やすさ。
スタンドが高く、視界が開けているので、マシンの動きがとても追いやすいんです。
スーパーフォーミュラを初めて観戦して知った、ちょっと意外なルールもありました。決勝レース中に「1回以上のタイヤ交換」が義務なんですって。
ピットに入るタイミングで順位が大きく動くため、そこで生まれる駆け引きがレースの面白さです。
息子が密かに応援していた選手は、トップ走行中に早めの交換へ。巻き返せず、息子は少し残念そうでした。
それにしても、このタイヤ交換のスピードは本当に圧巻。一瞬で作業を終えてしまうピットクルーの動きに、息子も思わず「めっちゃ速い」と感心しきりでした。
レース中には、マシンのボンネットがぐしゃっとつぶれる場面も。ところがピットですぐに新しいボンネットに交換され、その“替えがある”ことに息子はとても驚いていました。
昨年のフォーミュラEとは違い、今回はトラブルが次々発生して「エンジンだとこうなるの?」と思うほど予測不能。そのハラハラ感が、たまらなく面白いんです。
そして、生で見ているからこそサーキットのあちこちで起きる出来事が一気に飛び込んできて、その情報の波に飲み込まれるようなワクワクが止まりません。
「やっぱり、ライブで観戦するって格別に楽しい」──。その気づきを親子で共有できたレースでした。
親子でサーキットデビューを楽しむための3つのポイント
子連れでサーキット観戦を満喫するために、2回目の観戦で見えてきたポイントをまとめました。
初めての観戦は、メインストレート側がおすすめ
視界が広くてマシンもピットも見やすく、モニターも近いので状況を逃しません。子どもも飽きにくいポイントです。
予選から観戦するなら、場所を変えていろんな角度で楽しむのもおすすめ。【モビリティリゾートもてぎ】では、我が家も観戦した「90度コーナー」に加えて、Uターンのように大きく曲がる「ヘアピンカーブ」も見応えがあるようですよ。
寒さ・暑さに対応できる“3段階調節”の服装がおすすめ
朝は半袖でちょうどよかったのに、夕方にはダウンが欲しくなるほどの冷え込みに。季節や天候で気温差が大きい日は、半袖・長袖・上着と“3段階以上”で調節できる服装を用意しておくと安心です。
食事の買い出しは、レース開始直前がねらいめ
場内にはレストランや出店がそろっていますが、お昼時はどこも混雑しがち。我が家はレース直前に買いに行ったところ比較的空いていて、スムーズに調達できました。
まとめ
ずっと気になっていた、【モビリティリゾートもてぎ】ならではの“レース観戦”と“アトラクション”という2つの魅力。その両方を一度に体験でき、まるで夢のような1日になりました。
レースのルールも選手もよく知らない我が家ですが、気づけばしっかり楽しんでいました。息子は目の前のスピードと音に心を奪われ、表情をくるくる変えながら夢中に。
アトラクションはまだまだ体験したいものがいっぱいなので、次回の来訪に期待したいところ。でも、いちばん気になっていたジップラインができたのは大きな収穫でした。
「観る」と「遊ぶ」が自然につながるこの体験は、親子で味わうと本当に忘れられない時間になります。みなさんにもぜひ一度体験してほしいです。
帰り道、息子が「次は鈴鹿サーキットに行きたいな」とポツリ。鈴鹿はHondaの創業者・本田宗一郎氏の強い想いが形になったサーキットで、もてぎはその精神を受け継いで生まれた場所。いつかこの2つを親子で制覇したい――そんな夢がふっと芽生えました。
(文・撮影:あゆーや/アソンデミエータ)
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