離乳食のひじきはいつから?安心な調理法とは!? 中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】
ひじきを赤ちゃんにあげる場合、開始時期や下処理方法はどのようにしたらいいのでしょうか。また、ひじきに含まれるヒ素や鉄などの成分についても気になるところ。今回は管理栄養士が離乳食のひじきについて解説します。上手に下処理をして、ひじきのレシピを試してみてくださいね。
ひじき、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?
・中期の調理:多めのお湯で茹でてから、細かくみじん切り
・後期の調理:多めのお湯で茹でてから、粗みじん切り
・完了期の調理:多めのお湯で茹でてから、粗く切る
ひじきはどんな食材?
ひじきは色々な呼び名がありますが、大きく分けて2種類に分類されます。芽ひじきは姫ひじきとも呼ばれ、ひじきの葉の部分を指し、口当たりの良い食感があります。長ひじきは茎ひじきとも呼ばれ、芽ひじきよりも歯ごたえのある部分ですので、離乳食には芽ひじきを選ぶとよいでしょう。
ひじきに豊富な栄養素は?
ひじきは食物繊維を多く含みます。他にはカルシウム、鉄分、マグネシウムなどミネラル類や、ビタミンB群や葉酸も豊富な食材です。
離乳食のひじき、下処理・下ごしらえの方法
ひじきにはヒ素が含まれています。乾燥ひじきは水やお湯に浸すだけでも使うことができ、通常の調理法で料理されたひじきを適度に食べる分には問題ないとされていますが、赤ちゃんにはしっかり茹でこぼすと安心です。
また、極端に大量のひじきを食べさせることがないようにしましょう。
ひじきのヒ素を減らす方法
乾燥ひじきを水戻ししてから水を捨て、そのあと多めのお湯で茹で、茹で汁を捨てます(茹でこぼし)。そのあとに流水で洗うとさらに良いでしょう。
参考
乾燥ヒジキの無機ヒ素は、「水戻し」で5割程度減り、乾燥ヒジキを直接ゆでる「ゆで戻し」でも8割程度減りましたが、無機ヒ素を減らすための有効な方法は、水戻し後にさらにゆでる「ゆでこぼし」で、9割程度まで減りました。
また、乾燥ヒジキの鉄分、カルシウム、食物繊維は、「水戻し」、「ゆで戻し」、「ゆでこぼし」をしても、7割以上残りました。
農林水産省「ヒジキに含まれるヒ素の低減に向けた取組」より
食べやすくする工夫
ひじきは長いと食べにくい場合がありますので、きざんであげましょう。
ひじきの離乳食、よくある疑問
「ひじきの鉄分が少なくなった」ってほんと?
ひじきというと鉄分豊富なイメージがあるかもしれませんが、「ひじきの鉄分は前より減った」などという話も耳にします。これは、ひじきの製造工程が大きく関係しています。
文部科学省が出している「日本食品標準成分表」では、ひじきの鉄分の含有量(100g当り)を、製造工程で使用する釜の材質(鉄・ステンレス)ごとに分けて表示され、鉄釜が58.2mg、ステンレス釜が6.2mgと大きく異なります。
「ひじきの鉄分は前より減った」といわれる背景として、昔は鉄の釜で作られていたものの、近年ではステンレスの釜で作られることが多くなったためと考えられます。とはいえ、ひじきに全く鉄分が含まれないわけではありません。
冷凍保存もできる?
ひじきは冷凍保存ができますが、やわらかくゆでてから細かく切りましょう。
ひじきを使うときは少量のことが多いので、製氷皿などに入れて小分けに冷凍してから、チャック付き保存袋で保存するとよいでしょう。
ひじきの離乳食レシピ! 中期・後期・完了期
<離乳中期のレシピ>ひじきのしらあえ
材料(1回量)
・乾燥芽ひじきの水戻し 5g
・にんじん 20g
・絹豆腐 30g
作り方
① 水で戻した芽ひじきはやわらかく茹で、茹で水を捨ててから、みじん切りにする
② にんじんは皮をむいてやわらかく茹でて、みじん切りをする
③ 絹豆腐はつぶしておく
④ 耐熱容器に①②③を入れ混ぜ合わせ、電子レンジ(600W)で1分40秒ぐらい加熱する
<離乳後期のレシピ>ひじきとじゃがいものおやき
材料(約1回量)
・乾燥芽ひじきの水戻し 5g
・じゃがいも 20g
・かつおぶし 少量
・醤油 1滴
・植物油 適量
作り方
① 水で戻した芽ひじきをやわらかく茹で、茹で水を捨ててから、粗めのみじん切りにする
② じゃがいもは皮をむいてやわらかく茹で、つぶす
③ ①②とかつおぶし、醤油をよく混ぜて小判型に成型する
④ フライパンに植物油を熱して③を両面焼きしっかりと火を通す
<離乳完了期のレシピ>ひじきの混ぜご飯
材料(約1回量)
・乾燥芽ひじきの水戻し 5g
・にんじん 10g
・鶏ひき肉 15g
・醤油 少量
・だし汁 適量
・軟飯 80g
作り方
① 水で戻した芽ひじきをやわらかく茹で、茹で水を捨ててからきざむ
② にんじんは茹でてからみじん切りする
③ 小鍋に①②と鶏のひき肉を入れ、材料がかぶるくらいのだし汁を加えて、菜箸でかき混ぜながら煮詰まるまで火をよく通す
④ 軟飯に③を入れてよくかき混ぜて完成
まとめ
ひじきは離乳食中期から与えられる食材です。食物繊維、ミネラル類、ビタミン類も豊富な食材です。
くせがない味なので利用しやすい食材です。水戻しをしてからしっかり茹でこぼし、よくすすいで使いましょう。
(文:夏目千恵子 先生、監修:川口由美子 先生)
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