離乳食の大根はいつから?加熱調理のポイントと時期別レシピ【管理栄養士監修】
根菜の定番、大根はクセがないので赤ちゃんにも大人気の食材です。今回は離乳初期・中期・後期それぞれの時期にオススメの大根レシピとともに、やわらかく調理するコツやレンジ加熱の目安などを解説します。
大根、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?
大根は離乳食の初期からOK
・初期の調理:しっかり茹で、すりつぶし、茹で汁でのばしてペースト状に
・中期の調理:しっかり茹で、刻んでとろみをつける
・後期の調理:つぶれない程度に茹でて、手づかみできる形状に
・完了期の調理:すりおろして片栗粉でつないで、おやき形状に
■ワンポイントアドバイス■
離乳期ごとの大根の大きさやかたさ
大根は煮込めばやわらかくなりますので、大きさというよりも、「かたさ」に注目しましょう。小さく切ってもかたい状態であれば、赤ちゃんは「異物」としてしまいます。
・離乳初期:ペースト状に。
・離乳中期:茹でてから粗みじん(5mm)にきざんで、とろみをつける。
・離乳後期:大人が指でぎゅっとつぶしたらつぶれるくらいのやわらかさに。厚さが5mmくらいのものであれば、手づかみでも食べられるでしょう。
・離乳完了期:薄く切れば、生でも食べられることがあるかもしれませんが、まだかたい点と、辛みがやわらぐことから、茹でておく方が安心でしょう。おやきのように片栗粉と混ぜて大根もちのようにすることもできます。
大根はどんな野菜? 旬と栄養素
大根の旬の時期は「冬」
大根は季節を問わず店頭で見かける野菜ですが、12月から1月ごろの冬が旬となります。
大根は水分が多く離乳食には使いやすい
大根は水分が多く含まれ、柔らかく調理がしやすく、クセのない野菜のため、離乳食にはおすすめです。栄養面では、葉の部分のほうが、ビタミンC、食物繊維、鉄などが豊富に含まれますが、かたく苦味もあるので、葉の部分はなめらかさが必要な時期は避け、根の部分を使いましょう。
離乳食の大根、下処理・下ごしらえの方法
茹でる時のコツ
大きめに切ってから茹でると、なめらかに調理がしやすくなります。
塩や重曹を入れて茹でてもいいの?
味を染み込ませることなどがあまり必要のない離乳食では、塩を入れて茹でると余分な塩分を摂ることになるので、塩は入れなくてもOK。
苦味になるアクをとるための重曹も、大根はアクがそれほど多くないため使わない方がいいでしょう。
気になるのであれば、お米のとぎ汁を少し加えてみるくらいにしておきましょう。
電子レンジ加熱のコツ
■ワンポイントアドバイス■
大根おろしは離乳食にも使える?
大根おろしは、離乳食にも使えます。ただ、ちょっと辛いことが多いので、赤ちゃんが嫌がることもあるでしょう。大根おろし食べさせたい場合は、だし汁の中にいれて加熱をすると少し味がマイルドになり食べやすくなります。
また、大根おろしは大根の下の方を使うことが多いのですが、辛みが強いので、上の部分をおろすと少し辛みもやわらぎます。
大根は冷凍できる?
大根は冷凍保存できます。調理したものを茹で汁ごと冷凍しておきましょう。1週間程度を目安に使い切り、食べる前はしっかり再加熱しましょう。
大根の離乳食レシピ! 初期・中期・後期
<離乳初期のレシピ>大根ペースト
■材料
・大根 15g
・水 適量
■作り方
① お鍋に皮をむいた大根とかぶるくらいの水を入れ、やわらかくなるまで煮る
② ①の大根をすりつぶし、茹で汁でのばしながら、なめらかなペースト状にする
<離乳中期のレシピ>大根のだしとろとろ
■材料
・大根 20g
・かつおだし 適量
・水溶き片栗粉 小さじ1(水:片栗粉=1:1)
■作り方
① お鍋に皮をむいた大根とかぶるくらいのかつおだしを入れて、やわらかくなるまで煮る
②大根を取り出し、みじん切りにしたら、大根と煮ただし汁20㏄ほどをお鍋に戻して、水溶き片栗粉を入れ、とろみがつくまで再加熱する
<離乳後期のレシピ>大根とツナのオクラあん
■材料
・大根 20g
・にんじん 5g
・オクラ 5g
・ツナ(水煮缶無塩) 15g
・水 適量
■作り方
① オクラは種をとりみじん切り、大根とにんじんは食べやすい大きさに切る
② お鍋に、大根、にんじんとかぶるくらいの水を入れ、やわらかくなるまで煮る
③ ②にツナを汁ごと加え、ツナをほぐしながらひと煮立ちさせる
④ ③にみじん切りにしたオクラを加え、とろみがでるまでしっかり加熱する
まとめ
大根は手に入りやすく、調理もしやすい、離乳食にはおすすめの食材です。かたい皮や葉はのぞき、土に近い、上のほうの甘味が多い部分を選べるといいですね。切ってから少し味見をしてみて、辛みのある部分は避けていいでしょう。
シンプルな大根のみのメニューもおすすめですが、食べることに慣れてきたら、他の食材と合わせたメニューにアレンジして、食感の違いや、味の変化を楽しんだり、手づかみ野菜として活用してみましょう。
(文:木下麗子 先生、監修:川口由美子 先生)
※調理撮影:マイナビ子育て編集部
※そのほか挿入画像はイメージです