妊婦にうれしい栄養豊富なアボカド！食べ方には注意が必要？【管理栄養士監修】

「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、妊婦さんにも嬉しい栄養素を含んでいます。

妊娠中はホルモンバランスの影響や大きくなった子宮に腸が圧迫されることによって便秘になりやすいものです[*3] 。妊婦さんの便秘解消には、水分摂取や適度な運動などとあわせて、食物繊維を摂ることも大切です。

アボカドには食物繊維が豊富に含まれています[*2] 。料理に野菜が足りないなと思ったらアボカドを添えてみるのもよいでしょう。

妊娠中は、胎盤や胎児が鉄分の蓄えを必要とするため、多くの鉄分が胎児へと移行します。また、体内の血液循環量も増えるため、多くの妊婦さんが貧血になりやすくなっています[*4][*5] 。

アボカドは鉄分の摂取にも期待できます[*2] 。

ホルモンバランスの変化や大きくなったお腹で足の付け根が圧迫されることで、妊娠中はむくみやすくなります。また、塩分もむくみの原因となります。

むくみの予防には食事からの塩分を控えることに加えて、塩分を尿中へ排出するカリウムの摂取も重要となります[*6] 。アボカドは100g中カリウムが590mgと豊富に含まれています[*2] 。

葉酸は胎児の神経管形成に関与していると考えられており、妊婦さんは葉酸を一定量プラスして摂取するように推奨されています[*1]。

アボカドには葉酸も豊富に含まれていますよ[*2]。

妊婦さんにうれしい栄養がたくさん含まれるアボカドですが、生で食べることが多いため、特にリステリア菌による食中毒に注意します。

リステリア菌は食品を介して感染する食中毒です。

通常、リステリア菌による食中毒で症状が重篤化することは稀ですが、妊娠中にリステリア菌に感染することで胎児・新生児に影響が出ることがあり、注意が必要です[*7]。

特に生ハムなどの非加熱畜肉製品やナチュラルチーズなどでリスクが高いとされていますが、リステリア菌は自然界に広く生息する微生物です。また、冷蔵庫など低温状態で保管していても増殖すると言われており、加熱せずに食べる食品全般で注意が必要です[*7]。

アメリカでの調査では、サンプルとなったアボカドの皮の約18%からリステリア菌が検出されたという結果も出ています[*8]。

アボカドは生で食べる機会が多い食品です。家で調理する際にはよく水で洗ってからカットするようにし、調理器具に菌が付着することを防ぐようにしましょう。

手軽に食べられて栄養満点なアボカドですが、それゆえに注意すべきこともあります。食べすぎには気を付けましょう。

アボカド1個のエネルギー（カロリー）はおにぎり1.5個分に相当します[*2] 。

手軽に準備でき、味もタンパクなのでパクパク食べてしまいがちですが、知らず知らずのうちに余分なエネルギーを摂りすぎてしまうかもしれません。

明確な基準はありませんが、色々な食品をバランス良く食べることを考えると半分から1個くらいにとどめておくべきでしょう。

アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど、脂質が豊富です。その濃厚な味わいを活かして、豆腐やトマトと合わせたり、アボカドを崩してレモンやツナと混ぜて野菜のディップソースとして食べることもおすすめです。皮と種を除いてそのまま食べてもおいしいですが、色々な食材との組み合わせも楽しんでみてくださいね。

栄養価が高いと言われるアボカド、妊婦さんにとって嬉しい栄養素もたくさん含まれています。皮と種を除いてそのまま食べてもおいしいですが、色々な食材との組み合わせも楽しんでみてください。調理の際はよく洗ってから使ってくださいね！

（文：奥野由 先生／監修：川口由美子 先生）

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