【医師監修】子育ての悩み! 夜泣きのピークはいつまで?
ママやパパを悩ませる赤ちゃんの「夜泣き」。そのピークはいつごろで、いつまで続くのか、原因として考えられることとあわせて紹介します。見直したいポイントも解説するので、少しでも夜泣きが減るように、日常生活や環境を整えるのに役立ててみてくださいね。
激しい夜泣き、いったいいつまで続くんだろう……先が見えないと不安になりますよね。夜泣きが始まる時期やピークは個人差がありますが、対処方法の基本は共通です。睡眠のトラブルが長引かないよう、赤ちゃんの生活リズムを整えてあげましょう。
夜泣きのピークはいつごろ?
夜泣きの時期はいつからいつまでで、ピークはいつごろなのでしょうか。
夜泣きのピークはだいたい生後8ヶ月前後
夜泣きはその有無から時期、程度まで個人差が大きいのですが、「生後6~11ヶ月」の赤ちゃんによくみられると言われています。また、最も多いのは「生後7~9ヶ月」、つまり、生後8ヶ月前後とも言われています[*1, 2]。
なお、生後3~12ヶ月の赤ちゃんでは、約5人に1人の割合で、1週間に3日以上の夜泣きが見られるとも言われています[*1]。
赤ちゃんの夜泣きの悩み<体験談>
※マイナビ子育て編集部の口コミ 調査日:2021年6月17日~6月18日
※ここで紹介した内容は、個人の体験によるものです。記載の内容を推奨したり、結果を保証するものではありません。
イライラすることが増えて自己嫌悪
「なぜ泣いているかわからない」のが辛かった
泣き止んでくれない……
何をしても泣き止んでくれない……
「家事」も「仕事」も「自分の時間」も確保できない!
ご近所のことも気になって……
夜泣きはいつからいつまで続くの?
夜泣きの医学的な定義はありませんが、一般的に「夜ある程度まとめて眠るようになってから突然泣き始めるもの」をいいます。このとき、激しく泣く以外の症状はありません。
夜泣きが始まる時期も個人差が大きいですが、生後3ヶ月ごろから始まり、1歳を過ぎるとおさまることが比較的多く、3歳を過ぎるとほとんど見られなくなると言われています[*1]。
月齢別! 考えられる赤ちゃんの夜泣き原因
夜泣きの原因はさまざまで、はっきりわからないことも珍しくないのですが、月齢によってはその時期特有の夜泣きのきっかけとなりやすい理由もあります。
生後半年ごろまで
低月齢の赤ちゃんはとくに、「睡眠のリズムが大きく変わりつつある」ことが夜泣きの原因になりやすいと考えられます。
新生児期のこま切れ睡眠からの変化
新生児はまだまとめて眠ることができず、数時間おきに睡眠と覚醒を繰り返します。生後1ヶ月を過ぎると、「メラトニン」という体内時計を調整するホルモンの分泌が始まり、これが安定していくなかで、昼間に起きて夜に眠るリズムが整っていきます[*3]。
このようにして、低月齢の赤ちゃんの睡眠リズムは、新生児期のこま切れ睡眠からまとまって眠るパターンへ大きく変わっているところなのです。その途中で睡眠と覚醒をうまく切り替えられない時期もあります。そのとき「眠いのに眠れない」「すっきり目覚められない」といったことが夜泣きにつながる場合があります。
生後半年〜1歳程度
生後半年以降の赤ちゃんは、はいはいをして、歩いて、どんどん活動レベルがあがっていきます。そのために日中に刺激を受けすぎたり、1日のスケジュールが変化したりもしますが、そのことにまだうまく対応できないことで夜泣きを起こすことも。
また、授乳や抱っこなど特定の寝かしつけ行動と睡眠が強く結びついてしまい、授乳や抱っこでないと眠れない状態になって夜中に何度も起きてしまうことも増えてきます。
分離不安から1人で眠れない
生後8ヶ月ごろには、ママやパパと離れると不安になって泣いてしまう「分離不安」が始まり、10~1歳半ごろにピークを迎えます[*4]。
この時期は夜間に目が覚めたときにママやパパの姿が見当たらないことで泣いてしまうこともあります。1歳ごろになると、社会性や感情が発達することでますます分離不安が強くなることも。
歯ぐずりが原因の場合も
また生後6~8ヶ月は歯が生え始める時期でもあります[*5]。歯が生えることで痛みや不快感があり、歯ぐずりで夜間泣くこともあります。
なお、まれなことですが、早い子では1歳過ぎから悪夢を見るようになって目が覚めたり、寝るのを嫌がったりすることもあるようです[*6]。
実践したい! 夜泣きの見直しポイント
夜泣きはいつか終わるものとわかってはいても、今の辛さを少しでもどうにかする方法はないのか気になりますよね。
夜泣きを長引かせないためにも、次のポイントを見直してみてください。
(1)規則正しい時間に寝起きしよう
赤ちゃんに夜しっかり眠ってもらうためには、「生活リズムを整える」ことが欠かせません。
まずは「朝起こす時間」と「夜寝かせる時間」を決めて、毎日同じ時間に寝起きすることから始めましょう。
月齢ごとの生活リズムの整え方について、詳しくは下記の記事を参照してください。
(2)朝起きたら、太陽光を採り入れよう
朝は6~7時ごろに寝室のカーテンを開けて日光を入れましょう。その後も午前中になるべく日光を浴びることで、体内時計を整える効果が期待できます。
低月齢のうちは窓際で過ごすかベランダで外気浴をする程度でもいいので、日中は明るい環境で過ごしましょう。
(3)入眠するための「儀式」(習慣)を作ろう
「夜のルーティーン(入眠儀式)」を決めて習慣にすると、寝つきがよくなるだけでなく、夜泣きや寝ぐずり対策にも効果的。入浴をして寝る準備をした後に、続けて絵本の読み聞かせや子守歌、マッサージなど無理なく毎日できることを習慣にしましょう。
夜のルーティーンは、赤ちゃんに「もうすぐ寝る時間だよ」と伝えるためのもの。入浴や歯磨きなども含めて順番を決めて、毎日同じ順序で繰り返します。
(4)日中はしっかり遊ばせよう
日中の起きている時間は、しっかり遊ぶことも大切です。夜の入眠儀式に対してメリハリがつくように、昼間は体をよく動かして活発に過ごしましょう。月齢にあった体を動かす遊びも取り入れてみましょう。
ただ疲れ過ぎると寝つきにくくなり、刺激を受けすぎると夜泣きの原因になるので、あまり無理はさせないようにしてくださいね。お昼寝は多すぎてもよくありませんが、少なすぎても夜泣きの原因になるので、十分寝かせてあげることが大切です。
(5)寝具や就寝環境を見直そう
赤ちゃんが夜目覚めたとき、不快なことがあると泣いてしまいます。就寝環境や寝具が快適かどうか見直しましょう。寝室内が暑くなりすぎていないか、寝室がきちんと暗くなっているか、静かな環境になっているかも確認を。
寝室の温度が適温でないときは、エアコンを使って調整します。冬は「室温18~20℃、湿度50~60%程度」を目安にしてください。夏はエアコンを「25~27℃」に設定し、さらに服装や寝具で調節しましょう[*7]。
(6)それでも改善しないなら、ネントレにチャレンジする手も
生後6ヶ月をすぎた健康な赤ちゃんで、ここまでに紹介した(1)〜(5)を試しても改善しない夜泣きは、「抱っこでないと眠れない」「授乳でないと眠れない」など寝かしつけの方法が原因となっていることも。
その場合は、赤ちゃんの自分で寝入る力を育てる「ネントレ」を試してみてもいいでしょう。ネントレについて詳しくは下記の記事を参照してください。
まとめ
夜泣きはだいたい生後8ヶ月前後をピークに、1歳を過ぎると落ち着く傾向にあると言われています。赤ちゃんの発達過程で起こることなので、何かしたからといってすぐしなくなるようにさせるのは難しいですが、夜泣きの時期もいつかは終わります。ママやパパはできるだけ落ち着いた気持ちで見守りながら、生活リズムや寝る部屋の環境を整えるなど、できることを工夫してみましょう。早いうちに良い睡眠習慣を身に着けることは、赤ちゃん自身のためにもなります。交代でお世話するなどして大人も睡眠時間を確保しながら、大変な時期を乗り越えてくださいね。
(文:佐藤華奈子/監修:森田麻里子先生)
※画像はイメージです
[*1]厚生労働省:子どもの心の健康問題 ハンドブック, 124p
[*2]厚生労働省:お母さんと子どものコミュニケーションのために 11p
[*3]乳幼児の睡眠と発達
[*4]MSDマニュアル 分離不安 人見知り
[*5]日本歯科医師会:テーマパーク8020 歯とお口の発生と育ち方
[*6]米睡眠財団 12ヶ月の睡眠退行
[*7]森田麻里子・星野恭子:医者が教える赤ちゃん快眠メソッド,ダイヤモンド社,2020
※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます