つわり中だけど牛乳は飲んでもいい?症状緩和の効果やおすすめの飲み方などを専門家が解説【管理栄養士監修】
つわりの時は食べられるもの、飲めるものなどが限られますよね。牛乳は飲み物の中でも栄養豊富なので、飲んだ方がよいのかな?メリットが多いのかな? と気になる妊婦さんもいるかもしれません。つわり中に牛乳はよいのか、また、おすすめの飲み方もお伝えします。
つわり中に牛乳ばかり飲んでも大丈夫?
つわりで気持ち悪い時は、飲めるものも限られますよね。牛乳ばかり飲んでいても大丈夫なのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
飲めるもの、食べられるものを摂るのが優先
つわりの時は飲み物も食べ物も限られてくるので、牛乳が大丈夫ならそればかりになってしまっても大丈夫です。つわりのおきやすい妊娠初期は、赤ちゃんはそれまでに母体に蓄えられた栄養でも育つので、心配しすぎる必要はありません。
無理に食べて吐いてしまったり、吐き気がするのはつらいですよね。まずは口にできるものを口にするようにし、ママの体調を優先しましょう。
牛乳は栄養豊富な飲み物
牛乳はコップ1杯(200ml)で121kcal、たんぱく質6.6g、カルシウム220mgと栄養豊富です[*1] 。つわりなどで食事が思うように摂れない時にも、手軽な栄養補給の手段になります。少しでも栄養のあるものを摂れると安心でき、気持ちも楽になりますね。
アレルギー予防のために控える必要なし
牛乳は乳児に多いアレルギーの原因の1つなので、妊娠中にたくさん飲むとおなかの赤ちゃんに何か影響するのでは、と心配になる方もいるかもしれません。
しかし、牛乳に限らず、赤ちゃんのアレルギー発症を予防するために特定の食べ物や飲み物を避けることは、現在、医学的に推奨されていません。牛乳を控えたからといって赤ちゃんがアレルギーになりにくくなるわけではなく、むしろママの体に栄養上の問題が起きることの方が心配されるのです。
また、成人が牛乳アレルギーになることは少なく、牛乳をたくさん飲んだからといってママが牛乳アレルギーになる可能性もそれほどないでしょう。
アレルギーについては心配せずに牛乳を飲んでくださいね。
牛乳でつわりが楽になる⁉
栄養豊富で知られる牛乳は、身体によい効果がたくさんあるイメージがありますよね。つわりの時に飲むと症状が楽になるということはあるのでしょうか?
つわりに効果があるとは言えない
なお、つわりの症状を軽減する効果が期待される食べ物・栄養素としては、以下のようなものがあります。
■しょうが:しょうがの辛み成分や香り成分が胃腸の働きを調整し、つわりの軽減に作用すると考えられています。
■ビタミンB6:ビタミンB6にもつわりの吐き気や嘔吐を緩和させる働きがあると言われています。ビタミンB6はさまざまな食品に含まれますが、赤身肉や鶏肉、マグロ、カツオなどの魚、芋類、ピーマンやかぼちゃ、ブロッコリーなどの野菜、果物ではバナナなどに多いです。
おいしく食べやすく!おすすめの牛乳の食べ方
調子のよい時は牛乳をささっとアレンジしてみましょう。ちょっと食材を足してみることで、おいしく栄養を補うことができます。
ちょい足しでおいしい!きな粉ミルク
■材料
・牛乳 200ml
・きな粉 大さじ1
・砂糖 大さじ1/2~1(お好みで調整)
■作り方
① コップにきな粉と砂糖を入れ、混ぜ合わせる
② ①に牛乳を注ぎ、よく混ぜて砂糖ときな粉を溶かせば出来上がり

砂糖の代わりに、はちみつや黒糖で作ってもおいしいです。
つるんと食べられる牛乳寒天
■材料
・牛乳 250ml
・粉寒天 2g
・砂糖 大さじ2~3(お好みで調整)
■作り方
① 鍋に牛乳、粉寒天、砂糖を入れてよくかき混ぜる
② 弱火にかけながら沸騰するまでよく混ぜる
③ 沸騰後2分ほど加熱を続ける
④ 型に流し、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。固まったら食べやすい大きさに切って出来上がり

お好みで缶詰のみかんを入れてもさっぱり食べられますよ。
フルフル食感の牛乳プリン
■材料 (カップ4個分)
・牛乳 350ml
・ゼラチン 5g
・水 大さじ2
・砂糖 大さじ3
■作り方
① ゼラチンを水でふやかしておく
② 鍋に牛乳と砂糖を入れて中火で温め、砂糖が溶けたら火を止めて①のゼラチンを加えて溶かす
③ 型に流し入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして出来上がり

砂糖を減らし、ジャムなどをかけて味の変化も楽しめます。
牛乳ベースの栄養豊富なスムージー
・牛乳 100ml
・冷凍バナナ 1本
・ほうれん草 50g
・はちみつ ※1 少々(お好みで)
■作り方
① 完熟のバナナを1センチの輪切りにし、冷凍しておく
② ほうれん草は流水でよく洗い、2~3cmのざく切りにする ※2
③ ミキサーに①、②、牛乳、お好みではちみつを加え、なめらかになるまで攪拌するれば出来上がり
※1 はちみつは、赤ちゃんは食べられませんが、妊娠時にママが食べても問題はありません。
※2 生野菜は流水で丁寧によく洗い、食中毒を予防しましょう。

バナナを入れることでほうれん草の青臭さを抑えることができます。
つわりの時の食べ物のポイント
栄養豊富な牛乳が飲めるのはよいですが、それ以外にも食べられるものを見つけ、増やしていけると、気持ちも楽になりますね。つわりの症状は千差万別なので、誰にでも当てはまるおすすめの食べ物を言うことは難しいですが、以下に紹介するポイントを参考にしてみてください。
自分が食べられるものを見つける
まずは自分が食べられそうなもの、食べたいものを優先して試してみましょう。今まで食べれなかったものや興味がなかったものも、つわりを乗り越える救世主になってくれる場合もあります。少し変な組み合わせかな?と思っても、自分が食べられることが一番です。
冷たいものは食べやすい
冷たいものはのど越しがよく、食べやすいことがあります。プリンやゼリー、アイスなどが挙げられます。炊き立てのご飯のにおいが苦手になるという話も聞きますが、冷やすとにおいが気にならなくなることもあるようです。
水分が多いものは食べやすい
水分の多いものも、冷たいものと同じようにのどの通りがよいため、食べやすいことがあります。食材だと果物は水分が多いですね。料理だと、みそ汁やポタージュスープ、コンソメスープなどがいいでしょう。麺類も汁気が多いと食べやすいこともあるようです。
牛乳を上手につかってスープにするのもよいですね。固形の野菜は食べられなくても、野菜のポタージュなら食べられるということもあるかもしれません。
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まとめ
牛乳は手に入りやすく栄養も摂れるので、つわり中でも飲める場合は飲んで大丈夫です。牛乳だけでなく、つわりの症状が落ち着いたタイミングで、自分の食べられそうなものを少量ずつ試してみてください。少しでも何かを口にできると気持ちも楽になります。無理にたくさん食べようとしたりせず、体調に合わせて上手に妊娠期を過ごしていきたいですね。
(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
