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2021年01月28日 14:21 更新

【医師取材】妊娠中のエコー検査の種類と目的、先天障害はわかる?

妊娠中に行うエコー検査にはさまざまな目的があります。また、エコー検査には複数の種類があり、それぞれにできることが異なります。今回は、エコー検査の種類と目的をチェックしましょう。

妊娠中のエコー検査の目的

障害を発見するためにエコー検査を受ける妊婦
Lazy dummy

エコー検査とは

エコー検査は、妊婦さんにとっては定番の検査です。この検査では、超音波の反射(エコー)を利用して、子宮の中や胎児の様子を視覚化します。子宮内部の異常ほか、赤ちゃんの成長をチェックするのにも欠かせません。

胎児の成長を確認する

今も昔も「赤ちゃんの性別」を気にするママ・パパは多いようです。胎児の男女の性別については、だいたい20週くらいから分かることが多いでしょう。このころは妊娠中期に当たりますが、胎盤・臍(へそ)の緒ほか、条件が良ければ性器も確認できるようになります。しかし、エコー検査はあくまでも胎児の成長確認をすることが目的です。性別を教えてもらえるかどうかや、教えてもらえる時期は医療機関により異なります。

エコー検査の3つの種類

2D

エコー検査にはいくつかの種類があります。まず、最も一般的でなおかつ主流なのが「2Dエコー」です。赤ちゃんを写した白黒の写真は、この2Dエコーによって撮影されています。なお、2Dとは「縦・横」を表しており、お腹の中の赤ちゃんを平面的な静止画で撮影することが可能となっています。

3D

3Dエコーでは、2Dの「縦・横」に「深さ(奥行)」を加えた、立体的な画像が撮影できます。情報量も当然アップしており、お腹の中の赤ちゃんの仕草(しぐさ)、表情などを観察することも可能です。静止画像ではありますが、我が子の状態をより詳細に知ることができます。

4D

4Dエコーは、3Dエコーの「縦・横・奥行」に「時間」を加えたものです。つまり、胎児を「動画」で見ることができます。赤ちゃんの仕草・表情をリアルタイムに映し出すことができるので、ママにとっては最も赤ちゃんを身近に感じることができるでしょう。病院によっては、4Dエコーに映し出した映像をDVDやUSBメモリーなどに焼いてくれます。ただし、4Dエコーが全ての病院に用意されているわけではありません。興味のある方は、事前に病院に問い合わせてください。

エコー検査で胎児の先天障害は分かるの?

超音波検査では赤ちゃんの頭部や胸、お腹、背骨、足の様子を詳しく調べます。その形態によって異常が疑われる場合は、その後により詳しい検査を行うことになります。

例えば、妊娠10~14週ごろ、超音波検査で赤ちゃんの首の後ろに液体が溜まっているような様子が見られたときは、ダウン症や21トリソミーといった染色体異常が疑われますが、超音波検査だけでは確定できません。この測定値は赤ちゃんの向きや姿勢で数値が変わりやすいからです。そこで、こうした異常が疑われる場合は、羊水検査でより詳細に調べることになります。

超音波検査で赤ちゃんに異常が見られた場合は、状態に合った分娩方法を検討したり、生まれたあとの治療の準備を行うことで、赤ちゃんの命を助けることができたり、後遺症を減らすことに役立ったりします。また状況によってはお腹の中にいるうちから治療する「胎児治療」が選択されることもあります。

まとめ

エコー検査は胎児の健康・成長を見守る大切な手段ですが、健診のたびに楽しみにしている妊婦さんも多いと思いますが、結果的に記念写真のようにお腹の中時代の写真を入手する良い機会にもなっていますね。実際に、お腹の中で動く赤ちゃんを見られるのは妊娠中しかありませんので、気になる方は4Dエコー完備の医療機関を調べてみると良いでしょう。いずれにしても妊婦健診のタイミングを守り、赤ちゃんの異常の発見や経過観察をするほか、ママの健康状態もきちんとチェックしてもらいましょう。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.05.28)

※記事の修正を行いました(2019.06.11)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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