仕事や育児でいつもイライラ。感情的な自分を手放すコツは「視点の切り替え」にあった!『頭の"よはく”のつくり方』Vol.3
頭の中に“よはく”があれば、何か起きてもすぐに自分らしく考え決断し行動できます。不要な情報などがなく「いっぱいいっぱい」ではありません。自分の思考をシンプルにし、可能性を最大限に引き出すコツを、思考の整理家®鈴木進介さん著『本当に大切なことに集中するための 頭の"よはく"のつくり方』(日本実業出版社)からご紹介します。
ヒトではなく「コト」にフォーカスする(1)
罪を憎んで人を憎まず
「部下が、いつもミスばかりしている。何回言ったら直るのかわからない!」と不機嫌なクライアントさんから、部下の悩みを相談されることがよくあります。
「ほかの人はできているし、自分だったらそんなミスは絶対にしないのに、あいつは性格が曲がっている」と……。ひどい言い方ですよね。
確かにミスを連発することはよくありませんが、感情的になって人を責めているだけでは何の解決策にもなりません。ましてや性格など人格にまで踏み込むなんて、部下を追い詰めるだけなので上司の責任は重いでしょう。
人は一度感情的になってしまうと、嫌なことほど頭の中でどんどんと妄想が広がり、自分自身の頭の中はよはくをなくしてしまいます。これでは、相手を追い詰めるだけでなく、自分自身もストレスを抱えてしんどいですよね。
そこで、根本的にものの見方を転換させてほしいのです。
つまり、「ヒトを責めずにコトを改める」ことです。冒頭の事例で言えば、“罪を憎んで人を憎まず”ということです。
コトに着目すると冷静になれる
ヒトに着目してしまうと、感情が入るため頭の中でマイナスの気持ちが膨れ上がることもあるでしょう。ところが、ミスをした「ヒト」ではなく、起きた「コト」に着目すると理性が働き現実だけを見やすくなるのです。
部下がミスを連発した冒頭の例で言えば、部下の性格など 「ヒト」に着目せず、たとえば「ミスが起きないようなマニュアルがなかった」「ミスを予防するための基礎教育の機会がなかった」「仕事を部署内の上長がチェックする業務フローに なっていなかった」など「コト(ヒト以外の点)」に着目すると、「マニュアルや教育制度をつくろう!」「業務フローを見直そう!」と冷静かつ具体的な解決策が出てきます。
また、毎回、朝の会議に遅刻してくるSさんという方がいたとしましょう。Sさんという「ヒト」に着目すると、「毎回、遅刻するってどういうことだ! 時間にルーズだし気持ちがたるんでいるとしか言いようがない! そのだらしない性格は何とかならんのか!」となります。
これを「コト」に着眼点を切り替えるとどうでしょうか? 毎回遅刻する「コト」は、起床時間が悪いのか? 移動手段が悪いのか? 緊張感を持って仕事に取り組めない背景があるのか? または会議そのものに対する優先順位が低いのか? ほかの仕事にかかりっきりなのか? などと冷静にその原因を探る意識が働き、具体的な解決策をもとにアドバイスできるようになります。
「ヒト」に着目すると感情的に、「コト」に着目すると冷静になれる。これが私の持論です。ヒトとコトへの着目の仕方を切り替えるだけで、ヒートアップするあなたの頭はよはくを取り 戻すことができるでしょう。
鈴木進介『本当に大切なことに集中するための 頭の"よはく"のつくり方』(日本実業出版社)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
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『本当に大切なことに集中するための 頭の"よはく"のつくり方』では、ほかにもママやパパに役立つ考え方や捉え方などが紹介されています。ぜひ、書籍でもお楽しみください。
書籍『本当に大切なことに集中するための 頭の"よはく"のつくり方』について
頭の“よはく”がある状態とは、不要な情報や余計な心配がなく、何か起きたときやピンとくる情報に出会ったときに、すぐに自分らしく考え、決断し、行動できる状態のこと。
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思考の整理家®である鈴木進介さんが、頭の“よはく”をつくるためのメソッドを豊富な図で解説します。
鈴木進介さんのプロフィール
思考の整理家®。1974年生まれ。株式会社コンパス代表取締役。 現在は「思考の整理術」を使った独自の手法で人材育成トレーナーおよびコンサルタントとして活動中。大学卒業後、IT系企業や商社を経て25歳で起業。「金なし・人脈なし・ノウハウなし」の3重苦からスタートしたため、3年以上まともに給料が取れずに挫折続きの生活を送る。その後、思考を整理すれば問題の9割が解決していることに気づき、「思考の整理術」に開眼。以来、10年以上にわたり研究を重ねて体系化。難しい問題を優しく解きほぐす「思考の整理術」は、フリーランスや起業家、上場企業まで幅広く支持され、コンサルティング実績は100社以上、研修や講演は年間150日以上登壇、セミナー受講者数は累計3万人を超す。
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